本日の朝日新聞に「岩佐又兵衛風絵巻の謎を解く」(黒田日出男、角川選書)の書評があった。評者は呉座勇一氏。
ちょうど江戸時代の絵画史の講座で取り上げられてもいるし、おどろおどろしい描写は見るものを圧倒する迫力とリアリティを感じてきた。
この岩佐又兵衛の絵巻群のパトロンが2代将軍秀忠の兄の結城秀康の松平忠直であったとの結論であるとのこと。秀忠から一方的に疎んじられのか、疎んじられるような振舞いがあるほどプライドが高かったのか、徳川政権の複雑な権力闘争のありようと搦め手の論考である。
乳母というものの存在に焦点を当てた論考、あるいは著者の得意とする絵画資料の読み込みに基づく論考ということで、是非とも目を通したいと思った。
しかしすぐに購入してもいつ読み始められるかも定かではない。それが悲しい。取りあえず、来週になったら神大の生協で注文だけはしておこうと思う。