ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

中国問題特集、ニューズウイーク日本版最新号が面白い(学校で教えてくれない経済学)

2011-05-26 08:42:10 | 経済学
ニューズウイーク日本版最新号が「嫌われる大国、中国の正体」の見出しを付けて駅の売店に並んでいる。「中国がわかる厳選ニュース100」というコーナーもある。IMFストロスカーン容疑者の極め付きの話や「東電解体」論に見る菅政権の場当た度という記事もしっかり入っており、退屈させない読み物に仕上げている。

中国脅威論者の中には、中国を「草の中の蛇」(目に見えない危険を意味する英語の慣用句)をもじって「草の中の象」と呼び、「大きな体を生い茂る草に隠し、一端走り出せば行く手を遮るものを容赦なく踏みつぶして進む。」巨象の姿に見たて、「一見、巨大で動きが鈍そうだが、身の危険を感じると恐るべき力 で暴れ出す。」とみる。その中のひとりであるブリュッセルにあるシンクタンク国際危機グループの中国専門家ステフア二―・クライネルプラントは「アメリカとその同盟国の影響力は事実上低下しており、中国が何事にも決して譲歩しないからだ。」と指摘していた。

その一方で、中国社会科学院で米中関係を研究する張国慶も象に例えるが、「この象は誰かを乱暴に扱うことはなく、誰もこの象を乱暴に扱う勇気はない。ただこの象は草を爆発的に食べるだけだ」と語ったと紹介している。また「根本的には非常に保守的な大国だ。」「中国と他の国々との間に生じる軋轢の多くは中国が余りに急速に成長し、統治手法ややり方考え方がその成長に追い付かないことが原因だ」と北京大学国際関係部の朱峰教授は話したと紹介していた。

「中国がわかる厳選ニュース100」はどれ一つとっても面白い。その中の一つに、次期トップ習近平氏について、ウイ―クリ―クスに暴かれた知られざる側面として「習はかなり若い頃から中国のトップになる「非常な野心」を持ち、周到な計算をしていた」と書き、「太子党」と呼ばれる習ら高級幹部の子弟たちは、自分たちこそ父親が作った国の「正当な相続人」だと信じていると書いた。「親が共産党員でなく、茶葉の販売をしていた胡のような指導者など「商売人のせがれ」に過ぎず権力を握る資格はないとあざけっていた」と紹介、「習は慎重さが目に付く。政治改革に期待出来ないが、かといって強権を発揮するタイプでないかも知れない」と紹介していた。

一方、25日のNY株式市場は、「ヨーロッパ財政懸念がやや後退、企業業績がしっかりしていることから、株の割高感が薄れ買い戻しがはいり、NYダウは、前日比38ドル高、12,394ドルで取引された。原油WTI相場はディーゼル油の在庫減を好感してバレル101.32ドルへ回復した」などと米国みずほ証券、大宮弘幸氏は解説していた。

「ワールドWaveMorning」「世界の扉」コーナーで、中国で最近労働争議が多発していることを取り上げ、「現地化」が不可欠であると弁護士の範国輝氏が指摘していた。中国人と日本人とは価値観が違うとして、中国人に対して、①時間厳守、②創造性、③職員がやりがいを感じる職場にすることをテーマに訓練する企業内研修の様子を紹介していた。

その他の二ユースでは、フランスF2は、IMF次期専務理事に、ラガルド、フランス経済産業相が正式に立候補を表明したと伝えた。ドイツZDFは①EUで原子炉安全検査ストレステストをEU内の136基全ての原子炉で行うことが決まったこと、②ドイツで発生した病原性大腸菌で3名死亡、600人の患者が出ていると紹介していた。英BBCはNATO軍のリビア攻撃に英国軍のヘリコプター新型機アパッチを投入、ピンポイントでカダフイ陣営攻撃が可能になると解説していた。

日本では内向きなニュ-スが多い。どれだけの日本人が「ワールドWaveMorning]を見ているのだろうか。二ユーズウイークも含めてであるが、一人でも多くの日本の若者が世界の動きに関心を持って欲しい。世界を知れば知るほどむしろ優れた日本文化や外国人にない日本人の長所発見の助けにもなると思う次第である。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

論語と鍼灸 (21) 鍼灸技術が高く見える人

2011-05-26 08:40:33 | 論語と鍼灸
論語には、「礼」という言葉が何度も何度も出てきます。
それだけ孔子が「礼」を大切にしていたのですが、使い方によって礼が「非礼」に変る場合があります。

【恭(きょう)にして礼なくんば則ち労(ろう)す。慎(しん)にして礼なくんば則ち葸(し)す。勇(ゆう)にして礼なくんば則ち乱(らん)す。直にして礼なくんば則ち絞(こう)す】
(丁寧でも、礼がなければ疲れます。慎重でも、礼がなければ萎縮します。勇敢でも、礼がなければ混乱します。正直でも、礼がなければ切迫します)

とってつけたような丁寧さは、失礼に当るときがあります。
鍼灸院で、患者さんに「お客様」と呼ぶのは感心しません。

慎重にしているつもりでも、あまりに動きが遅いと、患者さんがいらいらしますので、治療はできるだけ手際よくするほうがいいようです。

勇敢すぎると、無謀で乱暴になる時があります。
鍼灸院に来られる患者さんが、一番怖がるのが粗暴です。丁寧且つ敏速が大切です。

正直すぎると、余計なことまで言ってしまいます。

随分昔の話ですが、少々太りぎみの患者さんが、スタッフに病因を聞きました。
「何が原因なんでしょうかねー?」

スタッフが答えました。
「喰いすぎじゃないですか」


礼儀とは、敬意をもって相手に接することです。

【礼に非ざれば視ること勿れ。礼に非ざれば聴くこと勿れ。礼に非ざれば言うこと勿れ。礼に非ざれば動くこと勿れ】
(失礼なことには目をむけない。失礼なことには耳を傾けない。失礼なことは言わない。失礼なことは行なわない)

マナーの悪い人とは、一緒にいることも嫌になってきます。
マナーは一朝一夕で身につくものではありません。
マナーは、相手に礼(敬意)を尽くす心からできてきます。
マナーのいい人は知的で美男美女に見えるものです。
マナーのいい鍼灸師はレベルが高く見えるものです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

論語と鍼灸 (20) 患者さんから信頼されるには

2011-05-25 11:30:37 | 論語と鍼灸
【君子は矜(きょう)にして争わず、郡にして党せず】
(君子は自分の意見にこだわっても他人とは争わず、友人と仲良くしても派閥を作らない)

持論にこだわることはあっても、持論と異なる意見の人と争うことはせず、徒党を組むこともしないのが君子だというわけです。
つまり、自分の意見にこだわるというのは、それなりにこだわる理由があるからですが、条件があると思います。
その条件とは、相手が納得できる証拠を見せることができることです。
証拠のないこだわりなら、単なる我が儘か、唯我独尊的思想と考えます。
東洋医学では、ないものをある、と言ったり、あるものをないと言ったりするからで、それを証明できないなら、こだわる意味がありません。

また、派閥を作らないというのは、派閥をつくる事態が、争うことになるからです。
鍼灸師会も派閥であるからには、少なからず争いが起るはずです。
資本主義社会では、組織が重要な必要な役割を果たすこともありますが、孔子流で考えると、「私心で組織を利用してはならない」ということだと思います。

私が十代の頃、こう言う人がいました。
「組織に入るのは、自分に自信がないからだ。自信があったら一人でも十分戦える」と。
う~ん、何故こんなことを覚えているのかと自分でも不思議なのですが、私が団体に所属しないことは、もしかしたらこの人の影響もあるかも知れない。


【子曰く、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず】
(君子は人と調和するが雷同はしない。小人は雷同はするが調和はしない)

同とは「付和雷同」のことで、安易に他人の意見に同調するという意味で、君子は協調はしても雷同はしないわけです。
反対に、小人は協調しているように見えても、ただ周囲に流されているだけの場合が多いというわけです。

例えば、人使いの上手い人は、人の意見を尊重しながらも、自分の意見を堅持し、意見の違いを話し合いで調和させます。
一方の人使いが上手くない人は、誰の意見にも同調しますが、自分の意見がないだけに調和が取れなくなります。

我々よりも患者さんのほうが、病気に対する知識が豊富な人がいます。
そんなときは、患者さんと和するために、患者さんに教えてもらうようにします。
無理にこちらの理論を押し付けることはしません。
東洋医学の理論は、学校で学ぶ解剖生理とは違うので、こちらの理論を押し付けることは、反発を買うだけだからです。

「和」することが、患者さんから信頼されます。

福田晃市先生は、以下のように解説しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なれあいはやめよう

立派な人は、
いくら仲のよい人からの頼みでも、
悪いことには加担しません。
でも、つまらぬ人は、
仲のよい人に誘われたら、
どんな悪いことにも加担します。
こういった「なれあい」は、
身を滅ぼしますし、他人までも害します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米中南部竜巻で116名死亡、中国では干ばつ被害、アイスランド火山灰、地球は怒っている

2011-05-25 09:47:36 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



「ワールドWaveMorning」では今朝も世界の様々なニュースを伝えていた。アメリカ中西部での竜巻で116名が死亡したと米ABCが伝え、英BBCはオバマ米大統領は英国王室晩さん会で米英の深い絆を強調した。ロシアRTRはベラルーシで通貨が50%切り下げられ砂糖、塩などの買いダメに市民が殺到する様子を伝え、北朝鮮のキム・ジョンイル国家主席の中国訪問の様子を韓国KBSが報道していた。

日本関連のニュースでは、ドイツZDFが、フクシマ原発で震災直後にメルトダウンの状態に陥っていたにも関わらず、2ケ月以上たってようやくその事実を国民に知らせた。小出しの発表で日本国民は東電や日本政府を全く信用していないと解説していた。日本の隠蔽体質は今に始まったことではない。太平洋戦争では新聞が先頭切って国民を騙して続けた。インターネット時代では情報は瞬時に世界に伝わる。隠せば隠すほど墓穴を掘るだろう。

キム・ジョンイルの中国訪問の様子が、中国政府が一切報道しないにも関わらず、中国のインターネットの動画サイトで自由に検索出来る時代になった。先の韓国KBSは、中国政府がインターネットの配信を黙認せざるを得なくなったのではないかと解説していた。最近、ウイキリークスは鳴りを潜めていて不気味だが、時代が変わりつつあることを実感する。

英BBCはアイスランド火山爆発で航空便に欠航が相次いでいる。ただ、昨年の経験から飛行区域を火山灰の量によって選定しており、昨年のような混乱は表面化していない。格安航空会社ライアンエアは通常通り飛行機を飛ばしていると紹介していた。フランスF2、ドイツZDFは、今のところドイツ、フランスでは航空便欠航はないと伝えていた。

「ワールドWaveMorning」「世界の扉」コーナーで、中国人民元切り上げ問題を取り上げた。中国が物価高騰への対策の一つとして、考慮されているようだ。最近では特に食料品高騰が目立っている。切り上げにより原材料が安く買える。海南島で開かれた免税店では30%安く買える。富裕層や中間所得層が高額商品を買う様子を写していた。

その一方で、為替レートの切り上げは、輸出の伸びを抑える。広州の輸出業者が人民元切り上げを懸念する声を紹介していた。ただ、中国政府は、外国の圧力で人民元切り上げたという印象は困る。これまで以上に、人民元切り上げへの中国政府の対応が難しくなりそうだと関則夫記者が解説していた。人民元切り上げは日本にも直接間接影響する。今年の注目の一つのテーマだろう。

米ABCの生放送では、ミズリー州での竜巻の様子を現地から報道していた。ヘルメットをつけてバスタブにとっさに逃げて助かったある少年の話を紹介していた。どこに逃げるかも生死を分かつ大切な判断だ。次また、いつどこで竜巻が発生するかわからないと注意を喚起していた。日本では今まで100人を超える竜巻は起きていない。地震、津波、竜巻、火山噴火、干ばつと、地球は怒っているのではないか。自然の脅威について、学校の先生方は、折に触れ、教室で子供たちに話して欲しい。

24日のNYダウは、前日比25ドル安、12,356ドルで取引を終えた。原油{WTI}相場はバレル1.89ドル反発、99.59ドルで取引された。欧州での金融不安が底流を流れている。今週末、OECD経済見通しが発表される。世界景気をどのようにOECDが判断するのだろうか。日本の震災の影響評価と併せて注目される。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

欧州財政危機不安再燃、ユーロ一時、1.40ドル割れ、NYダウ130ドル安

2011-05-24 10:59:07 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



24日の「モーニングサテライト」に出演したアナリストが冴えない表情で、週明け23日のNYダウが、一時、前日比180ドル安まであり、あと持ち直したが、130ドル安、12,381ドルで取引を終えたと話していた。NY外国為替市場では、イタリア、スペイン国債の格下げを引き金にした欧州財政不安再燃を嫌気して、ユーロが再び売られ、一時、1ユーロ=1.40ドル台を割り込んだ。この日は、欧州景気をけん引していたドイツ、フランスの景況感悪化のニュースも伝わり、欧州株が軒並み値下がりしたことも相場の地合いを悪くした。

24日のNY原油(WTI)先物相場が、世界景気の減速に伴い、需要減少懸念からバレル2.40ドル安、97.70ドルへ下落した。さらに中国経済の減速懸念が加わり、エネルギー株、素材関連株が値下りしたことが米株価の大幅下げにつながった。ただ、「ワールドWaveMorning」(米ブルームバーグ)に登場した資産運用会社、C.ハイシ―氏は「再投資の絶好のチャンスが訪れました。ただし、スウィート・スポットで打つことが大切です。」とくぎを刺していた。

ゴルフを多少なりとも経験した人は、スウィート・スポットと聞いただけでピンとくる。余程腕が達者でないとスウィート・スポットでドンピシャリ打てない。ゴルフと言うゲームは、うまい人間ほど、ボールが打ちやすいフエアウエーへ飛ぶ。下手な人間ほど打ちにくいラフへボールが飛び、大だたきすることをいやと言うほど経験しているからである。

今朝の「ワールドWaveMorning」は盛りだくさんの内容だった。英BBCは、オバマ米大統領が、母方の先祖が、160年前住んでいたアイルランドの寒村ムイネガルを訪問、大歓迎を受けた。アイルランドは先週のエリザベス女王陛下に続く有名人の訪問で、「不景気をしばし忘れさせてもらった」と語る市民の声を紹介した。一方、今回のアイルランド訪問は、アイルランド系アメリカ人3,700万も喜んだ。米大統領選挙をにらんだオバマのシナリオだと解説していた。

フランスF2は、フランスが最新鋭へリコプタ―を投入したと伝え、先週のリビア艦船8隻撃沈に続き、「リビアの軍事力弱体化が進む」とジュぺ仏外相が語る様子を伝えていた。カタール、アルジャジ―ラは、シリアでの反政府デモの様子を紹介「シリア情勢の安定化は望み難い」と伝え、事態は混迷の度を深めていると解説していた。

ドイツZDFは、ドイツ北部で牛の大腸菌に汚染された野菜を料理した主婦が、血便、痙攣性胃痛を訴えている。感染地域が南下する怖れが出ているとトップで伝えた。カラチのパキスタン海軍基地がタリバンに襲撃され20名の兵士が死亡した。今回、タリバンにいとも簡単に攻撃を許し、解決に24時間も要した。パキスタン軍は、タリバンから核兵器を守れるのかという不安が出て来ていると解説した。

経済関係では、ドイツZDFは、ガソリンの値上がりが続いていると伝え「石油が上げた時は必ずガソリンが上がる。石油が下げた時は、ガソリンは下がらない。カルテル庁は怠慢だ」と語る市民の声を伝えていた。これは日本でも同じである。ところが、国民性の違いであろう、日本人はひたすら値上げを我慢している。我慢も限度を超えると病気になる。

豪ABCが、タスマニア島でウニが大繁殖して海の生態系を壊している。ところが、ウニは日本人の大好物、日本や中国にウニが大量に輸出されることになって、漁民は大喜びしていると伝えた。英BBCはアイスランドで昨年と別の火山が大爆発を起こし、昨年の二の舞を航空業界は心配していると伝えた。米国では竜巻で89名が死亡した。地球は一つ。世界の動きから目を離すことは出来ない。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

論語と鍼灸 (19) おのずと鍼灸がうまくなる話

2011-05-24 08:40:40 | 論語と鍼灸
【子曰く、君子は徳を懐い(おもい)、小人は土(ど)を懐う。君子は刑を懐い、小人は恵(けい)を懐う】
(先生が言われた。君子は道徳や教養を思い、小人は土地(郷土や家)を思う。君子は刑罰のことを考えるが、小人は恩恵を考える)

君子はリーダーであり、小人はつまらない人のことですが、リーダーである君子は、道徳の普及を思い、小人は生まれ故郷や、自分の土地や家のことばかりを考えているというわけです。
君子は、仁の実践の大きな志を持っていますので、生まれ故郷に安住の地とせず、規則や刑罰のあり方に心を傷めますが、小人は恩恵ばかりを求めてしまうというわけです。


何度か経営セミナーに参加したことがあるのですが、ある医師が、(訪問医療で儲かる方法を)詳細に解説し、「美味しい話でしょう?」と参加者から賛同を得ようとしていました。
また、ある経営コンサルタントは、「患者さんに何回も足を運んでもらうには…」という話をしていました。

それはそれでいいかも知れませんし、悪いことではないかもしれません。
しかし、健康保険のことを考えるリーダーは、そんなことはしないと思います。
本当に必要な人に健康保険は使ってほしいからです。

「自分だけ儲かろう」という考えを持っていては、いつまでも成長しませんし、常に不安が付きまとうはずです。
我々鍼灸師も、全ての国民が健康であることを願って、そのお手伝いをすることが使命のはずで、自分の土地やマイホームを手に入れることが目的ではないはずです。

「成功」とは、何もお金持ちになることだけではないのですから、別の角度から成功を考えてもいいのではないかと考えるわけです。
私利私欲に振り回されていると、危険は目に遭わされることが多くなります。


孔子はそのことを次のように言っています。
【子曰く、利に放(よ)りて行えば、怨み(うらみ)多し】
(先生が言われた。利益に従って行動すると、人から怨みを買うことが多い)

自己中心的な利益ばかりを求めていると、他人の利害と衝突して争いあったり怨まれたりすることが多いということです。
孔子は、「利益を得てはならない」とは一言も言っていませんが、自分だけの利益を貪ることを非常に嫌っています。

私が考えている鍼灸上達のコツに、「上級者は他人の技術を批判しない」というのがあります。
つまり、他人の技術を批判して自分の技術を認めてもらおうという私欲は、遠回りして批判した人の耳に入り、衝突が起ったり争いが起ったりするものです。

家族は国家の礎です。
家族は大切にすべきです。
ですからマイホームも大切です。
しかし、衝突をしたり恨まれたりして手に入れたモノは、いずれ失われてしまいます。
「金は天下の回り物」です。
回ってきたときでいいのです。

【君子は徳を懐い、小人は土を懐う】
徳を懐っているとお金は回ってきます。
おのずと技術が高くなるからです。
土を懐っていると、なかなかお金は回ってきませんので苦労ばかりです。

昔見たテレビドラマで、ナベ蓋を売り歩く少年がいました。
どこへ行っても売れません。
あるところで、ナベ蓋が粗末に置かれているのを見て、それを河原で洗います。
それを見た近所の人は、「こらー、何をするんだ!」と怒ります。
少年は、「ナベ蓋があまりに汚れているので、きれいに洗っていたのです」と答えます。
それを聞いた近所の人は、その少年からナベ蓋を買うことになります。
おかげでその少年は、その地域だけで相当な数を売ることに成功しました。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

論語と鍼灸 (18) えり抜きの鍼灸師になるには

2011-05-23 09:50:59 | 論語と鍼灸
【曾子(そうし)曰(いわ)く、士は以て弘毅(こうき)ならざるべからず。任重くして道遠し。仁以て己が任となす。亦(また)重からずや。死して後已(のちや)む。亦遠からずや】
(曾子が言うには、学に志す者は心が広くて力が強くなければならない。その任務は重大で、道は遠い。仁を自らの任務としているのであるから、なんと重いではないか。死ぬまで担がねばならない。なんとその道程は遠いではないか)

鍼灸師は患者さんからすればリーダーです。
そのリーダーになることを誓った人は、生涯重い荷物を背負う覚悟が無ければ、いいリーダーにはなれないと言うのです。
常に仁の心を追求し続けることで、いつ死んでもいいように、常に仁の心を持ち続けなければならないと言うのです。

「仁」については、何度も書いてきましたが、人に対する思いやりであり、慈しみであり、人とのコミュニケーションです。

だいぶ厳しい論語が出てきましたが、このブログは上級者を目指す人の為に書いているので、着いて行けないと思う人も多いかも知れない。
しかし、同じ鍼灸師になったのですから、誰でも上級者とか達人と言われる鍼灸師になりたいと心の隅では考えているはずです。


中国兵法にも上級者になるためのヒントが書かれていました。
『論語』ですでにご紹介しました福田晃市先生は、気さくな話し方をする先生ですが、「兵法」はかなり研究しており、出版物も多いのです。
福田先生の兵法のご著書、『みるみる身につく「孫子の兵法」』には、地勢のパターンとして以下のようなことが書かれています。

※近々福田先生にご講演をお願いしようと考えております。




【用兵の法、散地(さんち)あり、軽地(けいち)あり、争地(そうち)あり、交地(こうち)あり、衢地(くち)あり、重地(じゅうち)あり、圮地(ひち)あり、囲地(いち)あり、死地(しち)あり】
(戦いで兵を動かす法としての地形としては地勢として、散地(さんち)、軽地(けいち)、争地(そうち)、交地(こうち)、衢地(くち)、重地(じゅうち)、圮地(ひち)、囲地(いち)、死地(しち)の九つがある)

散地(さんち):自分の住む地域の近くで、兵士たちは家に帰りたいと考えるし、家も近いので逃げやすいので、ここでは戦わないようにして兵士を任務に専念させる。

軽地(けいち):敵地に入ってすぐのところで、兵士たちは今ならまだ家に帰ることができるので、先に進みたがらない。そんなときは、先を急いで兵士たちを繋ぎとめる。

争地(そうち):占領すると有利になるところで、守りやすく攻められにくい重要な地点をめぐり、互いに争奪し合うので、無理して攻めずに後続部隊をを急がせて前線の戦力を増やす。

交地(こうち):自分も行きやすいし、相手も来やすいところで、交通がさかんで往来も激しく、道路を封鎖もできない。部隊どうしの連携を強め、全方位からの攻撃に備えて守りを固める。

衢地(くち):各国に接して、さまざまな国と通じやすいところで、いくつかの国の国境が接している。交通の中心をおさえて周辺諸国と手を組めば援軍を得ることができるので、各国との交流をはかり、周辺諸国と同盟を結ぶ。

重地(じゅうち):敵地の深くまで入ったところで、退散が難しくなったところ。物資の不足が起る可能性があるので、物資を略奪し食料を補充する。

圮地(ひち):山林、難所、湖沼、河川などがあって通りにくいところで、環境が悪く、そこにいるだけでダメージを受けてしまうので、すぐに立ち去るか、さっさと通過する。

囲地(いち):自由に動けないところで、進む道は狭く、帰る道のりは遠くて、敵の有利になる。武力だけでは勝てないので、知恵をめぐらすが、あえて退路を断つことで、兵士たちを結束させる。

死地(しち):逃げ場がないところで、素早く戦えば生き残れるが、ぐずぐずしていると全滅するので、兵士にピンチを自覚させて必死に戦わせる。


私が見てきた「えり抜きの鍼灸師」と思われる人たちは、衢地(くち)や囲地(いち)や死地(しち)を経験している人が多かったように思います。
これらの地勢は、別名「絶地」と呼ばれるところで、逃げるのが難しいことを意味しています。

例えば、私が各地を講演と講習で廻っていたとき、講演をすると必ず個人相談を申し込まれました。
そして、必要に応じてパパッと治療するのですが、一人に5分もかけようものなら、20人では100分になってしまうので、一人1~2分の時間しか取れなかった。
今考えると、その時の心境が「死地(しち)」だったような気がします。
講演で偉そうなことを言った以上は、聴講者の目の前で結果を出して見せなければならないからです。

人間「死地」に立つと、不思議なもので瞬間的に閃きが出てくるものです。
でも、閃きだけで治療をすると、単なる「まぐれ」や「偶然」になってしまうので、理論的な解説も必要になってくるわけです。
そんな積み重ねが ≪人体惑星試論奥義書≫ をまとめるときに役立ちました。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

デンドロビウム(スケッチ&コメント)

2011-05-23 08:46:55 | スケッチ


デンドロビウム

江嵜企画代表・Ken



三宮に出る機会があり、例のフラワーショップ「潤」に立ち寄った。ほとんどの花が出払った後なのだろう、保育所での親待ち子供のように淋しそうな顔をしている花と目が合った。

傍に既に嫁入り先の決まったひと鉢1万円もする胡蝶蘭が並んでおり余計目立った。
値段を見たらなんと680円である。値段に不足はない。家に持ち帰ってスケッチした。

花のラベルにはデンドロビウムとあった。フリー百科事典「ウイキぺディア」によれば、ラン科セツコク属の総称、東南アジア中心に世界各地で分布している多年草、11~4月ごろ開花する。元種は1,000以上ある、色、形も多様と出ていた。

買って帰った後しばらくは、少し不機嫌な顔をしていた。
ところがスケッチを進めるうちに、おかしなもので、花弁が紅をさしたように元気になってきた。やはり描いて欲しかったに違いない。

水心魚心という言葉がある。花も元気になる。花が元気になれば、人も元気になる。花からいつも元気をもらっている。(了)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

論語と鍼灸 (17) 腕のたつ鍼灸師の共通点

2011-05-22 12:43:06 | 論語と鍼灸
【士にして居(きょ)を懐(おも)うは、以(もっ)て士と為すに足らず】
(教養のある人が逸楽にふけり、気楽な生活に心を奪われるようになったら、教養人としては失格である)

仕事中でも家庭生活や趣味のことしか考えないような人は、どんなに勉強しても君子にはなれないという厳しい教訓です。
実際腕のたつ鍼灸師というのは、仕事中はおろか家庭にいるときでも仕事(鍼灸治療)のことを考えているものです。

そのようになったほうがいいとは言いませんが、逸楽だけは気を付けたほうがいいようです。
例えば、いくら腕がたつと言われた鍼灸師でも、書画骨董や趣味の逸楽に走ると、進歩が止まってしまい、過去の栄光にすがろうとする話や、権威を誇示しようと言動が多くなるものです。


鍼灸師にとっては「陰陽」の判断というのは、基本的な判断基準になるのですが、「陰陽」の使い方を知らない人が多い。
それは、陰陽の特性を熟知してないことに由来するようで、今度の ≪臨床実践塾≫ では、陰陽の特性と使い方も解説する予定です。

今度からの講習では、一穴鍼法が使えるようになるための、理論と実技です。
そこで「陰陽」の解説から始めるのは、陰陽が分かれば、経絡や経穴の使い方もわかるようになり、治療がスムーズに運べるようになるからです。
陰陽を、「実用弁証法」で使いこなせるようになれば、患者さんにも「陰陽の実験」をして見せることで、鍼灸師としての格が上がると思うのです。

「陰には陽を、陽には陰を」というのが基礎になるのですが、それは「調和」をいうことで、仕事を陽とするなら逸楽を陰として考えると、どちらに重きを置くかで人物評価もできるわけです。
「陰」の特性として「緩める」というのがありますが、逸楽のことばかり考えている人は陰の要素が多くなるので、緩み過ぎて堕落しやすくなります。
それが論語でいう【士と為すに足らず】になるわけです。

熱は陽に分類します。
となると、当然その反対の冷えは陰に分類されます。
痛みというのは、陰でも陽でも発生しますので、熱でも冷えでも痛みが起るわけです。
また、時間という陽性が加わることで、陰陽が逆転してきます。
腰が痛いという症状で考えますと、熱があれば冷やしていいのですが、慢性化して冷えているのに、シップなどで冷やすのは症状を悪化させるだけです。

発熱も陰からくるのと陽からくるのがあります。
熱があるからといって、ただ冷やせばいいものではないわけです。
冷えて熱が起っていたら、暖めて治す方法を用いるわけです。
経絡にも陰経と陽経があります。
陰経の症状に陽経を使うこともありますが、まずは基本的な使い方から覚えなければ、間違った治療をしてしまいます。

陰陽は一つの道具です。
道具は使い慣れないと上手く使えません。

「士と為る」には、普段の生活でも陰陽を使った生活をするわけです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

猪熊佳子日本画個展風景(スケッチ&コメント)

2011-05-22 06:11:08 | スケッチ


猪熊佳子日本画個展風景

江嵜企画代表・Ken



近鉄八尾駅前にある八尾西武店6階画廊で猪熊佳子日本画展が5月30日まで開かれている。この日は猪熊佳子先生が会場に顔を出されると聞いていたので教室の生徒が集まった。

4号から30号まで多くは6~8号だったが、森の風景を中心に20点ばかりの作品を堪能した。会場の様子をいつものようにスケッチした。

お昼時間猪熊先生に時間をいただき、生徒有志で、同デパート8階のレストラン街で和食バイキングを食べながら勧談出来幸いだった。

やや気がかりなことに、土曜日だったが、デパートは閑散としていた。買い物のついででもいいから、せっかくの展覧会である、一人でも多くの日本画ファンに尋ねて欲しかったが会場に足を運ぶ客はすくなかった。プロの日本画家の絵を生で見られる絶好のチャンスである。デパートもPRにもっと力を入れる必要があるだろう。

一番驚いたのは、来訪者名簿が受付に置いてなかった。失礼を省みず言えばデパートの方針とのことだったが、これは明らかに怠慢だろう。猪熊先生が会場に出ておられる日はいい。そうでない日に訪れた人を知るすべがないではないか。

帰路、阪神なんば線に乗車した。難波から4人の老人グループがたまたま前の席に座った。聞くとはなしに話を聞いていると兄妹だと分かった。あまりに楽しそうに話に興じておられたので、思わずスケッチをし、即興で仕上げてお渡しした。

自分で言うのもおこがましいが、それが大受けだった。お姉さんとおぼしき方が、丁重に礼をいい、財布の中に大事そうにしまいこまれた。東京から観光で関西方面にやってきた。明日は一日休んで明後日は神戸観光で、楽しみにしていると嬉しい話を聞かせてくれた。彼らは阪神芦屋駅で降りた。

東日本大震災で東京はいかがでしたかと水をむけたら、先のお姉さん格と思しきご婦人が、水に一時苦労しました。いまはほとんど心配ありませんと答えてくれた。いい旅の思い出が出来たと、お別れの時4人全員から丁重な挨拶を受けた。

出過ぎたまねは慎むべきだが、これもスケッチの効用と自画自賛している。(了)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする