陽射しに恵まれた鎌倉で「鎌倉アート×歴史散歩」という催し(中村宏美氏主催)に参加した。10時に鎌倉駅に集まり、総勢6名で、若宮大路・段葛・二ノ鳥居、鶴岡八幡神宮社殿、鎌倉国宝館、鏑木清方記念美術館、鎌倉・吉兆庵美術館をまわって13時近くになって鎌倉駅に戻り解散。
鶴岡八幡宮は幾度か訪れているが、参拝する社殿まで登ったのは2回目。初めて社殿の装飾や、境内から若宮大路の眺望を認識した。
国宝館も2度目。1度目は10数名で訪れて慌ただしかったので、あまり印象に残っていなかった。便所の位置すら覚えていなかった。
今回あらためて見て「薬師如来及び両脇侍像」(鎌倉時代、養命寺)と「宝冠釈迦如来坐像」(南北朝時代、建長寺)、「初江王坐像」(鎌倉時代、円応寺)が気に入って、しばらく見入っていた。
平常展示でもあるので、機会を作って再度訪れて拝観したいと思った。
小町通を鎌倉駅へ戻りながら、途中で鏑木清方記念美術館へ。普段はいつも通り過ぎてしまうのだが、今回はコースに含まれており、素直に入館。
美人画というのは普段はじっくりと見ることがないため、いい経験をした。
「早春の風情」という企画展(1.13~2.27)を開催していた。作品はずいぶんと凝った制作過程を持っていることも解説で教えてもらったが、その工芸的で職人芸的こだわりというのにはとてもひれかれるものの、なかなか見極められない。
ただ最晩年の1970年、93歳の時の作品という「白梅」には惹かれるものがあった。「丁寧で凝った」という筆致の作品ではないが、青紫と鉢の土の緑の配色、円弧に沿った梅の枝ぶりが気に入った。ほのかな白い梅の花弁が瑞々しく目に焼き付いた。
最後に回った吉兆庵美術館は存在そのものを知らなかった。和菓子店の奥にあり、外からも分かりにくい。展示は「吉祥文様を読み解く」(1.5~4.7)。解説を読んで知識をもらった。常設展示の北大路魯山人の収集品の中では、私の眼には好きな織部焼の緑の釉薬に吸いよせられていた。狭いながらも凝った古陶器を静かに見て回ることが出来た。