メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

1992 French Open

2004-01-21 16:07:31 | テニス
 

さて、さて今年もローランギャロスの時期がやってまいりました!

放送加減は相変わらずムチャクチャで、5/25に一度放送したと思ったら、
それからずーーーーーーーーーっと間があいて(WOWOWじゃずっと生中継だったみたいだけど)、
1週間ほど待たされて、やっと録画映像でベスト16あたりから観れたけど、
パリで雷雨や、突然のにわか雨での中止、電線が落ちたとかでの中断、音声の乱れ等々乗り越えて・・・。


まず、男子のほうは、なぜかベスト16の時にはすでにエドベリ、レンドル、ボリスもいなかった?
出なかったのかしら??? 怪我してるって噂もあるし。チャンも早々敗退。
でも、われらがスランプを抜け出たアガシが残っててくれたのがせめてもの救い!

一時はランキングもあれやあれやと70位台まで落ちて、今大会でもやっとこさ11シードをもらえたという、
去年の準優勝者とは思えないような落ちぶれようだったわけで、
結構「サーヴを猛特訓した」とか「メンタル面でも成長した」とかいって、
そーとー鍛えて、全力あげてるのに、あのハードヒットのプレースタイルは今の世の中には通じないのかしら?

でも、クーリエとさえあたる前までは「誰にも負ける気がしないくらい好調だ」と言ってたとおり、
サンプラスとも1セット目こそタイブレイクでしのぎ合いの接戦だったけど、
彼も好調だったのに、2、3セットは軽くとって、ストレートで敗り、
やっぱり準決勝であたっちゃったのよねぇ。

別に悪くもないのに(プレーがちょっと単調だったけど)、今のクーリエはやっぱ誰にも止められないのかしら?
結果はストレート負け。
ほんと、終わってみれば全然いいとこなかったって感じ。
ヘアスタイルかコーチでも変えて、新たに生まれ変わるべきじゃないかしら?


一方、別ブロックのほうは地味な顔ぶれの中で、唯一、地元のルコント!が勝ちあがってきてる。
だからテニスって面白い。こうゆうプレイヤーがいてくれるから。

本当に平井さんの解説じゃないけど、200位台の今まで一体何をしていたんだろうっていうプレーで、眠れる獅子が突然起きたって感じ。
USオープンの時のコナーズみたいに、クレーコートの観客全員をバックに、水を得た魚の如く暴れまくってる。

今の時点では、決勝にはクーリエ、準決でのコルダと、ルコントの勝者があたる模様。
でも、圧倒的にクーリエの今の力って、どうにもならないんじゃないだろうか。
なんだか退屈なNo.1 playerだけど。


決勝戦 ジム・クーリエ×ペトル・コルダ(チェコ)

本当に地味な顔合わせ。
コルダはランキング7位まで浮上したのに誰も知らない選手で、
一体、世界中の誰がクーリエを敗って、初金星をあげるなんて予想するだろうか?(失礼/謝

予想通り、1セット目だけ頑張って、あとはキレイにストレート負け。
クーリエは2連勝した。

ゲームもほとんど観てなかった。眠くて、眠くて
延長するどころか、予定時間より早く終わっちゃったし。

*********

女子は、さすがシード上位が4人残った。

いわずと知れたセレス、サバティーニ、グラフ、サンチェス

セレスと雉子牟田明子のゲームは、日本にとっても、パリにとっても、1つの盛り上がりだった。
互角に打ち合って、ラストはなんだかあっさり終わっちゃったけど、伊達に押されて、日本女子は頑張ってる。

その伊達は、この前、1勝したサンチェスとあたってストレート負け。
相手も手を抜かずに本気でかかってきてた感じ。
でも日本女子選手初のシードが与えられ、ベスト16まで、それを守り抜いたって事実は当然、記録に残る。


セレス×カプリアティ戦も観れたし、セレス×サバティーニ戦もあって、やっぱセレスはスゴイ
大会の盛り上げ方までしっかり身に付けてる。

このキュートで、信じられないパワフルなNo.1 playerは、
今大会、グラフとともにあんまり本調子じゃないにも関わらず、
ピンチに追い込まれていても、安心して応援できる、フシギなまでに精神のタフな女の子。
髪の色も自分のもともとの茶色に戻して、シニオンを巻いた10代の少女。

それで、予想通り決勝はセレス×準決勝サンチェス×グラフとの勝者。
前回は、ちょっと体調の悪さもあってサンチェス初優勝だったけど、どう考えてもグラフが上がってくると思うなあ。

「20回壁打ちが続いたら、キャンディをあげる」
と父親と約束してテニスを始めた、ちっちゃなドイツの少女。

トッププレイヤーたちは、みんなそれぞれ、そんな思い出を持って、トップへの険しい道を這い上がってきている。
同世代の子が経験する楽しみをことごとく捨て忘れ、
どうにかしてコート上での王者を目指して、その1ポイントに賭け続けているんだ。

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決勝戦 モニカ・セレス×スティフィ・グラフ

ああ、この試合ったら・・・
3時間にもわたって、この2人が息をつく暇もなく闘った歴史的なゲーム。
そう、記録に残らないはずがない。

もはや誰も止められない勢いの世界No.1のセレス。
彼女がもっともケアしていたグラフは、この白熱した第3セットの10:8というスコアが物語るとおり、
その存在を私たちに示してくれた。

タイ・ブレイクのないラスト・セット。
数々の名ショットとともに、どちらも本調子でないにも関わらず、
真っ赤なクレーコート上を、グラフは得意の回りこんでからの逆クロスで、セレスの強力なフォアを封じ、
マッチ・ポイントを数回握られながらも、崖っぷちから這い上がるようなギリギリの応酬で逃れる。

さんざん前後左右に振られて、スタミナも限界に見えたセレスは、
持ち前のスマートな冷静さ、そして誰をも凌ぐ精神的なタフさで、
最後の最後まで凡ミスをすることなく勝ち越した。

2人はまさに現代に蘇った女戦士に見えた。
堅い鎧こそ目に見えないが、狂喜に沸いた2万人近い観衆に四方を囲まれ、
火のついたような1個のボールを追いかける現代の女傑

これほど、1人の女の子を体力と精神の限界を越えて走らせるスポーツがほかに一体あるだろうか


「これほど、競った素晴らしい試合は、今まで一度もなかったし、これからもないだろう」
試合後、観衆のグラフコールに涙ぐみながら、彼女はコメントした。

一方、セレスは半ば当然のように、毅然とした様子でグラフを讃え、
そしてつねに彼女の精神とプレーを支え続けている最愛の父に対して深い感謝の意を伝えた。

いつもそうだが、負け知らずのトッププレイヤーに対して少々冷たかった観衆に対しても
「来年も、またもう一度戻って来て、プレーしたい」
と、語ったモニカ。


かつてのコートの女王だったクリス・エバートから手渡された銀色のカップ。
クリスとナブラチロワが戦った大熱戦と記録の数々も、
まったく新しいパワフルで、よりエキサイティングなプレースタイルとともに、
信じられない試合を見せた2人の女王の影にくすんでしまいそうだった。

3年連続でクレーコートを制したモニカ・セレス。
次は、やや苦手とするグラスコートのウィンブルドンが待っている。
そして、屈辱奪回と、得意のサーフェスで彼女を狙うグラフやナブラチロワも待っている。

初のグランド・スラムを賭けるティーンエイジ・プレーヤー!
このキュートで、素晴らしい選手をこれからもずっと熱い目で追いかけてみたい。

2-6,6-3,8-10 セレス優勝




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