本日は「失われたアートの謎を解く」の第2章「戦争で消された名画」を読み終え、第3章「捨てられて上書きされて」に入ったところでいったん中断。
ヒトラーとスターリンによる絵画の略奪と破壊については、多くのことをすでに耳にし、目にしてきているが、あらためてその実態を思い出しながら目を通した。
国家が抑圧的に、文化を蹂躙することの怖さ、それは国家というものが存する限り、続くものであることをあらためて認識したいもの。それは日本も同じ水準のことを100年前の昭和の時代の始めからなしてきたことが忘れ去られようとしている。それはその教訓がきちんとなされていないために、亡霊のようによみがえり、亡霊が復活しようとしているのが、この20年である。
歴史は、歴史に学ぼうとしない輩に力を与えることで、後ろに強引に引っ張られる。前に進ませるのは膨大なエネルギーの積み重ねと時間が必要だが、後ろに後退するのは坂道を転がり落ちるよりもたやすい。
日本だけではなく、いつの間にか世界がその逆流の中にいる。
そんなことを考えながら読み進めている。