■『黒衣の修道僧』(未知谷)
アントン・P・チェーホフ/作 ユーリー・リブハーベル/絵 中村喜和/訳
▼あらすじ
勉学に没頭しすぎて精神を病んでしまったコヴリンは、
医者のすすめで、育ての親であるエゴールの果樹園でひと夏療養することに。
文学修士であるコヴリンを誇りに思い、崇拝すらしているエゴールは、
四六時中、果樹園の心配をすると同時に、娘ターニャが継いでくれること、
もしくはコヴリンと結婚してくれればよいと心中を打ち明ける。
一方コヴリンは、黒衣の修道僧の蜃気楼があらゆる場所に出現するというフシギな伝説に捉われていた。
ターニャは信じなかったが、ある日コヴリンは修道僧の幻影に会い、「お前は選ばれた知恵者だ」と言われ歓喜する。
コヴリンはターニャと結婚し、幻影と毎日のように会話していたが、
妻は「2人のほかには誰もいない。あなたは病気なのです」と泣く。
喀血も伴ったため、医者の忠告の下、再び療養生活となり、
いまや幻影も見ずに凡人と同化したことを嘆くコヴリン。
義父エゴールをも軽蔑し、妻を罵倒し、すっかり人格まで変わってしまう。。
あとがきによると本作は、チェーホフ自身が見た夢の中に黒衣の修道僧が現れてヒントを得たという。
問答的会話が多くて、とても難解であると同時に、なんとも言えないホラーを見ているようで、
快活だった青年、幸せで素朴な父と娘、豊かな果樹園が様変わりしてしまう様子がただただ哀れになる。
青年が精神を病んでて、幻影を見てることも知った上で結婚するターニャ、それを勧めた父エゴールにも驚いたし。
以下、抜粋メモ。
p.33
「至高の大義に奉仕し、意識をもって自由に生活しているおまえたちがいなければ、人間なんてつまらん存在だ」
「真の快楽は認識の中にあるが、永遠の生命は認識のための数限りない、汲めども尽きぬ泉になるのだよ」
アントン・P・チェーホフ/作 ユーリー・リブハーベル/絵 中村喜和/訳
▼あらすじ
勉学に没頭しすぎて精神を病んでしまったコヴリンは、
医者のすすめで、育ての親であるエゴールの果樹園でひと夏療養することに。
文学修士であるコヴリンを誇りに思い、崇拝すらしているエゴールは、
四六時中、果樹園の心配をすると同時に、娘ターニャが継いでくれること、
もしくはコヴリンと結婚してくれればよいと心中を打ち明ける。
一方コヴリンは、黒衣の修道僧の蜃気楼があらゆる場所に出現するというフシギな伝説に捉われていた。
ターニャは信じなかったが、ある日コヴリンは修道僧の幻影に会い、「お前は選ばれた知恵者だ」と言われ歓喜する。
コヴリンはターニャと結婚し、幻影と毎日のように会話していたが、
妻は「2人のほかには誰もいない。あなたは病気なのです」と泣く。
喀血も伴ったため、医者の忠告の下、再び療養生活となり、
いまや幻影も見ずに凡人と同化したことを嘆くコヴリン。
義父エゴールをも軽蔑し、妻を罵倒し、すっかり人格まで変わってしまう。。
あとがきによると本作は、チェーホフ自身が見た夢の中に黒衣の修道僧が現れてヒントを得たという。
問答的会話が多くて、とても難解であると同時に、なんとも言えないホラーを見ているようで、
快活だった青年、幸せで素朴な父と娘、豊かな果樹園が様変わりしてしまう様子がただただ哀れになる。
青年が精神を病んでて、幻影を見てることも知った上で結婚するターニャ、それを勧めた父エゴールにも驚いたし。
以下、抜粋メモ。
p.33
「至高の大義に奉仕し、意識をもって自由に生活しているおまえたちがいなければ、人間なんてつまらん存在だ」
「真の快楽は認識の中にあるが、永遠の生命は認識のための数限りない、汲めども尽きぬ泉になるのだよ」