総て手縫いである。
なんとなく手を動かしているうちに出来上がる簡単ハウスウエアー。
作っただけで着用しない服もある、ばかばかしいほどの労力。でもいいの、縫っている時だけ食べることを忘れるから(まあ、縫物ダイエット)。
『秘められたる音』
秘められたる/secret、隠れていて見えない、有るけれど認識不能である。
この作品を見て(どこに?)と問い、(紐の玉の内部)しかないのではと勘ぐる。見えない箇所は紐に包まれた内部しかないからである。非常にしっかり巻かれた紐は解けないように結ばれている。(人の手をもってすれば簡単に解ける紐という素材であるが)
それを上下から真鍮板(金属)が圧迫しているように見える。(床から持ち上げられているが天上からは押さえつけられいる)
移動不可に見えるが、紐という柔軟性を持った素材なので、四方の開放(出入り自由)により、紐の玉の存在は解放自由の許容がある。
不自由(拘束)に見えるが、自由(解放)されている。
真鍮板(金属)と紐の玉(植物繊維)の接触があるとしても非常に低音であり、静止状態に音は発生しない。しかし微かに動いても何らかの音のエネルギーは発生するかもしれない。
圧縮された物から発生する微音はこの作品を見る限り、無いに等しいほどの超低音にすぎないのではないか。
正しく『秘められたる音』である。
乱れることなく整然と巻かれた紐は、上下の真鍮板(金属)に挟まれている。
《動けないか?否、どこへでも出奔可能な柔軟性と解放された四方の空間がある》わたくし(デュシャン)は自由なエネルギー(音)を秘密裏に有している。
(写真は『DUCHAMP』TASCHENより)
「さあ、もうそろそろやすんでいゝよ。あたしはこれからまた海の方へ行くからね。だれもついて来ないでいいよ。ゆつくりやすんでこの次の支度をして置いておくれ。ああまあいいあんばいだつた。水仙月の四日がうまく済んで。」
☆皆(みんな)法(神仏の教え)の講(話)である。
頼る字の詞(言葉)による図りごとの質(内容)である。
推しはかる選ばれた月の姿は仮の祭りである。
もちろん、わたしが知っているのは、村にいるときの従僕にすぎません。あの人たちは、お城ではまったく別人になってしまって、もうだれにたいしても知らん顔をしているでしょう。
☆もちろん村(死の入口付近)の死人たちにすぎません。お城(本当の死)では完全に別なものになってしまって、たぶん来世(冥府)では気づく人はいないでしょう。