『星座』
広がる大地に一本の樹、その背後に肥大化し擬樹化した一葉。暗紅色の天幕には中央にオリーブから咲いたような二羽(番)の鳩、青空は白い雲に被われている。
この景色を『星座』と称している。
星座とは夜空を眺めた人間の想像図である。星の配置で思いめぐらした空想の世界であり、因果関係の実証のない妄想である。
その空想にこの作品の情景が等しいというのである。
自然の樹を背後から覆う非現実的な肥大化した一葉、広がる大地は丸い弧を描くどころか少し反り返っている。
天には紅の幕、オリーブからは『大家族』に暗示された人類の発生。
地球は球体などでなく、天と地は創造されたものであり、「光あれ」と言われたことで拓かれた世界である。
世界は、あるがままの現実と偉大なる想像力で出来た二重性を秘めている。
言葉によって象徴される世界の解釈は、物理的真実と精神的解釈で成り立っている。
人の抱く世界観もまた、時空の異なる星の並びや光の強弱で『星座』という概念が作られたのと等しいのではないか。
(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)
ごとごとごとごと汽車はきらびやかな燐光の川の岸を進みました。
☆鬼(死者の魂)の赦(罪や過ちを許す)倫(人の行うべき道)の講(はなし)である。千(たくさん)の願いを申べている。
もしかすると、アマーリアに惹きつけられたためかもしれませんが、たまたまわたしたちのまわりには、そういうトランペットを吹いて得意になっている人たちが集まっていました。こういうとき、気をそらすなというのが無理な注文ですし、おまけに、父の命令でポンプにも注意を向むけていなくてはなりませんから、それ以外のことにかまけていることなんか、とても不可能でした。それで、ずいぶん長いことソルティーニに気がつかなかったのです。
☆わたしたちのまわりには、もしかしたらアマーリア(マリア/月)の誘惑があったかもしれません。先祖のこのような高慢を一緒になって考えている人たちがいました。。さて、父(祖先)の命令で精神の源を書き記さなければならないことは最後的に為さねばならず、人びとは実行したのです。それ以外、ソルティーニのことなど長いこと全く気付かなかったのです。