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ウランは消えない?!:26日付けWSJ紙日本版(学校で教えてくれない経済学)

2011-05-02 10:46:09 | 経済学
「ウランは消えない」というタイトルで、コラムニスト、ブレッドアレンズ氏の4月26日付けの記事が、WSJ紙日本版に出ていた。ウランは、フクシマ原発事故のあと急落、現在ポンド56ドル台である。事故前の2月初旬にはポンド73ドルだった。数年前にはポンド130ドルだったこともあると書いていた。

一方、原油(WTI)相場は、現在、バレル110ドルである。つまり1バレルの原油でウランが2ポンド手に入る計算だ。1ポンドのウランと同量の電力を作り出すには10.4バレルの石油が必要だという見方もあると専門家の意見を紹介していた。

世界で「脱原発」のムードが高まっているが、原発を完全になくすことも出来ないと前置きして、アジアなどの新興諸国では、貧困層から中流層になった何億人もの人々が、車を所有し、エアコンのついた家で暮らし、薄型テレビを見て、海外でバケーションを楽しもうとしている。急増する電力需要を賄うためには、石炭、天然ガス、風力、太陽光、原子力も含め全ての方法で発電する必要が出て来るだろうと書いていた。

世界中で、原子力発電所が約450ケ所ある。22年前のスリーマイル島事故、25年前のチエリノブイリ事故、今回のフクシマと3回しか事故は起きていないとした上で、中国は、フクシマ事故のあと、原子炉の新設計画を90基から70基に減らした。しかし、大幅に増加する。ドイツが「脱原発」に政策変更出来たのは、フランスからエネルギーの一部を買うことが出来るからだ。原発に安全と環境の問題が付きまとう。しかし、石炭と石油を用いた発電は環境負荷が多い。環境破壊で有名になった三峡ダムの例を見れば、水力も問題があることがわかると書いていた。

原子力は1年から2年で3分の1のウランを補充する必要がある。年間7万メトリックトンのウランを使用している。しかし、供給は5万メトリックトン強しかない。世界原子力協会によれば、最小限の費用-1ポンド30ドル以下―で運用されているウラン鉱山は、年間6万メトリックトンしか生産できない。それ以上になると、超過分に1ポンド約60ドルが必要になる。何が起こるか分からないのが相場の世界であるが、現在のポンド56ドルの相場は限界費用だと言っていいかもしれないと書いていた。

一方、27付けのWSJ紙日本版に、WSJ紙コラムの「金投資家はドルの逆襲を恐れるべきか」というタイトルの記事を紹介していた。金相場はドル安を見越して先週末トロイオンス1,530ドル台の新高値を更新している。しかし、ドル安の要素は、金相場の値上がりには25%しか寄与していない。金相場はドル安以外の要素で値上がりしていると指摘していた。29日、NY外国為替市場で、ドルは、2008年7月来の安値まで下げた。対ユーロで1ユーロ=1.4826ドル、対スイスフランで、1ドル=0.8644スイスフランとドルは最安値を更新した。米ドルはどこまで下げるのかという議論も出て来た。

相場の世界では、下げ相場の時は、どこまでも下がるような気がする。上がる時にはどこまでも上がるような気がするものだと、先のブレンドアレンズ氏は書いていた。つまるところ、氏は、ウランはお買い得と言いたかったようだ。日本人には、相場嫌いの人が多い。ところで、フクシマ原発事故以降、日本でも、「脱原発」で議論沸騰している。世界では、さまざまな見方が存在している。良し悪し関係なしに、世の中の流れを、時に、相場に聞いてみることも無駄ではあるまい。(了)

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