老人だけの生活になると、活発に動き回ることもないので、室内はそれほど激しく乱れることはない。昨日に変わらない今日の室内・・・。
一見変わらないように見える、しかし、積もる埃は明らかに掃除機の透明筒の中に見えるし、老眼鏡をかけた途端、脳天を打たれたようなショックを覚えてしまう。
それほどに日々の汚れは確実に室内に付着している。
《埃や汚れで人は死なない》などの呑気な事を言っている場合でないかもしれない。
(掃除はね、比較的努力しているの)という小さな自負は眼鏡をかけた途端すぐさま吹き飛んでしまう、特にキッチンにおいては。
数年前から評判のセキス酸、買っただけで仕舞ってあったセキス酸、出して試したところスゴイ威力…もう夢中で洗い流す…よく落ちる、もうスベスベつるつるの配管やレンジ…早く使えばよかった!
生きている限りは、掃除も必須科目。老体に鞭打ち、がんばる所存。
作品全体が石化の体である。石化…化石…石になり果てるまでの悠久の時間。
室内の中央には(オルメイヤーの阿房官、険しい山々、一本の樹、岩だらけの荒れ地)などが描かれた絵が額におさまっている。
テーブルにはロウソクと高台のついた器に盛られたリンゴがある。
その手前、つまり前面には、本と山高帽を持った初老の紳士とライオンがそれぞれ逆の方向を向いて存在している。
この条件を指して『旅の想い出』と題している。
これらはすべて象徴(マグリットの言うところの模範例)である。
時代の象徴、社会を席巻した信仰、模範例に見る男の生活パターン(本≒英知、着衣/帽子≒地位)、そしてライオンは百獣の王の名の通り権力・・・。
では、誰の想い出なのだろうか。
《存在の歴史を客観的に見る眼差し、例えば地球》の遥か遠い未来における感想、想い出である。
マグリットは生きた時代を否定しない。しかし、悠久の時間をもって『想い出』として総括することで時代の賢愚を肯定している、そう思う。
(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)
「こっちはすぐ喰べられます。どうです。少しおあがりなさい。」鳥捕りは、黄いろな雁の足を、軽くひっぱりました。するとそれは、チョコレートででもできてゐるように、すっときれいにはなれました。
☆拭う傷(悲しみ)を調べ、補(補い助ける)講(はなし)を含んでいる。
惻(心を痛める)刑(罪を糺して罰する)である。
わたしたちを見すてることがあんたの目標なの。そうおもわざるをえないじゃないの。だって、そうとでも考えなかったら、あんたがこれまでになしとげてきたことになぜひどく不満をいだいているのか、わけがわからないんですもの。まわりを見てごらんなさい。わたしたちの隣人であんたほど偉くなった人がいるかしら。
☆それが終点(死)なの?そう思わざるをえないじゃないの。そういとでも考えなかったら、そんなに恐ろしいまでの不満を持っているのかが理解できないわ。周りをご覧なさい。誰かわたしたちの近隣であなたほど偉くなった人がいるかしら。
※バルナバスは北極星である。周りの星々の中で北極星ほどの要点になった人がいるかしら・・・。