続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『夜の縁の猟師たち』

2016-05-29 07:12:45 | 美術ノート

 『夜の縁の猟師たち』
 二人の猟師らしき男が壁にうっぷし憔悴し、頽れるばかりに憔悴している。

 夜とは太陽が地平線の下に沈み、地平線上に現れるまでの時間帯をいう。月や星が無ければ漆黒の闇であり、仮にあったとしても昼間とは比較にならないほどの暗さである。
 暗い闇夜に対象物は見えず、存在するが無に等しい。太陽(神)の加護のない恐怖の時間帯でもある。

 二人の体躯は頑丈そうであり、着衣(ブーツ・鉄砲)も整えられ、不足のない生活を示している。
 
 何ゆえの絶望なのだろうか。
 《夜の縁》に対する恐れだろうか…鉄砲を持ってるということは、殺傷を暗示する。

 殺傷の懲罰に震え慄いているのだろうか。二人に見える裸の部分は両手の手指と顔や頭の一部分だけである。(この手さえなければ、指令の脳(頭)さえなければ・・・)

 《夜の縁》は、殺傷した動物(あるいは人)の心霊が活動する時間帯でもある。
 見えない恐怖は夜の縁の魔物と化し、彼らを脅迫しているに違いない。


(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)


『銀河鉄道の夜』325。

2016-05-29 06:51:19 | 宮沢賢治

まったく河原の青じろいあかりの上に、黒い鳥がたくさんたくさんいっぱに列になってとまってじっと川の微光を受けてゐるのでした。


☆講(はなし)は幻(まぼろし)である。
 逝(人が死ぬ)の照(あまねく光が当たる=平等)を告ぐ。
 懲(過ちを繰り返さないようにこらしめる)を烈しく詮(明らかにする)、そして、弥(つくろうこと)を恒(常)に需(必要とする)。


『城』2330。

2016-05-29 06:30:55 | カフカ覚書

こんな手紙をもらったら、どんなに冷血なひとだって、最初は憤慨するにちがいないでしょうが、アマーリア以外の女性なら、やがてその意地悪い、おどすような調子が心配になって、恐ろしいという気持ちのほうがたぶん勝ったにちがいありません。


☆この書き物を読んだら、どんな平静な人でもいきなり憤慨するに違いありません。なんとなれば、アマーリア以外の場合では、その悪意ある脅迫的な調子に不安になるはずですが、アマーリアの場合は自分のためにせよ、他人のためにせよ、不安というものを知らないのです。