メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『岡本太郎の宇宙』

2011-03-01 19:40:49 | 日記
岡本太郎の宇宙

図書館に太郎氏関連のVHSを見つけたので借りてみたv
若い頃の写真も多数収録されていて、フツーに美男子だな 東洋的で。お父さん似だ。
1996年までご存命だったって知ってビックリ!/驚
制作は川崎市。岡本敏子さんが協力している。

ピカソの「水差しと果物鉢」にショックを受けた。
「傷ましき腕」などに見られるリボンは試行錯誤の経緯がある。
「空間シリーズ」「花の人」等を経て、世界大戦勃発でパリを離れ、兵士として中国へ。
「夜明け」によって「対極主義」を表し、「重工業」で発展させ、「森の掟」へ。

エスキース(Esquisse)
美術用語。作品の構想を固める時、多くのスケッチやクロッキーをもとにして、全体の構図、配列、配色などの研究を目的につくる試し描き。とくに大画面の制作を計画する時、作業の手順や表現効果を検討するためにつくる縮小版の作品を指すことがある。


縄文土器に感銘を受け、自ら写真を撮り続けた。『みづゑ』に「縄文土器論」を書き話題に。
尾形光琳の「紅白梅図」にも通じる日本人の根源的なイメージがここにあると確信する。
万博の太陽の塔ほかのデザインも、そう言われると縄文土器に似てるね!

ミュゼット・ロムで原点回帰

民族への信頼感、ひいてはヒトとその行為への信頼感を深める。
全国の伝統、祭り、本質的な芸術を探し求める旅に出る。『日本再発見』(1958)を書く。
特に沖縄文化に感動。うたき、イザイホーなど日本古来からある神秘に気づく。
『神秘日本』『原色の呪文』を著す。

「座ることを拒否する椅子」=生活の中の笑い。『私の現代芸術』を著す。
大衆への憤りと愛情を持ちつづけた。
「アートは実用的でなければならない」みたいなことをゆってたのもお気に入りのセリフのひとつ

パブリックアート
美術館やギャラリー以外の広場や道路や公園など 公共的な空間(パブリックスペース)に設置される芸術作品を指す。

アヴァンギャルドVSモダニズム

マクセルのCMでは「芸術は爆発だ!」と叫びながらピアノを弾いてる/驚
マスメディアへの露出も増え、タモさんとの共演も多かったんだ!

筆で主義主張を思う存分表現できたのは幸運だな。
もし、彼がサラリーマンとかだったら、これほど直接的に上司に反論した時点で即クビだろうし
日本に岡本太郎という、常に挑戦し、遊び心を持った芸術家、表現者がいるって大きな誇りだ。


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レハール歌劇『メリー・ウィドウ』(全3幕)

2011-03-01 18:57:41 | 演劇・オペラ
フランツ・レハール歌劇『メリー・ウィドウ』(全3幕)

モンテヴェルディ合唱団 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ジョン・エリオット・ガーディナー 1994年1月ウィーン録音

出演:
ミルコ・ツェータ男爵:ブリン・ターフェル
ヴァランシエンヌ:バーバラ・ボニー
ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵:ボイエ・スコウフス
ハンナ・グラヴァリ:チェリル・ステューダー
カミーユ・ド・ロジヨン:ライナー・トロースト
カスカーダ子爵:カール・マグヌス・フレドリクソン
ラウール・ド・サン・ブリオシュ:ウーヴェ・ペパー
ニエグシュ:ハインツ・ツェドニク

あらすじ
ハンナは結婚8日目にして夫に先立たれ、数百万の富を持つ未亡人となる。
ポンテヴィドロ国(仮想の国)の公使ツェータ男爵は、パリに住むハンナがパリ男と再婚してしまえば、
巨万の富が国から失われ、存亡の危機となるため阻止せよとの命を受ける。
結婚相手として、偶然かハンナの結婚前の恋人ダニロをプッシュしようとするが、
自分を捨てて歳の離れた男のもとへ行ってしまったハンナにはまだわだかまりがある。

ハンナは数多いる求婚者の中からダニロをダンスの相手に選ぶが、
ダニロはその権利を1万フランで売ると言って、あまりの高額に引いてしまう男性たち。

一方、パリの伊達男カミーユは、ツェータの妻ヴァランシエンヌに夢中で口説き落とそうと必死だが、
「私は貞淑な妻です」と断るヴァラシエンヌ。でもまんざらでもない様子
とうとう誘惑につられてあずまやに入るところを夫が見かけて激怒し、入ると、
そこには機転を利かせたハンナとカミーユがいた。

2人は成り行きで婚約を発表。うろたえたダニロは馴染みの女たちがいるマキシムへとくりだす。
そこにみなが居合わせ、ハンナはダニロにあずまやでの一件を説明。
「夫の遺言でわたしは一文無しです」とハンナが言うと、財産目当てではないダニロは「愛している」と告白。
ハンナは続けて「遺言では、全財産は再婚相手に譲るというものなのです」と明かす。
めでたく結ばれる2人

ヴァランシエンヌもカミーユに渡した扇に「私は貞淑な妻です」と書いたことを夫に告げ、夫婦の仲も戻る。


解説によると、今作はウィーン・オペレッタの最高傑作といわれる作品であり、
有名なシュトラウスの『こうもり』などが人気を博した「黄金時代」に対して、
ウィーン・オペレッタの第2期として「白銀時代」と呼ばれる。

パーティでのダンスシーンも多いし、キレイなメロディの曲ばかりで、
男女の恋のさやあてのストーリーは気軽に楽しめる。
♪ヴィリアの歌 が有名。♪間抜けな騎兵の歌 も面白い語呂合わせのような歌詞が楽しい。

農民らから散々搾取したお金で毎日踊ったり、恋したりしてるんだから、貴族階級はいい身分だな
生活のための労働がなければ、誰もがこうして自由に、優雅に、日々を楽しめるだろうか?


ヴィリアの歌(introduktion Tanz und Vilja-Lied)


間抜けな騎兵の歌(Dialog Mein taferer Reitersmann?)
さあ、騎士さん、戻っていらっしゃい
彼の馬は踊る!彼は眼差しで訴え、媚を送る!
娘はもはや彼のことはかまわず、踊りを踊って言うことは、
騎士さん、あなたは馬鹿でした。
でも私は馬鹿な鵞鳥ではない!

騎士は見つめて笑いました。
お前がイヤなら、おさらばするまで
私の選んだ娘さんよ、私は二度とは来ませんよ!

馬鹿な騎士さんが行ってしまった。
馬鹿な騎士さん。





蠱惑的(こわくてき)=人の心をひきつけ、まどわすさま。

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チェーホフ『首にかけたアンナ』

2011-03-01 17:57:54 | 
『首にかけたアンナ』(未知谷)
アントン・P・チェーホフ/作 エカテリーナ・タバーフ/絵 中村喜和/訳

ずっと楽しみに読んでいる未知谷のチェーホフシリーズ。
こうゆう「老人と若い娘の結婚」ってゆうストーリーは、よく書かれた題材らしいが、
あらゆる悪女が描き尽くされた感のある現代では、ヒロインのアンナがそれほど悪い妻には思えない。
逆に、夫との立場が逆転してからその後の彼女がどうまた変わってゆくか、
その先が知りたいと思ったところで終わってしまったのがあっけなかった

あらすじ
母が亡くなってから、酒に溺れた父のせいで貧困の底となった一家。
18歳のアンナは、お金持ちという理由だけで52歳の官吏のもとへと嫁いでいく。
常識やルールに厳しく、出世だけが生き甲斐で、これ以上ないくらいケチな夫の下で、
これまで一番怖れていた校長と共に暮らしているような恐怖を味わいながら自分を押し殺すアンナ。

クリスマスの舞踏会で、母親譲りの裁縫の腕と美貌、身のこなしで一躍パーティの華として注目され、
閣下からも直々に訪問を受けるまでになったアンナは、自らの性質に気づき、自由を手にして羽ばたく。


毎日毎晩、家を空け、パーティや芝居に明け暮れ、多額の請求書を夫に渡す日々。
だが、夫もまた勲章を手に入れて満足気だから、それぞれの欲望は叶ったというワケか。

絵は同じく未知谷のチェーホフシリーズにおいて、『少年たち』や『谷間で』で挿絵を描いたエカテリーナさん
作品ごとにまったく違った雰囲気が出せるのがスゴイ!驚
今作では、影絵か、切り絵のような感じ。
シンプルだけど、そこに展開される物語りを想像させるステキな仕上がり。

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