メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『世界で一番美しい森への旅』(エクスナレッジ)

2015-06-19 13:11:43 | 
『世界で一番美しい森への旅』(エクスナレッジ)

自然もスゴイが、写真も美しい!
写真提供には「アフロ」とある。ココかなあ・・・?

巨木ファンにはたまらない。ていうかさすが外国、サイズが威圧的なほど
写真からでもエネルギーがあふれ出ているよう。

「森林がものすごいスピードで失われている」というニュースをあちこちで聞いていたから、
まだこれほどの美しさを保つ自然が残っていることに感動した。
でも、そんな自然を観るための吊り橋みたいなのがあちこちにたくさん架けられてるんだなあ/驚

自然が美しい場所というのは、ヒトがいない場所のことなんだ。


【内容抜粋メモ】
 

●ワイポウア森林保護区(ニュージーランド)

樹齢3000年~4000年と言われる巨木。ニュージーランドの先住民が「森の父」と呼ぶ。
この森は現在、世界でもっとも古い森の1つと言われる。


●セコイア・キングスキャニオン国立公園(アメリカ)
 
世界最大の樹。高さ115m、体積1487m3のジャイアント・セコイアとレッドウッド。


●イエローナイフ(カナダ)


ここは「オーロラベルト」の直下にあるため、世界でもっともオーロラの出現率が高い地域の1つ。
「永久凍土」の上でも育つ針葉樹たちが森を形成している。


●ダヌムバレー自然保護区域(マレーシア)
ボルネオは世界有数の熱帯雨林を擁する島。
もっともよく生物の姿を見られる場所は、ビル10階ほどの高さの林冠だ。


地上27mの木々の間に渡した「キャノピー・ウォークウェイ」(こんなところにまでヒトの道作っちゃって・・・

 
乙事主さま!


熊野古道(日本)
熊野古道といえばスギやヒノキが思い浮かぶが、元来の自然林はシイ、クスノキなどの照葉樹林。
森は1000万年以上の歴史を持つ/驚
古くは『日本書紀』にも、イザナミノミコトが葬られた霊地として登場する熊野。
熊野の神々が座って語らったと言われる円座石や、那智大社の参道、名もなき庚申塚や地蔵尊がある。

 
今じゃボートが走っちゃってるか・・・


日本にも、こんな場所があるなんて!


●カナディアンロッキー山脈自然公園群(カナダ)
 
どこにいても可愛いジリスさん/ビッグホーン・シープ


●ラインハルトの森(ドイツ)

メルヘン街道の「いばら姫ルート」が通る森。ここはグリム童話の森だ。
いばら姫は「眠れる森の美女」のことで、その物語りの舞台といわれる城がこの森にある。


●トルトゥゲーロ国立公園(コスタリカ)
ラグーン(潟湖)に向かって木々が枝を垂れている。
トルトゥゲーロとは「ウミガメの土地」という意味。
アオウミガメや、オオガメが、毎年、ここの砂浜へ卵を産みに上陸する。

 
湿地帯の食物連鎖の頂点はワニなんだね/驚


●ヴャウォヴィエジャの森(ポーランド/ベラルーシ)


ヨーロッパ最大の針葉樹の森。
かつて、亜寒帯と温帯にまたがるヨーロッパの平地を広く覆っていた原生林は、今はほとんど残っていない。
この森は、最後の生き残りだ。
森の王はヨーロッパで最大の陸上動物、ヨーロッパパイソン。


●アツィナナナの雨林(マダガスカル)
6000万年もの昔に他の大陸から分かれたマダガスカル島では、
地球上で他のどこにもいない動植物がユニークな進化の道を歩いてきた。
この森に住む生きものの8割以上はここでしか見られない固有種。


●カジランガ国立公園(インド)
6~9月のモンスーンが豪雨をもたらし、川が広大な「氾濫原」をつくる。
水が引いた後は、5mもの丈のエレファント・グラスが生い茂る。
インドサイの楽園として名高いこの地は、アジア屈指の大型動物の生息地。
そしてすべての動物の上に君臨するのはベンガルトラ。
ヒトがゾウの背に乗って歩く理由は、そこにもある。


●エバーグレーズ国立公園(アメリカ)
 
大小さまざまの島を形づくっているのは、陸地ではなく、植物の群生「ハンモック」。




●バオバブ街道(マダガスカル)

二十数本のバオバブが並ぶ「バオバブ街道」。

ここは、ほとんど雨の降らない乾季が半年以上も続く。
『星の王子さま』のバオバブとは別種。
この地の人々にとって、果実は食料、樹皮は薬、種は油、と多くの恵みを与えてくれる大事な木。


白神山地(日本)

世界最大級のブナの原生林。

かつては日本やヨーロッパの冷温帯ならどこでも見られたブナの林は、今、ほとんど全て失われてしまった。
ここは、世界で最大の「最後に残ったブナの原生林」。
「緑のダム」と呼ばれるこの森は、降った雨を吸収して川をつくり、美しい滝をうみだす。
山麓には無数の池や湖が点在し、「青池」と呼ばれる池は瑠璃色に輝く。


●オーストラリアのゴンドワナ多雨林群(オーストラリア)
この地が太古の大陸ゴンドワナの一部だった頃から、地球最古の森。


地上16mに張り巡らされた「ツリー・トップ・ウォーク」を歩いて見れる。
「ナイト・ツアー」に参加すれば、夜行性のポッサムの本来の暮らしぶりを見ることもできる。


●キラーニー国立公園(アイルランド)
 
アカシカは、1万年前の氷河期からこの森で暮らしているという/こんなところにもピクトさん


●パンタナール自然保護区域(ブラジル)
雨期には一帯がほぼ完全に水没して、乾季には地面がカラカラに干上がり野火が起こる。
子どもが乗っても沈まないほど大きいオオオニバスが水面に浮かぶ。

 
ネズミ科で最大のカピバラにとってワニは脅威ではないが、水中に逃げても泳ぎが得意なジャガーからは逃げ切れないため、
潜水して敵の視界から姿を消そうと試みる(ジャガーってそんなに泳げるんだ/驚


●モンテベルデ雲霧林保護区(コスタリカ)
古代アステカの人々に神の使いと崇められた聖なる鳥ケツァールが暮らす森。
霧は、ランなどの地面に根を持たない「着生植物」や苔にはこれ以上ない恵み。

 
いつかこんな景色を天上から観てみたい/それまではツリー・ウォークか・・・(パニ障にはムリだけど


●ヌークシオ国立公園(フィンランド)
「森と湖の国」と称されるフィンランドの自然を象徴するような森。43もの湖、沼、森がある。
フィンランドで撮影された映画『かもめ食堂』でキノコを摘みに来たのもここ。
ここでは、自生しているベリーやキノコを摘むことが許されている。


●コラップ国立公園(カメルーン)
「アフリカ最古の森」と呼ばれる。「生物多様性」をそのまま絵にしたような森。
潅木やツル植物も含めれば、植物の種類は1100以上だという。
チンパンジーをはじめに、アフリカにいる霊長類の1/4にあたる種が見られるといわれる。
カラバー・ポトなど、名前を聞いたことすらないような動物も多い。




●バイエルンの森国立公園(ドイツ)
チェコの「ボヘミアの森」とつながって、中欧最大の森。巨大ドーム型の遊歩道がある。


ヒトはあくまで訪問者。この森に生きられるのは、長く厳しい冬の寒さに適応した者だけだ。



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『みなまたの木』(創英社)

2015-06-19 12:08:15 | 
『みなまたの木』(創英社)
三枝三七子/絵と文

公害病についていろいろ知りたくなって借りてみた。
水俣病が発生した水俣市にたつ1本の松の木の視点から、ある漁師の家族と、町の変わる様が描かれている。

三枝さんは、2008年に「熊本県水俣市水俣病資料館」を訪ねたことをきっかけにして、取材を重ね、
本書が初めてのノンフィクション絵本となったとのこと。

高度経済成長の光の裏に公害病がある。
1つ歯車が狂うと、どれだけ長い年月をかけて修復しなければならないかがよく分かる。


 
埋立地は58.2haに及ぶ


あらすじ(ネタバレ注意


家族は毎日、海でとれた魚を売って暮らしていた。ご飯のおかずも魚だった。
魚がとれないと、おかずは山でとれる野菜だけ。お腹が減ってしかたない日が続く時もあった。

落ち着いた暮らしをさせたいと考えた町は、大企業に大きな工場をつくってもらい、皆そこで働いた。
もう、海の機嫌をうかがわなくても、ご飯がお腹いっぱい食べられるようになった。

大きな工場は、便利な暮らしに欠かせないビニールやプラスチックをつくっていた。
町は賑わったが、気づかない間に、冬でもないのに山の木が枯れ始めた。

 

空からは鳥が落ちてきた。

魚が口をパクパクさせて浮いてきた。
「大漁じゃ!」と喜ぶ人。気味が悪くて捨てて帰る人もいた。

 

隣りの家の犬が、塀に頭を打ちつけて死んだ。
猫も、突然、竈に飛び込んで死んだ。
それは町中で見られた。



「箸が持てん! 手が痛い! 体が痛い!」
妹はひと晩中泣きとおした。

翌朝、母は妹を町の病院にみせたが、なんの病気か分からず、もっと大きな町の病院に連れて行った。
しばらくして、妹はそこで死んだ。

原因が分からず、妹の体は、検査のために解剖されていた。
電車に乗ることも許されず、父は妹をおぶって、線路を歩いて帰った。


町中で、同じように、苦しみもがき死んでいく。

「あの工場ができてからじゃ!」
「海がまっくろじゃ! ぬらぬらしとる!」
「魚がおらん! わしたち生きられんぞ!」



それは、難しい話し合いのはじまりだった。


毎日続く、何人もの葬式の列。
この家のお父さん、お母さんも、同じ病気で死んでいった。



お姉ちゃんが大人になる頃、すべてが分かった。
「あの工場が川や海に流した水のせいじゃって。そん水なかに、有機水銀ちゅう毒がはいっとったって・・・」

町の人はふたたび立ち上がった。



お姉ちゃんは、今、2人の孫をもつおばあちゃんだ。
私から見える海は、あの頃と変わらない美しい海だ。




【ミナマタからのメッセージ~原田正純(鹿児島出身の医師。水俣病にもっとも詳しい)】

まず、村人を驚かせたのはネコの死だった。
突然、転げまわって痙攣を起こし、ヨダレを流して、そのうちいなくなった。
ネズミが増え、魚網をかじって困るという苦情が出たほど。
当時の新聞には「ネコがてんかん」という記事として載った。

ニワトリ、ブタ、イヌ、カラス、そして、ついに幼い子どもたちが病気になった。
水俣湾の入江にある船大工の娘2人が病気になり、保健所に届け出たのが1956/5/1。
その日を今は「水俣病発見の日」として慰霊祭が行われている。

医師は、水俣湾でとれた魚や貝を食べたのが原因とすぐ分かったが、何がまでは分からなかった。
魚や貝を食べないよう禁止し、熊本大学医学部に調査を依頼。

研修者は、魚介類に含まれる「有機水銀」が原因だと突き止めたのが1959の夏ごろ。
「有機水銀」は、湾に廃水を流していた「チッソ水俣工場」が流していた。
原因がわかっても、工場は水銀を流しつづけた。

水俣病の恐怖で、魚が売れなくなり、漁師は貧しくなり、怒って工場に押しかけ、
工場廃水を止めること、「きれいな海にしてくれ」という補償の要求をした。「漁民騒動」

しかし、工場はわずかなお金を払って、工場廃水は止めなかったため、
水銀被害は、不知火海全体に広がった

私は、まだ新米の医者で、先輩について患者さんを診察したり、相談にのったりしていた。
ある2人の兄弟に同じ症状があったが、彼らの母親は「兄は小児水俣病だが、弟は違う」と言って驚いた。
「弟は魚介を食べていないが、お腹にいる時、私は水俣湾でとれた魚やカキをたくさん食べた」
同じ状況が他の集落にも大勢いると分かった。

私たちは、子どもたちが母の胎盤を通じて水俣病にかかったことを証明しようと考えた。
そして、世界で初めて母の胎盤を通じて水俣病にかかった「メチル水銀中毒(胎児性水俣病)」と分かった。

水俣病のメッセージとは、私たちの周りの「小さな命」も「私たちの命」と繋がっていることを示している。
便利さを求めて自然を汚せば、私たち人間に帰ってくる。




【水俣病関連年表】
1908 「日本窒素肥料株式会社(現在のチッソ)」が水俣に工場を建てた

1932 チッソが「メチル水銀」を水俣湾に流し始める
(ビニールなどの原料となる「アセトアルデヒド」を作る時、水銀を使い、工場廃水に混ざった)

1956 伝染病を疑い、患者の家を消毒

1957 ネコ実験を行い、水俣湾の魚介を与えると水俣病になると分かり、食べないよう呼びかけた

1959 チッソは、ネコ実験を行い、工場廃液との関連性を知ったが公表しなかった。
     水俣病で死亡した人に30万円の「見舞金契約」が支払われたが、とても補償とはいえないものだった。

1968 チッソが「アセトアルデヒド」の生産停止。「メチル水銀」の廃水を止めたが、不知火海も汚染していた。
     政府はチッソ工場の廃水が原因の公害病だと断定。

1969 第一次訴訟が開始

1973 第二次訴訟が開始。第一次訴訟で患者が勝訴。補償協定が結ばれる

1977 水俣湾公害防止事業が始まる

1990 水俣湾埋立地「エコパーク水俣」が完成

1997 水俣湾の安全宣言

2004 最高裁判所が国と熊本県にも水俣病の責任があると認めた


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post cards & ad cards collection~art part2

2015-06-19 12:00:00 | アート&イベント
小さなカードは、立派なアートv
手紙を書くのが大好きだけど、書く相手がいないのが悩み。。。

 


 
器も好き


 


 


 


 
プラネタリウムでもらったカード(右)


 


 


 


 


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