ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

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床屋談義を一笑にふせないのが日本の泣き所(学校で教えてくれない経済学)

2010-08-23 10:32:05 | 経済学
「2012年になれば日本株が投げ売りされるだろう。」と大阪住之江のある馴染みの理髪店で、女子店員に髭を剃ってもらいながら、力説している客人に偶然出くわした。黙って聞いていると、今世界が株を怖がって株から債券や金へ逃げている。米国経済に雇用回復の兆しが見えない。株から逃げる人間が益々増える。世界的に株は下がり続けると断言していた。

女子店員が分かって聞いていたのではなかろう。へェー?へェー?と一応相槌は打っていたが、散髪が終わるまでまくしたてた。暴落した日本株を中国人が買い集めていく。中国は日本の山も買い漁っている。いずれ日本は中国の属国になるとオチまで付けて店を出た。

住之江には15年前の阪神・淡路大震災直後から亡父の介護もあり、7年間住んだ。当の理髪店はその時からの馴染みである。住之江には今年7月の誕生日で96歳になった義母がいる。彼女のご機嫌伺いのついでに、神戸に戻ってからもこの店に立ち寄る。しかし、長年通っているが、先のような過激な言質をはく客人に出くわしたことはなかった。

機会があれば、マスターから、くだんの客人の素状なども聞いてみたいと思っている。この手の話しは軽々に流せない。実は近くの喫茶店で聞いた話として、辞める前にブッシュが訪日すると聞いたと「経済学」で流して大失敗した苦い経験がある。ただ、床屋で先のような話がまことしやかに、仮に暴言であれ、囁かれている自体にむしろ興味を覚えた。

3~4日前の旧聞に属する話だが、テレビ東京の夜の番組で、ドイツ証券におられていま独立された武者陵司氏が出演しておられた。「円高がまともな姿におさまらないと日本は大変なことになる。株や不動産が異常に値下がりしている。資産価格が急落している事実をまず日本人自身が正しく認識することからはじめなければならない」と力説しておられた。

22日の日経朝刊に滝田洋一編集委員が、「静かに進む円高とデフレが発する危機のシグナルから目を背け、権力のイス取りゲームに興じるようでは国民代表失格ではないか」と書いておられた。円高に対しても、なんとなく不気味な静寂が経済界全体を覆っている。

円が強いから円高になっているのではない。ドルやユーロの価値が下がっているから消去法で円が買われているにすぎないと先の武者さんも指摘しておられた。それならそれで、日本政府は、日本国民全体にとって、先々の事態に備えて、今すぐ何をやることが必要なのかを国民に分かり易く説明する必要があるだろう。

日本では株嫌いの人が多い。株がダメなら債券があると銀行も郵便局も運用先にこと欠いて債券投資に異常に傾斜している。債券相場が値上がりし、長期金利がアメリカで2.5%台、日本では1.0%を割った。床屋談義と一笑にふせないことが、今の日本の泣き所である。(了)

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