報徳ベスト8進出・夏の甲子園
江嵜企画代表・Ken
地元報徳学園がくじ運にも恵まれ、佐賀学園に勝ち、べスト8に進むことが出来た。先発は3年のエース大西か1年の将来の大器、田村か、チーム内でも激しく争うライバル投手、どちらが投げるのか、楽しみにして出かけた。この日も大西が先発した。両校とも投手中心の守りのチームとの下馬評だった。そのため最少得点の接戦を勝手に予想した。
ところが現実は大違い、ヒットの数が報徳20に対して、佐賀14、得点も終わってみれば報徳13に佐賀5と大差がついた。報徳は、足をからませて塁を一つ一つ進めた。相手投手の球を手許に引きつけて打った。コツコツと短打を重ねた。1点づつ小刻みに貯金した。貯えがあったお陰で勝てたようなものだ。8回裏、味方のエラー、パスボールも重なって、佐賀の猛攻に遭った。3点取られた時は正直危なかった。
球場前のコンビニで好物のおにぎりを買い、目的の三塁内野席に着いたのは午後1時前だった。照り焼きにならぬよう出きるだけ高い所に座った。この日はいただきものの入場券のお陰ですんなり球場に入れた。第二試合の早稲田実業と関東第一との東京同士の試合の5回表だった。もし切符が手許になければ、試合が終って前の試合を観終わった客が球場を出るまで、「お預け」になるところだった。
開会式から始まり、今年は甲子園に4回通った。自宅から30分以内で行けるところに甲子園球場があっても、4回はさすがに始めてだった。4枚目のスケッチを画くことが出来満足している。スケッチという目的がなければ、ここまで入れ込まなかったと思う。これもまたスケッチの効用と、自画自賛している。
近くの喫茶店でも報徳の話題が出ている。1年生投手の田村は、小学校6年で既に120キロのボールを投げたと聞いた。家庭の経済環境にも恵まれているそうだ。将来プロ野球の選手になるだろうとその客人は話していた。高校野球はいいピッチャ―がいるチームは強い。しかし、投手一人では試合に勝てない。報徳は現役の力のある野手がほとんど卒業する。しばらく甲子園に出られないだろうと話していた。
たかが野球、されど野球の名セりフを吐いたのは池田高校の「攻めダルマ」の異名を持つ蔦監督だった。野球から色々なことを教えられる。今年の夏は4回甲子園に通い、大いに元気をもらった。日本全体が無気力症候群に打ちひしがれている中で、甲子園での熱気は全く衰えを見せていない。
多くのご婦人客が陽除け対策をして大勢詰めかけていたのも心強い。甲子園球場がリニューアルして特にトイレがきれいになったこともご婦人に人気が出た秘密かもしれない。阪神なんば線の貢献も大きいだろう。関西の地盤地下を嘆くのは誰でも出来る。グランドを無心に走りまわる少年たちの姿を今年も身近に見られ、感謝している次第である。(了)