Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

梅の俳句

2023年01月15日 19時59分22秒 | 俳句・短歌・詩等関連

 珍しくどこにも出かけず、親の家に食事を3度運び、家の近くのドラッグストアでの買い物にに出向いただけで1日が終わった。
 家ではゴロゴロと「シュルレアリスムとは何か」を抱えながら、寝室とリビングルームを往ったり来たり。
 時折り雨がバラつき、朝とは違って午後は寒々しい外の気配となってきた。本日の今最高気温も明け方6時の12.8℃であるから、昼から午後にかけて気温は下がってきていることになる。現時点の最低気温が深夜1時過ぎの10.2℃の表示なので、10℃は下回っていないようだ。

★梅固し女工米研ぐ夜更けては       飴山 實
★ぬかるみに梅が香低う流れけり      小津安二郎
★辞すべしや即ち軒の梅を見る       深見けん二
★梅ひとつ咲かせて雨の去りていく     庄司 猛

 第1句、作者名からは明治・大正期の女工哀史の世界ではなく、戦後の高度成長を支えた中学卒を中心とした集団就職の女性の日常を捉えた句と考えている。団塊の世代かその直前の世代に相当するのだろうか。そんな想像力はもう時代の遠い記憶の彼方に消えかかっている時代に突入してしまった。私の学生時代の1972年に東北本線の集団就職列車の最後が運行された。
 思えば、女工哀史の世界も、世界各地への開拓団、少年兵や勤労動員、戦後の混乱期の「浮浪児」達も、そして集団就職の過酷な労働も、近代・現代の日本を支えたといえば聞こえはいいが、犠牲もまた押し付けられたのは10代の多感な少年・少女たちである。
 彼らの極く一部の成功譚ばかりが喧伝される中で、声なき声・無念の声は膨大である。



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