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六二。係小子、失丈夫。
子どもを縛っていると大人を逃がしてしまう。これは、なかなか含蓄がある。学校教育で子どもを縛っていると、大人の教育を逃がしてしまう。学校教育にたいしてやたら意識的な社会というのは、大人の逸脱行為を制御できない。当たり前である。発想が、せいぜいわがままな人形を静かにさせるみたいな矮小さに陥っているので、大人の問題を解けないのである。
中2病や老害をいじめる社会に、SDGsとか一人も取り残さないとか、どだい無理な話なのではないだろうか。SDGsは少なくとも問題は複合的にしか解決されえないということを言っているわけであるが、中二病とか老害とか一人も取り残さないみたいなスローガンが命令と化しているのは、ほぼ我々が社会を、悪をそのつど一つに確定して糾弾してつぶす学級会みたいに捉えているということである。現実の子どもは、学校から常に帰る。