メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

空想大河ドラマ『小田信夫』(全4回)(ネタバレ注意

2017-02-28 11:21:08 | ドラマ
空想大河ドラマ『小田信夫』(全4回)(ネタバレ注意
作:前田司郎 音楽:上野耕路

出演:
小田信夫 - 堀内健
柴田勝夫 - 原田泰造
明智充 - 名倉潤
お毛 - 小西真奈美


プレミアムトーク ネプチューン@あさイチ

土曜の23:35~、1話15分間だけのコメディードラマ
ネプの3人が大河ドラマのスタッフとがっつり組んで時代劇を演るってだけで、もう面白い
低予算でどれだけ面白いものが作れるかっていう裏話も笑える

ただ、心配(実は一番楽しみ)なのがホリケンのどこまでも果てしない未知数さ加減
大河経験済みの泰造さんと、朝ドラに出た名倉っち、そこにホリケンがどう絡むか
観る前からいろんな意味でドキドキする


第1話 「決戦桶狭間」
OP映像からいちいち可笑しい 背景同じだしww







1560年 桶狭間
今川を討った織田信長の合戦を遠くから見つめる小田勢
クルミを手に浮かれる家臣に渇を入れる当主・小田信夫

 

柴田と明智は

「天下統一のためには見学だけではなくて
 やっぱり実際戦ったほうがいいのではないでしょうか?
 親方さまが一番はしゃいでいらして、やっべーなこいつって思いました」

小田:
お前ら“恐れながら”って言えば何ゆってもいいってもんじゃないからね
何を恐れてるの? わし!? それともなにかフシギな力?


明智:曖昧に使っていました

小田:
でしょ? ここぞって時だけにして!
そういう仲良し集団みたいなのもやめて
織田軍見たでしょ? ああいうギスギスした感じがほしいの


 

小田:お毛、織田信長って知ってる?
お毛:本物のほうの?

お毛:とにょは何をしたんですか?
小田:今、とにょってゆった?

うつけと言われた理由が「おにぎりと間違えて石を食べたり」とだいぶ酷い

お毛:信夫さまは信長さまに憧れてらっしゃるんですか?

小田:
やめてよ そう見える? 意識なんかしてないけど、名前が似てるからなんとなーく気になっちゃうだけで
拙者、「第七天魔王」を名乗ろうかな 信長は「第六天魔王」て名乗ってるから


家臣一同みんな集まったというが4人しかいない



柴田:みんなちょっと忙しいって・・・

小田:
本日からわしは「第七天魔王」を名乗ることとする!
本物より1個多いのだぞー ハーハッハハハ!


柴田らが一緒に朝食に行くというから「わしも」とついていくと迷惑がられる

柴田:戦のアレを考えたほうがいいのでは?
小田:ああ、黒田さんの?
明智:敵にさん付けするのはおやめなさい
(3人でずっと同じところ回ってない?


丘の上に城を建てたはいいが、門にお金をかけすぎて、肝心の城が平屋建てw


柴田:そういえば、黒田さんとこのお孫さん、病にかかったって
小田:お見舞いに行ったほうがいいかな

黒田勢が挙兵したとのしらせ


小田:戦じゃあ!


(ここもしゃくれてる



第2話 「武士の威信」
小田信夫は天下一のうつけ者として家臣から怖れられていた

寝床に討ち取った首があって眠れない小田 首をそうっと裏返してる

 

小田:
誰ぞおらぬかあああ! 誰ぞうさあああああああん!
なんでこれ、こんな所に置いてあるんだ

柴田:親方さまが首の前で高笑いしたかったからでしょ
小田:どっか物置とかに置けばよかろう そなたの部屋に置けばよかろう

言った、言わないでケンカになり

小田:じゃあ言ってなかったら切腹だからな
柴田:言ってたら親方さまも切腹ですよ

小田:親方死んじゃったらみんな困るであろう
柴田:ズルいじゃないですか


明智が来て「はいはい」と風呂敷を開けると変顔のおもしろ瓜


小田:じゃわしは瓜を見ながら高笑いしてたの? じゃ黒田さんのいとこの首は?
明智:とってないですよ


明智:親方さま、侍女たちをお風呂にはべらせるのは止めてもらっていいですか?
小田:みんなやってるでしょ 信長くんも、信玄くんも、謙信くんはちょっとやってないかもしれないけど

明智:
侍女8人全員から苦情が来てます 湯あみの間ずっと話を聞いてるのが嫌なんですって
話も盛り上がらないし、ジメジメしてるし

相手の身にもなってみてくださいよ
仕事で疲れた後、変なおじさんをずっと見てなきゃいけないんですよ
明日から一人で入ってくださいね

すっごい寂しそうな小田

柴田:大丈夫ですよ みんな親方さまのことが好きですよ



今度は「ほんとうるさいな」と言った言わないでもめる


翌日、柴田は切腹することになり、明智が止める



明智:柴田どのがいなくなっちゃったら、友だち一人もいなくなっちゃいますよ
小田:いい、いらない 友だちなんて、武士だから

ていうのも全部うその芝居

小田:だってヒマだから 見よ、見よ、明智のつらあああああw

 


語り:明智の胸に謀反の心が芽生えた瞬間でした



第3話 「黒田城攻め」
小田:明朝、黒田城に向け出陣する!

すごいざっくりした地図 あ、ここにメモったのか!


小田:1つ疑問がある 鼻薬って何? よい匂いがするの?
明智:鼻薬とはワイロのことでございます

小田:その匂いを嗅いでみたいのじゃ 甘い香りがすると思うのじゃが、どう思う?
柴田:草みたいなニオイじゃないですか? 漢方薬みたいな

明智:
鼻薬ってそもそも、鼻に入れるクスリなのか、花から作るクスリなのか
戦場で花の匂いを嗅ぐと癒されるよね

 


小田:オレはずっと陣の中にいて前線のことは知らないから
柴田:足軽は大変だよね 今度の戦で若い足軽たちにお花の贈り物をするってどうですか?

 

小田:
でも、なんかわし満たされてないんだよねー
上に立つ者として、これでいいのかなあ、みたいな?

黒田城なんて攻めてどーすんだろう
「天下布武」ってゆったほうがみんなが喜ぶかなあって思って
てかさ、意味分かって使ってる、天下布武?

柴田:
ちょっバカにしないでよ!
天下を布武するってことでしょ 詳細は分かりませんけど
だから武士の武でしょ 五感の問題? テンカブだと締まりが悪いから
なんか変えません もっといい感じの言葉に

小田:わし、ほんとは人とか殺したくないんですよ やっぱりみんなが幸せでいるのが一番でしょ?
明智:だから天下を整えて、争いのない世の中にしたらいいじゃないですか

小田:それわしの仕事?
明智:そこブレちゃマズいでしょ(w

柴田:そもそもなんで戦ってこんなにあるんですかね けっこうやんなくてもいい戦もたくさんあると思うなあ
明智:仕事なくなっちゃうじゃない



小田:あーヤダなあ 茶人になろうかなあ
柴田:拙者は木こりがいいな 一人で森で自然と対話するみたいのに憧れるんですよ

明智:喋ってるなら明日早いからもう寝ましょう!
小田:まだまだ 「人間五十年」とかやってないし

「そういう時間作りますから」という言葉を信じて、
戦当日の朝 結局、みんな忙しくて集まらず



明智:皆の衆、親方さまの人間五十年はじまるよー!(呼び込みみたいw

小田:みんな見たいんでしょ?
明智:そんなのおべっかに決まってるじゃないですか 忙しいんだからそんなの見てる暇ないんですよ!

語り:思えば、この時、お2人の歯車は狂い始めてしまったのかもしれません

ああ、この顔かしゃくれちゃったのww




最終話 「本能寺の辺」
明智の軍勢に取り囲まれてるとしらせが入る
逃げてくれと頼む柴田に

小田:ついてまいれ 舞うぞ わしも充分に生きたわ
柴田:納得いきません あんなに仲良しだったのに

 

お毛:お毛は親方さまのいない世の中で生きていくことなどとても出来ません、と言われてきました
小田:え? 誰に?
お毛:殿の知らない男の人に

舞うという小田に

お毛:逃げたほうがよろしいのでは?
小田:もう間に合わないし 大名が途中で捕まって死んだらカッコ悪いではないか
柴田:でも死んじゃうんだからカッコ悪いもなにもないでしょ

お毛:私、逃げよっかなあ でも明智どのなら私のことは殺さないかも
柴田:それがしも謝れば大丈夫じゃないかなあ


明智:敵は本能寺の辺りにありぃ~! あるかなしかで言えば、ありぃ~!



舞おうとするが、どうしてもお面が外れちゃうww
 

小田:これやっぱナシにしようかな これ噛んで固定するやつだから歌いづらいんだよ(爆

 

なんかラップ調になってて

柴田:これ、いつもと違いません?
小田:新しく編曲してみたんだけど、どうかな?



使いが入ってきてお毛らに耳打ちして部屋を出る
小田:どうしたの~どこ行くの~♪


明智が火矢をうってきて、もう部屋に入ってくる



明智:なんで逃げないんでござるか! 小田さんが死んだらどうなるんですか まだお世継ぎもいないのに
柴田:何がしたいの!?

明智:
まあ、謀反はしたけど、やっぱり愛着もあるし 友だちでしょ?
信夫さんのこと考えてたら、ワァーってなって、火までつけちゃって
あるでしょ、考えすぎて本末転倒になること



小田:もうよい ホラ、キレイだよ 皆で舞おうではないか
柴田:いくらお坊さんでも、寺焼かれたら怒りますって

明智:かような状況でもその豪胆なふるまい感服つかまつった
柴田:あ、そんなことゆって、自分のしたことうやむやにしようとしてるでござるか

小田:小さいことはよいではないか 世は天下人の器であるぞ




また舞うのをみんなで観る

語り:
この後、小田家がどうなったのか あまり知られていませんし、知りたくもありません


いいなあ、このゆるさ
トークでもゆってた通り、いろんな武士ver.でやってほしいな





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topics~宇野昌磨、フリー1位で逆転V 冬季アジア大会 ほか

2017-02-28 11:20:08 | 日記
アパートの更新料と、火災保険料をおさめたv

郵便局のATMでも支払える用紙だったから、やってみたら
カードとかなくても、領収書の部分を切り取って、
そのまま通帳の入り口?に入れると勝手に画面が判断してくれるのね/驚
スキャンして、同意して、お金を入れれば、領収書が出てくる仕組み

ついでに、またチラシ類を見てみたら、ルパンの切手セット発見!


ほかにも、いろんなパンフがあるから、聞いてみたら、
申し込み用紙に注文番号等を書いて、窓口に出して、お金を払えば
指定日に自宅に届くそう

プレゼント用にも利用できるかとも思ったけど、
以前、利用したカタログを相手に渡して、
好きに選ばせるタイプではないからちょっと難しいか

美味しいものシリーズとか、ペット用品までいろいろあったからもらってみた

 

 





「週刊ニュース深読み」より
小野アナがいないから寂しい2週間

プレミアム・フライデー 第1回目
月末の1日だけ15時で帰るってケチケチしてるなあ
帰れる人と、帰れない人がいて、余計格差が浮き彫りになってるし
それにサービス業の人は休めないじゃん

 



インタビューのほとんどが「これから飲みに行きます」て
下戸のほうが多い日本人のアルコール依存症を増やす計画なのか?

そして、首相は、普段観るこもないだろう素人の演奏会を観て「充実しました」て
これを取材に行くメディアもヒマだなあ 放っておけばいいのに


ヤマト運輸の労働組合 宅配便引き受け抑制を求める
 

 

自分も最近よくamazonなど利用するから、宅配の方々に配慮しなきゃなあと反省
ツイートでは「午前中の配達は厳しい」みたいなことも書いてあった
午前中も、夜間も厳しいとなると、日中か? 再配達もなるべくしないよう気をつけなきゃ

でも、これから高齢者、1人暮らしが増えれば、店よりネットで買って、配送のほうが増えるのでは?

手創り市でも、個人が創ったものを、ネット&宅配を使って、お客さまに直接届けるシステムはイイと思った
間にムダな業者が入ったり、デカい倉庫は必要ないし、自由な創作、自由な働き方にもつながるし

なにか改善のアイデアはないかなあ 


あと、気になったニュースは、暗殺に使われた「VX」なんて化学兵器が、
こんなに大量に貯蔵されてる所って、ここどこだろう~???



アッサリ映して、みんな忘れちゃうんだな


宇野昌磨、フリー1位で逆転V 冬季アジア大会



「ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」展
2017年7月15日(土)~9月24日(日)にかけて、Bunkamura ザ・ミュージアムで開催
ボッシュ、ブリューゲル観たいなあ! 上野よりは混まないかも?







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谷川俊太郎 「あなたに」

2017-02-28 11:19:08 | lyrics
谷川俊太郎 「あなたに」

九月


人生ハ美シカツタンダツケ
ドウダツタツケ
ボクハモウ忘レチヤツタンダ

人生ハ生キナキヤイケナインダツケ
ドウダツタツケ
ボウハモウ忘レチヤツタンダ

河ノソバデボクハ捨テタンダ
イロンナモノヲ


足ノトレタ犬ノ玩具ヤ
白イオオイノカカツタ夏ノ帽子ヤ

不発ノ焼夷弾ヤ初恋ヲ
河ノソバデ

イヤナニオイノスル河ノソバデ
捨テタンダ

ソレカラ
歌ヲ歌ツテ帰ツタンダ

夕陽ヲ背中ニ
河ノ堤ヲ
歌ヲ歌ツテ大キナ声デ


ソレカラ何ヲシナキヤイケナインダツケ
ボクハ捨テタンダカラ
ソノ次ニ何ヲ

ボクハ忘レツチヤツタンダ
モウ一ペン捨テルンダツケ
ドウダツタツケ

今度ハ河デ泳グンダツケ
臭イ河デ
秋ノ陽浴ビテ素裸デ

ソレトモ
マダ歌ヲ歌ウンダツケ
ドウダツタツケ



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『シートン動物記 1』(集英社)

2017-02-28 11:18:08 | 
『シートン動物記 1』(集英社)
アーネスト・T・シートン/著 藤原英司/訳 木村しゅうじ/絵 増井光子/動物解説
初版1987年(19刷) 980円

※1997.10~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト1」カテゴリーに追加しました。

アーネスト・T・シートン
1860年イギリス生まれ
6歳の時に家族でカナダに移住し、開拓生活
「近代動物文学の父」と言われる動物学者


あらすじ(ネタバレ注意

オオカミ王ロボ
家畜を襲い、毒や罠には絶対にかからない群れのリーダー、ロボを仕留めるのに
村の人々は悪戦苦闘する

シートンは、ロボの妻ブランカを捕えて殺し、おびき寄せ、理性を失ったロボをついに捕えた
数日後、ロボは息絶え、今ではその毛皮がシートン博物館にある

(動物学者って・・・酷いことするなあ/涙 2017


ぎざ耳坊やの冒険
ウサギの周りは危険がいっぱい
母ウサギは、子どもに野バラの中は安全、
危険を知らせるトントンと足を地面に叩く信号や
足跡でだます逆足、泳ぎ方を教えて、坊やも立派な大人に成長

ある日、別の雄ウサギに縄張りを追われるが、犬にけしかける知恵で取り戻す
母ウサギは老齢で死んでしまう

「母親の知恵は、子どもに受け継がれる 動物の母親は、みんな子どもを大事に育てて死んでゆく」


スプリングフィールドのキツネ
近所の鶏が捕られる犯人は、子育て中のキツネの仕業
罠も犬も知恵でかわす母ギツネは、ついにニンゲンに巣の中の子どもを見つけられ
1匹は捕らわれて、あとは全滅

毎日エサを運びに命の危険をおかして訪ねる母親が、最後にとった手段は
子どもに毒のエサを与え、長い苦しみから解放してあげることだった

その後、母の姿は見えなくなった
1巻の中でもっとも悲しい話

母キツネのとった意外な行動に野生動物の心のフシギな奥深さを感じ驚いた


アカエリウズラの物語
ウズラの周りも敵ばかり(一番の敵はヒトだよ 2017
傷ついたフリをしたり、砂場で寄生虫を落としたり、どんどん死んでいく子どもの中で
母鳥の言うことを聞いたアカエリが成長し、

11月の「いてもたってもいられない日」
それぞれの縄張りを求めて巣立ちの時を迎える

妻と子どもをもち、猟期を守らない密猟者に妻を撃たれ
普通、父は面倒をみないのに、子どもの世話をするアカエリ

子どもは成人して再び漁師の罠にかかったアカエリの死の苦しみを終わらせたのはミミズク

この章のタイトルが「ミミズクの親切」となっているところが
自然の厳しさを物語っている

(いやいや、密猟者が悪いでしょう 2017


名犬ビンゴ
BINGOの歌にちなんで名づけたビンゴの仕事は、牛追いの放牧犬
でも追いすぎて怒られる

毒を舐めて死にかけたり、シートンの不幸を予感して遠吠えをしたり

ワナを仕掛ける仕事をしていたシートンが自分でかかってしまい
「今までオオカミたちに惨めな思いをさせた償いだ」と
コヨーテに襲われて観念していたら助けに来たビンゴ!

野生の生活を好み、また毒のウマを食べて、
最期に行き着いた所は、小さい頃に育ったシートンの小屋の前だった

(毒のウマって? これは動物虐待の話なのか? こんなヒトが讃えられてることがフシギになってきた 2017


白いトナカイの伝説
トナカイ狩りで、最も強そうなトナカイ、ストルバックを飼い慣らし
数多くのソリレース、馬との競争でも勝ったスベッガムじいさんとトナカイは有名になる

国会議員ボルグは首相になるためにノルウェーとスウェーデンの戦争賛成の署名を集めて
裏切り者として訴える計画を進めていたが、スベッガムじいさんにみつかり
次の町に早く行くためにトナカイを借りて飛ばすが、
ムチで叩き、怒ったトナカイはソリをつけたまま故郷の森へ帰った

その後、頭に小人を乗せて、白い男を引っ張っている白い幽霊を見たという話が残った





それぞれの巻頭にシートンの略歴、巻末には動物に関するQ&Aが載っている

「自然保護」という言葉がやっと叫ばれるようになった現代にピッタリの
このシリーズが、約100年前のものだから驚く

シートン自身もワナを仕掛ける仕事をしていた時期もあり、
いかに動物が無情に殺されていたか、物語の端々からうかがえる

絵もリアルで、6話以外は、本当にあった実話を基にしていることで説得力のある描写で
もっとそれぞれいろんな動物たちの日々の暮らし、ヒトとの戦いの歴史が知りたい


(一応、「自然保護」がテーマなのね でも、これ以降、読んだ記録はない


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『トム・ソーヤーの冒険』(偕成社文庫)

2017-02-28 11:17:08 | 
『トム・ソーヤーの冒険』(偕成社文庫)
 

原題 The Adventures of Tom Sawyer by Mark Twain
マーク・トウェイン/著(1876) 吉田甲子太郎/訳

※1993.11~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト1」カテゴリーに追加しました。


マーク・トウェイン
サミュエル・ラングホーン・クレメンズ(1835~1910)
ミズーリ州 フロリダ生まれ

ペンネームはミシシッピ川の水先案内人をしていた時
「三尋のところへ印をつけろ!」という号令を意味しているなんて知ってビックリ
二葉亭四迷(明治時代の小説家)が「くたばってしめえ」からとったなんて話も知らなかった

アメリカを代表する作家の一人の代表作を初めて読む機会をもてて本当に幸運だった

いたずら小僧で、いつも元気いっぱい 次から次へと楽しい思いつきにあふれ、
周りをグイグイひきずりこんでしまうトム

それに負けない親友のジョー・ハーパー
トムと同じ孤児で浮浪児、冒険好きのハック

トムの親代わりのポーリーおばさん
トムの心を一瞬で奪った可愛い女の子ベッキー・サッチャー

大犯罪人のインジャン・ジョーら

それぞれミシシッピ川のほとりにある小さな村で、
1830年代頃を舞台に繰り広げられる、ドキドキする冒険の数々

それに日曜学校やらで起きる日常的な話が楽しく描かれて
読者の心を惹きつけてやまない



作者がはじめにことわっているとおり、これらは実在した人物とお話の混ざり合いらしいけど
一人の少年の体験にしては、なんて起伏に富んだ面白い少年期だろう

まさに若さと、その力を思う存分発揮して、1分1秒も惜しむように満喫している様子は
読んでいて胸がスカッとする

現代の規則でがんじらめにされている子どもたちとどれほど違っていることか!

それを考えると、周囲に自由に遊べる山や川、森や洞窟などの自然がないこと
そこから生まれるたあいもない迷信、純粋な心、自由な発想
豊富な生きた体験が失われてしまっていることが残念でならない


実際、これほど多種多様な迷信がいくつも出てくる話も珍しい
金曜という曜日は不吉だとか、とにかく数えきれないほどあって
そのどれも子どもたちは本気で信じて、現実に存在すると思い込んでいるところが面白い
それも考えようによって、良くも悪くもとれるのだから


子どもたちがそれぞれ持っている宝物の素朴さも興味深い

ビー玉とかは分かるけど、抜けたトムの歯や、リンゴのかじりかけ
ハックの死んだ猫やダニは、とても宝物とは思えないが

子どもたちにとってはとても貴重らしく、
いかにも交換したそうにしている場面はなんともいじらしい

今でも、子ども時代に大切にしていたものを思い出せば
どれもクダラナイものだったことを思い出す

迷信も形は随分変わっても、やっぱり時代に合わせて今でも口から口へと流され
それとなく信じられているところがあるし、
今作中に出てくるものも、簡単に笑い飛ばすことは出来ないだろう

その背景には、神さまへの信仰もあるわけだし
正しい道に導く道標のようなものだったんだ


『ピーター・パン』の子どもたちがした冒険などと比べると
トムらのした海賊ごっこなどはとてもリアルだ

夜中に家を出ることなど朝飯前で、近くの無人島へいかだに乗って出かけ
魚を釣ったり、自分たちだけでキャンプをしたり

突然「宝探し」を思いついたおかげで、インジャン・ジョーらの殺人現場を目撃しちゃったけど

本当にお化け屋敷に埋まっている600ドルもの大金が見つかって
トムはピクニックで洞窟に入った際、ベッキーと迷って、三日三晩彷徨った挙句
秘密の出口と一緒に、最後にはハックと大金の隠し場所を見つけて
本当に大金持ちになって、村の英雄になってしまう

想像上のおとぎ話というより、子どもだって本気になればなんだってできるんだ
という夢を与えてくれる 時代や環境もあるだろうけど


しかし、彼らの親にしてみれば心配だろうね
少年少女たちはいつだって目先の楽しさを追って、
家族の心配や、その先の成りゆきなんて考えていないから


作者が結びで言っている通り、これはあっという間に過ぎていってしまう子ども時代
とくに少年の姿を描いた作品で、本書でトムやその仲間は
『ピーター・パン』のように決して年をとらない

いつでも冒険、海賊、山賊などの話に夢中になっている少年のまま
生き生きと動き回っている

少年期で時間が止まっているからこそ、大人が読んでもいつまでも新鮮な感動を
呼び覚ます作品なのだろう


海賊ごっこから帰って、自分の葬式に生きて参列するという奇跡を行った後、
ポリーおばさんに夢の話をして、その嘘を見破られる

でも、眠っているおばさんにキスしたことは本当だと知って
「すべての罪を今こそ許してあげよう」という
“愛情の値打ち”を、電車に座って読みながら、涙をこらえるのに苦労してしまった

せっかく大金持ちになったフィンが窮屈な生活を強いられて
ステキな里親から家出してしまい、彼の無欲さには脱帽してしまう

「カンタンに手に入るものは有り難くないんだ」

そんなハックをサン族にしてやる代わりに家に戻るんだよ、と
自分でも知らずに、友をまっとうな道に導くトム
やっぱり彼も根はいい子なんだ


この物語の同系列にある『ハックルベリー・フィンの冒険』も早速読んでみたい



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『ハックルベリー・フィンの冒険』(偕成社)

2017-02-28 11:16:08 | 
『ハックルベリー・フィンの冒険』(偕成社)
原題 Adventures of Huckleberry Finn by Mark Twain
マーク・トウェイン/著(1884) E.W.ケンブル/絵

※1995.7~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト1」カテゴリーに追加しました。

これを読み終わったら、誰でも「はてしない物語」のバスチアンみたいに
何週間もかけてハックとジムと一緒に
いかだの旅と冒険の数々をたっぷり楽しんだ気になることだろう

いろいろ書く前にマーク・トウェインが丁寧にも最初に警告をしているから、それをここに記そう

“告示
 この物語のうちに作意を発見せんと企てる者は告発せらるべく
 教訓を発見せんと企てる者は追放せらるべく
 筋だてを発見せんと企てる者は射殺せらるべし”


これを踏まえてもなお、私は私のやり方で記録をとろう


あらすじ(ネタバレ注意

ハックは、前のトムとの冒険で得た6000ドルもの大金を嗅ぎつけてやって来た
浮浪者の酔っ払いの父に監禁され、逃れて、しかも追われない手段として
盗賊に殺されたと見せかけてジャクソン島に渡り、
そこで売り渡される噂を聞いて逃げてきた黒人奴隷ジムに会う

ヒマに飽きて、女の子に変装し、さぐりを入れに町に戻ったハックは
皆、殺人犯はジムと思い、島も危ないと知り、いかだで自由州に向けての旅が始まる

ミシシッピ川を下り、自由州だと思ってあがり、別れ別れになってしまう2人
ハックはそこで出会う家族によくしてもらう

(信じがたいほどのホスピタリティ主義にたびたび出くわして
 さすがに今じゃここまでアメリカでも有り難くはないだろうに
 18Cにはこんな時代もあったのだろう

宿敵との理由も分からない殺し合いの事件に巻き込まれて
2人は再びいかだで川に出る


老人と30男の2人組を乗せるが、それぞれ王さまと公爵だと告白し
ウソだと分かっていてもハックは黙っている

キリンの悲劇を演じて町民を騙し、ついには死んで遺産を残した男の兄弟を演じて
大金をネコババしようとする2人組

たまりかねて、金は棺の中に隠す
もう1組の兄弟だというイカサマ師が加わって裁判となるが
どさくさまぎれに4人は逃げ出す

一文無しのまま王さまはジムをフェルプス家に売るが
2人組は悪事がバレて町民らに捕まる

ジムを盗みにハックが行くと、なんと彼らはトムと間違えた親類だった
そしてトムとの再会

(ハックは実用主義だけど、このトムときたら、やたらと“正式なやり方”
 つまり自分が読んだ冒険ものの本の通りやってみるのにこだわる
 妙な策略家の冒険好きなんだな

 そしてハックはそんなトムを尊敬している
 ことあるごとに「これがトムなら、もっと体裁よく、面白くするんだがなあ」
 そんな2人が見事に再会して、私たちもホッとする

ジムの逃亡に快く協力するトムだけど、完璧な囚人の、完璧な逃亡にするため
トムのたてた計画ときたら

デカい石に紋章や詩を書かせるし、ヘビやネズミを集めて音楽を聴かせるし・・・
しまいには刺客団の仕業に見せて逃げるつもりが
町民の銃弾に当たって喜んでるっていうんだもの!!

でも、大丈夫 ジムはとっくに自由の身で、すべてはトムの冒険熱が起こした騒動だったってワケ



なんといっても面白いのは、ジムとのなんとも間の抜けたようでいて素朴極まりない会話!
可笑しいやら、その透き通った心に泣けてくるやら

ジムが気をつけているジンクスの多さは、きっと普通の生活もしていられなくなるほどだ
例えば、ヘビの抜け殻に触ると災いが起きるとか、胸に毛が生えると金持ちになれるとか
そのほとんどが全部当たっていくから不思議

ハックは、いつも自分の教養のなさを蔑んでいるけど
ここまで自然を知り尽くして、すぐその場で最高に都合のいいでっち上げが言えて
加えて、誰より冷静に判断できる少年はなかなかいない

これも信心からきてるのだけど、確かに教養があれば、
自分が正しいことをしているかそうでないかの区別がつくし、
2つあるうち正しい道がどちらか分かるだろうけど
学があるのと良心は別物だ



マーク・トウェインは、必要ないというかもしれないが、やはり本書は黒人問題に深く根ざしていると言える
最後にトムがいきなり真面目になって

「彼らは地上を歩く生き物と同じくらいに自由なんだ」

と叫ぶシーンがある

ジムが自分を蔑んで「白人になら何が一番いい方法か分かってる」と言うシーンもある

大体は使用人として家族同様に大切にされていたようだが
売り買いされる奴隷には違いない

そして「解説」にもあるとおり、19C末の今でさえ、
基本的にはほとんど変わっちゃいないのはやりきれないことだ



さて、静かな夏休みの代わりに楽しめたハック・フィンの冒険を読み終えてしまって
また数日もしないうちに、この本がどれほど面白かったかは全部忘れてしまうだろうと思う
実際、トムの冒険もどんなだったかすっかり思い出せないのだから

もう一度読みたい気もするけど、次から次に読みたい本がまだまだたくさんあるんだよね
この上下巻は自分で買ったんだし、またこんな冒険がしたくなった時に読み返そう


ほぼ自伝的作品らしいけど、マーク・トウェインの少年時代もわんぱくで
冒険と人情にあふれた、きっと素晴らしいものだったんだろうね
下巻に載っている晩年の白髪のおじいさんから想像するのは少し難しいけど


また、躍動感あふれる線画の挿絵を描いたE.W.ケンブルも素晴らしい
それぞれのシーンを思い描くのに助けになるし、
同じ1884年のサインがしてあるってことは、同時代をそのまま現代版でも使ってるってことかしら?
偕成社さんも偉い


世界中の子どもたちが何度も同じ冒険に胸躍らせることだろう
この続編をもっともっと続けて書いてくれたらよかったのに
とても名残惜しいことだけど、読後の記録はこのへんにしておこう




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