15時過ぎにバスにて横浜駅まで出向いた。バスの中で購入しなければならない文具をいくつか思い出した。
家電量販店の文具売り場、100円ショップ、山の用品店をまわり、ここ数か月購入を忘れていた文具などを購入。疲れて喫茶店で一服。読書をするゆとりはなかった。
帰宅後、雨月物語の「蛇性の淫」を読み終えた。
「蛇性の淫」は源氏物語の情景描写なども援用しながら、著者の博識がさえている。同時にさまざまな中国や日本の古来の物語を使いながら新しい物語を作り上げる構想力にはいくら解説で指摘があっても脱帽というか、追いつけないものがある。
同時に女性の側の情念の強さを描き、男の回生の物語りである。しかし男の回生も男性性を捨てることで生き延びる物語である。その上、蛇に取りつかれた女性は個性など発揮する前に死を迎えてしまい、存在感はまったくみせない。
現代の視点から見ると物足りない人物造形ではあるが、しかし近代の小説に通じる男女の情念の物語のような気がしている。具体的な評論をする力はないが、そんな印象を持った。