「ベートーベンの三曲」に続いて、私のお気に入り=ベートーベン「初期の三曲」を選んでみました。これを聴いて幸福にならない人はいない!と思う3枚のCDをご紹介します(しかもすべて1000円~1300円で入手できます)。
まず、正真正銘の作品1、「ピアノ三重奏曲の1番(作品1の1)と2番(作品1の2)」です。演奏は、スーク・トリオで、83年・84年の録音、DENONから廉価版で出ています。清潔感と共に優しさ、適度な甘さのある心に染み入る名演奏です。
次は、「バイオリンソナタの1~3番(作品12の1~3)」です。バイオリンがシェリング、ピアノがヘブラーです。共感力、技巧の冴え、均整(バランス)、すべて揃った名演。純粋で暖かい。録音は78年でフィリップスから廉価版で出ています。
最後は、「ピアノ協奏曲1番(作品15)」、真に偉大な自由人―グルダのピアノです。バックはホルストシュタイン指揮のウィーンフィル。録音は70年、LONDON・キングレコードから出ています。1番に限らずベートーベンの5曲のピアノ協奏曲は、未だにこの演奏の右に出るものなし、と太鼓判を押したいと思います。実に豊かな音楽です。愉悦に溢れるベートーベンをぜひどうぞ。
10月9日 武田康弘