メランコリア

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『白虎隊』

2009-01-17 22:16:08 | 映画
『白虎隊』(1986)
監督:斎藤武市
出演:森繁久彌、風間杜夫、里見浩太朗、丹波哲郎、国広富之、坂口良子、池上季実子、坂上忍、宮川一朗太、田中好子、近藤正臣、中村雅俊 ほか

「ユニオン映画が製作し、1986年12月30日、12月31日に日本テレビ系で放映された「日本テレビ年末時代劇スペシャル」の第2作で、幕末に起こった戊辰戦争における会津藩の悲劇を描いた作品」(ウィキ)
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264年間続いた徳川幕府から明治の始まりまでの激動の時代を描くとともに、
年若い青年、子どもまでも巻き込んだ悲惨な戦争と、その影に泣いた父、母、妻らの無念さに泣けた。

(がんばってストーリーを追ってみた↓)
前半
大老・井伊直弼が水戸藩浪士に殺害された「桜田門外の変」の後、会津藩主・松平容保が京都守護職を命じられる。
養子で家訓に忠実だったため、徳川家を助けようと京都へ。家臣の西郷頼母は反対し、会津に残った。
暗殺が絶えず、新撰組を立ち上げ、「池田屋事件」など長州藩過激派を弾圧して大活躍する。
孝明天皇の勅旨を得、「禁門の変」にてそれまで幅を利かせていた長州藩を朝廷から立ち退かせる。
松平はその働きに褒美(宸翰(しんかん)、天皇自筆の文書)をもらう。

坂本竜馬が薩長同盟を結ぶのを促す(長州の桂と薩摩の西郷)が暗殺される。
天皇崩御。松平は京都守護を下ろされる。
松平は長州&薩摩との「鳥羽・伏見の戦い」の中、兵を見捨てて将軍・徳川慶喜らと江戸に下り、家臣らの反発を受ける。
軍事奉行添役・神保修理が止めなかったという理由で恨みを買い切腹するシーンが前半のクライマックス。
会津藩兵士は帰郷するが長州らが追撃「戊辰戦争(ぼしんせんそう)」となる。
16~17歳の武家の男子によって構成された「白虎隊」が立ち上がる。

後半
ついに白虎隊出陣。土豪を掘り、進軍するも、隊長との信頼関係が築けないまま若さゆえに暴走。
戦闘で半減し、負傷した彼らが城に戻ろうと見たら、城が燃えている!
しかしこれは、霧の中、周囲の炎で落城と見間違えたのだが、早まって飯盛山にて次々と自決。
一人生き延びた飯沼貞吉のおかげで後世に真実の姿が語り継がれることとなった/驚
次々と落城し、会津若松城も1ヶ月の篭城の末明け渡した。
西郷頼母は武士としての死に場所を失ったが、松平から宸翰を持って城を出、後の世に会津藩の名誉を伝えるよう言い渡される。
頼母の家族はみんなで辞世の句を詠み、後に一家21人の壮絶な自決を遂げた。
松平は後に日光東照宮の宮司となり頼母、宸翰とも再会したとゆうからさらに驚く。


切腹シーンがたくさんあって、自分で自分の腹や首を切って自殺するなんて考えただけでも恐ろしいのに、
「武士の道」と若者までが率先して死ぬことが名誉のように信じているのがフシギ。
井上丘隅(会津藩主の一人)は、激動の時代を通して生き抜き、国を追われるも天寿を全うした運命により、
わたしたちに戦争の愚かさ、生きる尊さなどを教えてくれる本作の要となっている魅力的な人物として描かれ、
ベテラン森繁久彌の壮絶な演技が素晴らしい。
関係者の中には昭和まで生きた人もいるってすごい!歴史がすぐ身近に繋がってるのを感じた。
白虎隊も実際には全体の8割以上の290名の若者が生き延びたとウィキにあるし。

そしてここでもまた伊勢とのリンク発見/驚
坂本竜馬が暗殺された宿の外で伊勢の旗を上げて♪ええじゃないか を踊る集団が1カット入っていた。
政治が不穏だった当時、爆発的に流行ったと本にも書いてあったっけ。
そいえば今村昌平監督の同名の映画もあったな。
アメリカのことを「メリケン」って呼んでるのも面白い。
堀内孝雄の♪愛しき日々 が要所要所でヘヴィロテ。歌入りのほかにもシーンに合わせたインストアレンジが何パターンもあった


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