ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

英ポンド、ユーロ、日本円揃って対ドルで値上がり(学校で教えてくれない経済学)

2010-08-04 09:53:10 | 経済学
ドル円相場が85円台を付けたと日本で騒ぎ始めている。今朝のWSJ紙電子版の記事を読んでいると英ポンドが急激に上げた話の方にむしろ関心が高かった。英ポンドは3日のNY外国為替市場で1英ポンド=1.5949ドルで取引された。5月18日に付けた対ユーロでの最安値から11.2%の上昇で、これは英国経済の改善が理由だとWSJ紙は書いていた。

英国は未曽有の緊縮財政がこれから始まる。景気にプラスに働くはずがない。にもかかわらず英ポンドは上げている。今朝の英BBC放送(NHK/BS「おはよう世界」)で、英国のキャメロン首相が地方回りをして、いかに緊縮財政が将来の英国経済にプラスになるかを説得していた。解雇された消防士を夫に持つ主婦が全く理解できないとキャメロン首相にかみついている場面を映していた。

ユーロの上げ方も英ポンドに引けをとらない。3日のNY外国為替市場で、ユーロは、1ユーロ=1.3229ドルで取引された。欧州の銀行が揃ってドルを売りユーロを買っているとWSJ紙は解説していた。ユーロは5月には1ユーロ=1.18ドル台まで売られた。1ユーロ=1.0ドル、パリティー相場目前とまで専門家は囃したてていたから正に様変わりである。

毎度のことだが、人間がやっていると思うとおかしいとなる。鳥が餌に群がっていると思えばさして驚くにあたらない。一日4兆ドル(85円換算で350兆円)のお金が為替市場で取引されている。少々介入しても焼け石に水だということは小学3年生に説明してもすぐに理解出来るだろう。

日本の野田財務相が「為替は市場にゆだねるべきだ」との発言もドル円相場上昇を助けた
と今朝の「おはよう世界」に出演したみずほコーポレ―トの柳原英敏さんが解説していた。円が買われているのではない。ドルが売られているにすぎない。ドル札をさらに増刷すると米FRBが天下に公言している。米国自身がドル安に苦痛を感じていないからだろう。

3日のNY原油(WTI)市場で、バレル1.21ドル上げ、82.55ドルで取引された。原油の需給が改善した形跡は現時点では見当たらない。ドルが対ユーロで値下がりした結果である。この先ドルが対ユーロで値下がりを続けるかぎり原油相場は値上がりするだろう。

4日付けの読売朝刊に小麦42%高と大きく出ていた。ロシアの干ばつで小麦価格は以前から上げていた。いまにはじまったことではない。小麦値上がりはドルベースである。円が85円に上がれば値上がり幅を抑えられる。円高ドル安は輸入大国にとってプラスである。

ドルは下げたが英ポンドとユーロは上げた。恩恵に浴する向きもあるだろう。円高・ドル安は万人を不幸せにするかのような国民を惑わす記事の書き方だけは慎んで欲しい。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする