メランコリア

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森雅之特集『女性操縦法(グッドバイ 再公開短縮改題版)』@神保町シアター(4.2

2021-04-03 15:27:41 | 映画
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生誕110年 森雅之 孤高のダンディズム









『女性操縦法(グッドバイ 再公開短縮改題版)』
S24('49)/新東宝/白黒/1時間10分

監督:島耕二
原作:太宰治
脚本:小国英雄
撮影:三村明
音楽:鈴木静一
美術:下河原友雄

出演
田島周二:森雅之
永井きぬ子(船越絹代):高峰秀子
多田敬太:若原雅夫
山崎夏江:清川玉枝
関根健蔵:江川宇礼雄
船越恭平:高田稔
青木蘭子:霧立のぼる
水原ケイ子:三村秀子
鈴龍:藤間紫
内儀:一の宮あつ子
北村たま子:清川虹子
ほか



映画.com
製作は「流星」の青柳信雄。
原作は朝日新聞に連載された故太宰治の遺作で、
これは彼の自殺によって十三回で中絶されたものである。

これを「狙われた女」「幽霊曉に死す」「青い山脈(1949)」(今井正と協同)の小国英雄が脚色した
監督は「今日われ恋愛す」につぐ島耕二。
キャメラは「結婚三銃士」の三村明が担当する

***

虫のしらせか、久々、神保町シアターで何をかけているか
何気なくHPを開いてみたら、、、なんと! 森雅之さん特集!

しかも3月から始まり、私がまだ観たことのない作品が数本
終わってしまった後と気づいて大ショック












しかし、まだまだ他にも観ていない作品があるため
早速行くことにしたが、なにせ自粛中

それでなくても小さい劇場で席を空けて48席となると
いつもなら30分ほど前に行って買っても後ろの席はとれるが
様子見のために1時間前に行って、2本分買ったら
1本目は16番、2本目は5番だった

開場は10分前、自由席なため
どのみち狭いロビーは整理券を持った客で混むし

1席ずつ空けるにしても、特に×印もないため
真ん中で観たいおじいちゃんが座ると
他で隣りあわせになっている席もあった




(こんなテープはなかった


森さんの作品とあって、女性が多いと思いきや
2作とも見える頭は白髪のおじいちゃんばかり/驚 なぜ???

しかもおじいちゃんたちはもしかしたら
森さんではなく共演の女優さん目当てかもしれないし
私の思い過ごしか?


毎回、壁に切り貼りで手作り感覚満載なディスプレイを見るのも楽しみ



















改めて、年表を見ると、随分苦労された上
60代で亡くなったのは早いなあ!

それでも、晩年には吉永小百合さんら
今でもベテランとして活躍する俳優さんとの共演もあってそれもビックリ!












金曜日のこの日でひと区切りのため
3作目『カモとねぎ』も観たかったが
昔ならともかく、劇場で3本連続は結構体力がいるため諦めた

いつか縁があれば、またやるよね?
今回も110年てちょっとハンパな数でも特集を組んだくらいだし
他の監督や女優特集でかける可能性もあるから今後にも期待大/切願


























吉本のお笑いのほうはテープが張ってあったけどやってるのかな???





【内容抜粋メモ】

※メモに間違いがあったらすみません/謝








「グッドバイ」て言い方も手の仕草も
元は海外ものか?と思うような感じ

最初に出て来る警官が、最後にも出てきて
手をつなぐ2人を見て「もう行きなさい」と手を振り
これでもかのウインクをするのも

アメリカ映画の真似事みたいで
今よりさらに戦後まもない作品だけに
なんだか複雑な思いがした

終始マンガのような身振り手振り、セリフ回し
スラップスティックコメディの要素もふんだんに入れている
ハシゴの上からペンキが落ちてくるとか“いかにも”なネタ

こんなラブコメにこれまで『浮雲』などを演じてきた
森さんとデコちゃんが共演しているって新鮮



【ストーリーメモ】

どうやら経営が傾き加減な出版社

田島周二のもとに文句を言いに来た女性作家?
お茶が熱すぎると怒る

でも田島に夢中で「家に来てくれ」としつこく誘い
体よく振る舞う田島

次に来たのは情報屋?の永井きぬ子
モンペを着て、ものすごい訛っていて、金にがめつい


社長が戻るとすぐに電話があり
超お金持ちのお得意様・船越恭平と分かり
口に入れた飴玉がノドに詰まり、慌てて熱いお茶で飲みくだすw

船越恭平は社長を家に呼び、田島がどんな男かと聞く
というのも、愛娘の絹代が婚約者を断っても結婚したいとせがんだから

社長は女グセの悪い田島に話すと
結婚の約束をした女が数人いるという

考えた末に、特別美人な女を妻に仕立てて
愛人らに会わせて諦めてもらう作戦

社長:そうだ、あのコがイイ!

と連れてきたクラブの美人NO.1水原ケイ子は
田島の愛人の1人で一番手強い相手だと明かす(w


街中で着飾ったキヌコと出くわし「見違えたよ!」と早速食事に誘う
理由を話して、作戦に協力してくれないかと頼む

次々出て来るコース料理をバクバク食べていく秀子さんが可笑しい
皿の残りを次の皿にあけ、ソースもパンにつけ
「あんたが食わないなら、おれが食う」


キヌコを美容室に連れて行き
黒いドレスを着せると見違えるように変身
そこの美容師も愛人の1人で
妻だと紹介するとショックを受ける

田島:そういうワケでグッドバイ

あっさりと別れる田島 泣く美容師
同情から自分のつけていた真珠のネックレスをかけてあげるキヌコ
それをむしり取る美容師


次はお座敷の芸子さん
妻だと紹介し、彼女とも「グッドバイ」とあっさり

次は居酒屋の女将(ずいぶん幅が広いなあ!w
訛りが酷いため、ニッコリと笑って何も喋らないキヌコが可笑しいw

焼酎をつぐと水のようにすぐに飲んでしまうww
女将:あんた、他の人が飲むのを少しは待つもんだよ!

喋ってもいいと言われて、訛り放題で解放された様子に
「気に入った!」とすっかり意気投合する2人


最後は一番手強いケイコのいるクラブへ
ところが、ケイコからの手紙に「こちらからグッドバイします」とあり
すっかり拍子抜けしてしまう田島


作戦が上手くいったお祝いをしようと部屋に無理やり上がりこみ
酒を飲ませて酔わせるつもりが、それもお見通しだと言うキヌコ

肴を出して、美味いと食べると、ちゃっかりお代をとる/爆
自分で食べてみて「ほんとだ美味しい」てw

キヌコが好きになったと告白し、プロポーズを迫る田島

電気を消して、月明りの中で迫られ
非常ベルを鳴らして危機一髪逃れる

それでも、金持ちの娘に会って
まだ気持ちが変わらないならこの部屋で待っている
そうでなければ、実家に帰ると言い残す


社長と船越家に行き、初めて紹介された娘・絹代はキヌコそっくり!

アパートに電話してみると、キヌコの声で小言を言われて
別人だと安心し、それならばと財産目当てで結婚を迫る田島

先日アパートで聴こえてきた♪月光 をピアノで弾いてみせる絹代
田島はショパンと言っていたが、ヴェートーベンw

田島:今後、どんな美人に出会っても君への気持ちは変わらないよ

絹代:
私はアルバイトをしている
家の財産は弟に譲り、共働きで小さな家で暮らしたい

田島:それはよくない!

と必死に止めると
さっさと出かける支度をして「グッドバイ」と去る

ようやく、2人が同一人物と分かり、今度ばかりは後悔し反省する田島
キヌコのアパートに行くと、引っ越したと聞く
あの時聞いた声はレコードの録音だったと分かる(!


その後、絹代が親友のケイコに会いに行くと田島がいる
理由を知りたいと迫る

ケイコ:
もうこれきりだと決心していたが
嵐の夜、ずぶ濡れの田島が来て、これまでを反省し
手紙では区切りがつかないから「グッドバイ」と言って走り去るのを見た時
引き留めないと死んでしまうのではないかと思った
・・・愛しているんです

2人の仲良い写真が、なぜか自分と田島に見える絹代
「お幸せにね」

(絹代も田島に心奪われてしまっていたのか


最初、絹代を探して道路でボーっとして警官に注意されていたのは
絹代にフラれた婚約者

絹代は「今すぐ会いたい!」と電話して
2人とも混雑した街中をかき分けて走る

道路で抱き合っていると、同じ警官にまた注意されるが
2人がしっかりと手をつないでいるのを見て許してくれる





ダンディでモテモテな色男っぷりを遺憾なく発揮している森さん
やっぱりカッコいい!

どんなに浮気者でも、優柔不断でも、引き留める気持ち、分かる、分かる



コメント

森雅之特集『すずかけの散歩道』@神保町シアター(4.2

2021-04-03 15:27:40 | 映画
「好きな俳優・監督」カテゴリー内「森雅之さん出演作まとめ」に追加します


生誕110年 森雅之 孤高のダンディズム


監督:堀川弘通

出演
石丸市郎:笠智衆
石丸素子:賀原夏子
石丸春雄:多川譲二
石丸恵子:星由里子

香月久美子:司葉子
高畠信子:津島恵子
野崎正也:太刀川洋一
野崎綾子:青山京子

野呂貞三:森雅之
野呂加代:長岡輝子
野呂フミ子:鈴木久弓
野呂明伊:富貴宏明

村瀬正:吉山田真二
森川麻美:重山規子
岩本ひさ子:杉葉子
葉村ユリ子:富永ユキ
ほか

東宝「すずかけの散歩道」主題歌♪すずかけの散歩道 西条八十、服部良一



『すずかけの散歩道』1959年製作/72分/日本
石坂洋次郎のNHK連続放送劇「朝の口笛--すずかけの散歩道」の映画化。
「燈台」の井手俊郎と岡田達門が共同脚色し、「裸の大将」の堀川弘通が監督、
「大人には分らない・青春白書」の小泉一が撮影した。
音楽は服部良一。パースペクタ立体音響。




12話のラブコメドラマやマンガを1時間ちょいにまとめた感じだと思ったら
やっぱりそうだったのか

他にも興味深い作品のチラシがいろいろあって
また何枚か持って帰ってきた

長くなるので、次の「topics」に別記します




同じ席で観た
16時台ともなると、客は半減
でも、やっぱり9割方おじいちゃん

カラーが塗り絵のような色合いで
テレスコープの細長い画面に切り替わった

恋のさや当ての群像劇
とんとん拍子の早い展開

画面の切り替わりも早くて
血縁や会社の人間関係が絡んで複雑/汗

でも、会社に森さんがいたら、そりゃ告白したくなるよねえ!
分かる、分かる

今作で面白いのは、さすがの笠智衆さん
当時、何歳なのかもう全然分からないけどw

作家らしく、どんな状況でも民主的、オープンな意見を冷静に述べることで
どこかユーモラスな役回りを演じている

司葉子さんらが男勝りに出版社で働く役が似合っている
出版社ってドラマの設定でやたら使われるのはなぜ???

キリリとした眉、鋭いまなざしでストレートに告白するシーンは
どんな男性もコロっと参ってしまうだろう


♪すすかけの散歩道 て昔流行った♪鈴懸の径 と勘違いしてたけど
この映画の主題歌だった
にしても錚々たる作詞作曲家さんを使っている





【内容抜粋メモ】

※メモに間違いがあったらすみません/謝

恋模様の関係まとめ

1.石丸春雄と妾の子
2.村瀬正と高畠信子
3.香月久美子と野呂貞三
4.家庭教師と香月久美子


作家の石丸市郎と素子は恋愛結婚

(当時は珍しかったんだよね
 いまだに母も「あの夫婦は恋愛結婚で・・・」て言う!

息子・石丸春雄に家庭教師をつける
(ハンサムで肉体派な若い俳優さん

家庭教師:
キミの家は美人ばかりだな
ああいうのを「水もしたたるいい女」って言うんだよ
お母さんだって面相が悪いってわけでもない(w)と話していると

素子:したたるとかなんとか、水道の勉強でもなさってるんですか? てw


そのハルオは勉強よりも絵を描くのが好きで
広々とした河川敷で絵を描いていると
元気のいい同い年くらいの女の子から声をかけられて親しくなる

ハルオはそのまま家の夕食時に両親と妹に話して聞かせる

ハルオ:
「私、妾の子なの」って自分から言ってカッコいいんだ
オレも妾の子だったら良かったのにな

素子:
なんてことを! あなたは正妻の子ですよ!(w
家のことは全部私任せだからこうなるんですよ

市郎:言いたいことをオープンに言い合える関係はいいことだよ


素子の妹・香月久美子は一緒に住んでいるのか
出版社で男性と一緒にバリバリ働いている

素子の友だちで主婦の高畠信子は子どももいるが倦怠期
クミコのように自分も働きに出たいと話す

クミコは同僚の村瀬正に頼み、村瀬は妹が経営する生地店の横に
アクセサリーショップを出したらどうかとすすめる

2人で会ううちに、すっかりノブコに夢中になるムラセ

クミコは、編集長・野呂貞三が好き
野呂は妻を亡くし、子どもが2人いて、母と暮らしている

出張の際、クミコに家のことを手伝ってくれないかと頼み
喜んで引き受けるクミコ

子どももなついて、野呂の母も息子が早く再婚してくれたらいいのにと話す


ある日、ハルオが絵を描いていると“いかにも”な不良連中に絡まれて
殴られ、気絶してしまい、少女に額にキスされて驚いたと両親に話す

素子は心配になり、家庭教師に見張ってくれと頼むと
少女は誤解して怒り、もう会わないと言って去る


市郎が仕事の付き合いで夜中のクラブに行くと
ノブコとムラセが親し気にしているのを見かけて驚く

ピアノの上で悩ましく歌い、妖艶に踊る歌手がマリリンみたい

市郎に気づいて、慌てて店を出て、タクシーに乗るノブコ

その話を素子にすると
「相手は歳下で、しかも夫と子どももいるのに!」とえらい剣幕

市郎、素子はノブコにどうするつもりかと問う
クミコ:すべてはノブコさんの気持ち次第よ

仕事も手につかないムラセにも「自分は味方だ」と告げるクミコ


家庭教師はクミコに告白しようとすると
自分には脈がないと笑って去る

奔放な友だちは「貧乏で窮屈な結婚生活なんてまっぴら」と話していたのに
30歳も歳の離れた金持ちとあっさり結婚したと話す

ムラセ:1度目の結婚で遺産をもらい、2度目の結婚は若い男に貢ぐってわけだ! と笑う


クミコは酔ったまま、出張から戻り、1人バーで飲んでいる野呂に踊ろうと誘う

昔はこうしてお酒を飲みながら社交ダンスをしたのか
ダンスも優雅でさり気ない森さんがステキ!

お酒が飲める人はこうした機会が多くて羨ましいなと思うことがあった

酒の勢いもあり、野呂に告白するクミコ
クミコ:私、本当に野呂さんのすべてを愛しています!

若いカップルも楽しそうに踊っているのを見て

野呂:
あのカップルをごらん
君も若い男性を探したほうがいいよ

クミコ:
私、誤解してました
家の手伝いを任されたりして喜んで・・・
でも、野呂さんの心の中には
まだ亡くなった奥さまがいらっしゃるんだわ

去り際に「弱虫!」って捨て台詞がイイね


朝起きて、何度もでんぐり返しをして気分転換して(w
会社では上司と部下に戻っているクミコ


ムラセは15時に会って話したいと
ノブコからの電話にいそいそと喫茶店に出かけるが
なかなか来ないため、何本もタバコを吸ってイライラする

ノブコはそんなムラセの様子を外から見て
何度も行きつ戻りつして悩み抜く

1時間半経ち、とうとう家庭と子どもの元に戻る決意をして
そのまま立ち去るノブコ

とうとう店を出て、会社に戻り、クミコに
「諦めたほうがよさそうだ」とメモを渡す

(いつでも会社をこんなに長く抜け出せるって
 能力重視で自由な気風なんだね


屋上に集まる同僚3人は、それぞれサッパリした気持ちで
新しい恋を探すと話して笑う


素子は息子がまた別の女の子と付き合っていると心配して
河川敷に来てみると、息子は大勢のコに絵を教えている

のびのびとした子どもたちの姿でエンディング





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