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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『マーニー』

2009-01-12 16:21:56 | 映画
『マーニー』~Marnie(1964)アメリカ
監督:アルフレッド・ヒッチコック 原作:ウィンストン・グレアム
音楽:バーナード・ハーマン
出演:ショーン・コネリー、ティッピー・ヘドレン、マーティン・ガベル、ダイアン・ベイカー、マリエット・ハートレイ ほか

Trailer

性描写に厳しかった昔、ストーリー的にギリギリだったところを極上のサスペンスとして仕上げたヒッチコック。
心理学的要素が濃い分、観客の好みが分かれるらしいけど、逆にそこが面白かった。
「赤」「雷」「ノック」など、ヒロインの少女時代に封印された恐怖体験をよみがえらせる幾つかのアイテムが効果的に使われている(画面いっぱいに赤くなる演出など
ショーン・コネリーの抗いがたいセクスィ~な魅力がいっぱい!

story
容姿端麗で頭のキレるマーニーは、名前や髪の色などを変えては保証人もなく会社に入り、しばらく勤めた後、
金庫から全財産を奪って逃走、ボルティモアで一人暮らしをする母親に送金する暮らしを繰り返していた。
S社で強盗を働いた後に入った会社社長マークはS社の大型取引先だったため、
彼女を覚えていたが、興味本意で雇い入れ、愛し始める。
マーニーが金を奪って逃走した先の牧場を訪ね、「監獄行きか、それとも結婚してくれ。君を助けたい」と申し出る。
すぐに船でのハネムーンに出るが、極度の男性不信のマーニーはマークを寄せつけなかった。
家に戻り、パーティを開いた際、マークを慕う義妹リルの策略でS社社長も招かれ、
マーニーに盗癖があることがバレてしまう。
逃げようとする彼女を無理やり実家に連れてゆき、そもそも脅迫観念の原因となった少女時代の事件の真相を母親から聞きだす。。


マーニーが金庫から金を盗み出すシーンでは、画面が左右真っ二つに割れ、片方では掃除のおばちゃんが知らずに作業をしている。
観客は犯罪と知りつつ思わず見つからなきゃいいとハラハラする
観客も監督の思い通りに操られているんだよね。

DVD特典はフォト集(途中眠ってしまった)、予告編のほかに出演者とスタッフが撮影秘話を語るドキュメンタリーが1時間弱入ってて見応えあり。
グレース・ケリーが復帰したいとのことで張り切ってたヒッチコックだったが、
モナコの政治不安定のせいでキャンセルされて大ショックを受け、結局『鳥』でも主演を演じたティッピーに決まった話とか、
原作はライバルの男性2人が1人の女性をめぐって争う、他作品と同じ三角関係が、
なぜか撮られたのは女性2人と男性1人の三角関係に変更されたとか。
グレースに似てるといわれて配役されたダイアンはマークに想いを寄せる故ちょっとイジワルな役どころだけどスパイスとして効いてる。
暗い過去を持つ母親役の女優が、若い頃と歳をとった役づくりのための完璧なメイクをほどこされた話も面白い。
こうして説明されると、何気ないと思われたシーンも計算し尽くされたヒッチコックのイメージが反映された最高のエンターテインメントだとゆうことが分かる。

恒例の監督出演シーンは今回はかなり分かりやすくて、ホテルの一室から出てくるシーンw

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『天城越え』

2009-01-12 09:54:30 | 映画
『天城越え』(1983)
監督・脚本:三村晴彦 原作:松本清張
出演:渡瀬恒彦、田中裕子、平幹二朗、伊藤洋一、吉行和子、金子研三、小倉一郎、石橋蓮司、樹木希林、坂上二郎 ほか

なぜこの頃の邦画は不必要なくらいに生臭い作り方なんだろ。まぁ、そもそもおシャレな殺人なんてあり得ないけど。
昔苦手だった分野だけど、今ならなんとか観れる(途中何度か目を細めながら
田中裕子の妖艶な魅力が作品を引っ張っている。老人メイクをした渡瀬恒彦がちょっと不自然。
その他のキャストにも時代を感じる。

story
県警の田島という刑事が40年も前に天城越えで起きた土工殺しの事件簿を印刷して欲しいと依頼する。
印刷会社の小野寺は、ショックを隠しきれず、当時14歳の少年だった頃を思い出す。
父が死んだ後、家業の鍛冶屋に働きに来ていた叔父と母との情事を目撃し、一人で家出をして天城越えをしたのだった。
途中お菓子屋や呉服屋に出会い、見知らぬ町に入る不安で急に帰ろうかと悩み始めた頃、
修善寺の料亭からしてきたハナとゆう若く美しい娼婦に出会う。
互いに文無し同士で下田への旅の道連れとなるが、土工を見つけると「あの人に話しがあるから、先に行ってなさい」というハナ。
その翌日、土工の血まみれの衣服などが見つかり、10日ほど経って川から死体が上がった。
土工を泊めた宿の主人が憐れんでくれた1円札をハナが持っていたことですっかり犯人扱いされ強制的に自白させられる。
雨の中、連行されるハナは野次馬の中の少年を見つけ「さようなら」とつぶやいた。
田島は刑事になって初の殺人事件で見誤ったことを小野寺に話す。ハナには犯行に使った凶器も動機もなかった。。

2人が橋を渡るシーンで、危険を感じるほど近くに滝が落ちているのが圧巻。
昔はまだ草履を履いて、途中の茶屋で団子などを食べて休憩しつつ歩いて越えてたんだな。
鬱蒼とした緑と、暗く冷たいトンネル。思春期の微妙な心情が作品の鍵となっている。

DVD特典は予告編のほか、また「シネマ紀行」て短いドキュメンタリーが入ってた(どんな基準で入れてるんだろ?
「わたしもステキな出会いを求めて天城越えをしてみたいと思います」って毎回名もしれぬ女優?がナビゲータで、
偶然を演出しつつ、いかにも打ち合わせしてたみたいに保存会の方や、近くの写真館のおやじさんが出演。
おやじさんが毎日池までカエルの写真を撮りにくる熱い話が長い

trailer(心臓の弱い方は見ないでください・・・


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