2002年初版 斉藤健一/訳
※「作家別」カテゴリー内に追加しました
今作も素晴らしいサスペンスだった
『ねらわれたスミス』と同じく社会の底辺で生きる少年が垣間見る大人の犯罪の世界
ロンドンが舞台なのも嬉しい
船の荷積みで生計を立てている人々の暮らしぶりも興味深い
登場人物がみなハッキリ見えるようで
すぐ映画化されてもいいほど完成されている
時々、口ずさむ何気ない歌やセリフの繰り返しが耳に残って効果的
【内容抜粋メモ】
登場人物
バーナクル 煙突掃除の少年
ロバーツ親方
ドーニャ・バシロバ
クリーカー警部
トム・ゴズリング <草原の貴婦人>で荷積みをしている
クララ・マクディパー 未亡人 娘ミランダ
アニー <旅人のいこい亭>のウエートレス
ブロドスキー大佐
鼻の曲がった、顔に傷のある男
ヘイスティマイト
ホバート卿 イギリスの魂と呼ばれる政治家
マウントイーグル卿 弁護士を引退した金持ち
●1
ドーニャ・バシロバは郵便局で手紙を受け取り
路地から路地へと歩いて尾行をまいたと思ったが
行き止まりでロケットを取られて
テムズ川に沈められた
●2
煙突掃除のバーナクル
名前の由来はどこにでもへばりついていられる特技から
煙突から聞こえてくる話を盗み聞きするのが好き
ナイフの刃:十二月のバラを見張ります
ロバーツ親方:殺してやるとも、神さまに誓ってな!
親方が竿でつついて、ある屋敷の部屋に落ちたバーナクル
クリーカー警部の一瞬の隙をついて窓を割って逃げだす
その手には部屋にあった銀のスプーンと鎖の切れたロケットが握られていた
●3
ロケットを開くと母子の小さな絵が入っている
♪煙突掃除 おかみさんに逃げられた
子どもたちに追い詰められて、銀のスプーンを投げると群がる
トム・ゴズリングが酒場から出てきてつかまり、その腕に噛みつく
ゴズリングは親方と話をつけて、バーナクルにミルクをおごる
バーナクルは野良犬のようにゴズリングについていく
●4
ロバーツ親方はどんな書類も肌身離さず持っているが
自分の出生証明書だけがなく、警察官などを見かけるたびに
厳しく罰せられるのではないかとビクビクしている
人間が理屈に合わないことを心配しなくなるのは
死んでお墓に入ってからではないだろうか(同意
クリーカー警部が家で待っていて
バーナクルが屋敷で閣下から大事な品を盗んだから返して欲しいと言う
ロバーツ親方は<陽気なはしけ乗り>という居酒屋で話した男なら知っていると話す
<陽気なはしけ乗り>に行くが、みんな仲間の告げ口はしない
クリーカー警部:少年を捜している 真っ黒けな子どもだ この帽子みたいにな
●5
ゴズリングは公衆浴場でバーナクルを真っ白に洗う
バーナクル:
おいらは“罪の子”で、孤児院育ちだから両親のことは何も知らない
銀のスプーンとロケットは生まれた時から持っていた形見で
母と自分の絵が描いてある
見ると、聖母子像だった
ゴズリングは自分のはしけ<草原の貴婦人>にバーナクルを乗せて出航する
●6
街にはリンゴの皮をむく男や、浮浪者などの秘密警察がまぎれ
国家の安全のためには殺人もいとわない
その背後には大臣がいて、警部は極秘の指令を受けていた
ルック巡査に真っ黒な男の子の行方を聞くと
ルック:
真っ白な子どもなら見ました
テムズ川のブロークン波止場に停泊してるゴズリングと一緒でした
すぐに波止場に向かうが船は出た後
●7
バーナクルはこっそり船をおりようとして、ミランダの鉤に引っ掛けられる
ミランダは隣りに停泊している船の持ち主マクディパー夫人の娘で
バーナクルがゴズリングから何か盗んだと思い込んだ
子どもにコーヒーをもってきてと頼み
ゴズリングとマクディパー夫人は腕を組んで船室に入る
バーナクルは見捨てられたような気がする
だれからも必要とされていないような気が
●8
<旅人のいこい亭>のウエートレス、アニーがコーヒーをいれてくれる
ミランダの母ははしけを持っているが、ゴズリングは借りているだけ
毎週月曜の朝に持ち主に借り賃を払わなければならない
ゴズリングはバーナクルに積み荷の山に上がり左右を導く仕事を与える
いいことも悪いこともいろいろあるけど
死んでるよりは生きてたほうがいいな、と生まれて初めて思った
●9
クリーカー警部は安いアパートの屋根裏を借りてつましく暮らしている
屋敷でヘイスティマイトと会い、十二月のバラ号の情報を話す
国の敵の使者が乗っていて、危険グループの女性に資金を渡す予定
女性はロケットを目印にしている
ヘイスティマイト:あの子どもを見つけて、口をふさぐんだ
●10
ゴズリングは船を買うための貯金箱から5シリングを出して
マクディパー夫人にバーナクルの服を買ってほしいと頼む
古着百貨店のレビーはどんな人にもピッタリの服を見つけることで有名
店には青い制服を着たマネキンが飾られている
船長だったマクディパー夫人の夫が着ていたもので
酔っぱらって船から落ちて死んだ
店にあるロシアのクロテンの毛皮が欲しいと思うミランダ
マクディパー夫人はレビーと倉庫に消え
バーナクルの上着、ズボン、チョッキ、ブーツ、帽子まで揃えて5シリング以内におさめる
マクディパー夫人は3シリングだったとゴズリングにウソをついて2シリング返す
●11
クリーカー警部はロバーツ親方にゴズリングを確かめさせる
ミランダは十二月のバラ号が来たら
本物のロシアのクロテンを買ってくれるよう母に約束させる
ゴズリングは馬の糞を下流の農家に売り、堆肥となる
帰りは馬のえさになる干し草を積んでくる
●12
バーナクルはどこかで誰かに見張られている視線を感じる
実際、リンゴの皮をむく男が船を見張っている
クリーカー警部は閣下と会う
十二月のバラ号のブロドスキー大佐を逮捕するよう命令される
ヘイスティマイト:使者より資金のほうが大切なのだ
クリーカー警部:鼻の曲がった、顔に傷のある男が嗅ぎまわってます
●13
<ノロジカ亭>でお茶を飲み、夫が亡くなって10年経つと話すマクディパー夫人
夫は自分になにかあったら、名誉を傷つけないために、財産家と再婚するように言った
ミランダはもう一度ロケットを見せてくれとバーナクルに頼む
バーナクルはロケットがいくらで売れるか聞くと
質屋のトンプソンか<旅人のいこい亭>のアニーに聞けば分かると言う
●14
バーナクルはゴズリングの恩返しにレビーから船長の服を買えば
マクディパー夫人と結婚できると考えてトンプソンにいくらかと聞くと
リンゴの皮をむく男とグルで罠にハマったと分かり、煙突に上がって逃げきる
クリーカー警部:子どもを捜している ニワトリの骨みたいに青白い
警官:私が見たのは帽子みたいに真っ黒でした
●15
ゴズリングに問い詰められて、ロケットは屋敷から持ってきたと話す
マクディパー夫人とミランダは十二月のバラ号に乗る
船長はブロドスキー大佐を船に乗せて欲しいと頼む
鼻の曲がった、顔に傷のある男も一緒
ブロドスキー大佐がシベリアのクロテンの帽子をかぶっているのを羨ましく思うミランダ
時計にロケットと同じ紋章があるのを見たと言うと
どこで見たかと強く問い詰める
母は本物のロシアのクロテンの毛皮を買ってくるが
想像より全然小さくてネズミの死骸みたいでガッカリする
ブロドスキー大佐は帽子をあげるからバーナクルの居所を教えてくれと頼み
<旅人のいこい亭>だと教えてしまう
●16
バーナクルはアニーにもロケットがいくらになるか聞く
ブロドスキー大佐が入って来て「女はどこにいる?」と血相変えて聞く
バーナクル:ロケットなど知らない 聖書に誓って!
屋敷にクリーカー警部がいたことを話すと
ブロドスキー大佐:きっと殺されたんだ、可哀想に!
大佐が必死に頼むため、ゴズリングは船に乗せる
●17
使者はキャサリンズ階段に現れなかった
クリーカー警部:ヘイスティマイトさん、今夜です
●18
ブロドスキー大佐:ロケットを盗んだ家を教えてください!
バーナクル:ロバーツ親方なら知ってるよ
●19
仕事のない若者は口笛を吹く
♪ああ、いったいどうしたの? ジョニーは市に行ったまま
約束してくれたのに わたしに青いリボンを買ってくれるって
●20
ロバーツ親方:
孤児院から新入りを連れてきて
バーナクルは死んだことにした
家のことは商売上の秘密だ
このごろ警察につきまとわれてる 出てってくれ!
船に戻ると大佐は何者かに刺されて重体
●21
若者は大佐の時計をクリーカー警部に見せる
目当ての黒いカバンはどこにもなかった
若者:
次は失敗しません 男と男の子をしっかりやってみせます!
警部は父親のような方です
きっと誇りに思っていただけるような仕事をしてみせます
●22
マクディパー夫人:バーナクルとロケットが大佐に不幸を運んできたのよ
大佐は一命をとりとめ、警察に報告しないよう医師に念を押す
●23
ゴズリングは大佐の治療に有り金全部出してしまった
船主のライクラフトとメドウバンクに事情を話しても
木曜までに払わなければ船を没収すると言われる
●24
大佐はスプーンの紋章を友人に見せれば、屋敷の主が分かると手紙を託す
夫人らが心配なので、近くにいた若者に見張りをしてくれと頼んでお金を渡す
若者:猫にお駄賃をやってカナリアの見張りをさせるってのはこのことだ
●25
手紙の相手はマウントイーグル卿
鼻の曲がった、顔に傷のある男ジョーが召使い
スプーンの紋章は「イギリスの魂」と呼ばれる政治家ホバート卿の紋章で驚く
ホバート卿とヘイスティマイトは湯水のように金を使い
秘密警察を使って金を集めていた
ある夜、バシロバが来て、夫が強盗に殺されたと話す
夫は宝石商で革命家が持ち込んだ宝石の代金を届けるところだった
バシロバはクリーカー警部に復讐を誓い、罠をしかける囮となった
十二月のバラ号のブロドスキー大佐がロ
ケットを持つバシロバに資金を渡す情報を流した
ゴズリングはバーナクルの命が危ないと悟って、慌てて帰る
●26
バーナクルは大佐のカバンから船の代金だけ取ろうとしたが
若者にナイフで刺されそうになり、ミランダが鉤を引っ掛けて海に落とした
●27
若者の死体を確認したクリーカー警部は、彼の死をムダにしないと誓う
ジョーは大佐に警部が大臣に操られていると知らず
大金の入ったカバンを狙っていると説明
ゴズリングは警部に話せば逆に大臣をなんとかしてくれるのではないかと提案
●28
盗み聞きしていたバーナクルはカバンを取って警部に差し出し
ホバート卿、ヘイスティマイト、大佐のことを全部吐きだす
バーナクル:おいらはゴズリングさんを助けたい お願いだからカバンを取ってよ!
クリーカー警部:君は私を信用してくれた 今度は私が君を信用する番だ
●29
クリーカー警部はホバート卿を訪ねると、豪勢な誕生日パーティーの最中
ホバート卿:あの小僧が我々の話を盗み聞きしていたと!
ホバート卿は酔った勢いでウソがバレて開き直り、クリーカー警部を仲間にする
ホバート卿:分け前が欲しいのか?
クリーカー警部:朝の4時 私は資金を持って行きましょう
●30
警部はバーナクルにゴズリングのもとへ帰るよう言う
おもちゃ製造業者を訪ね、特別製のおもちゃを購入して
ホバート卿とヘイスティマイトを船に乗せる
テムズ川で爆発音がして3人は吹き飛び
殺されたバシロバ夫人の死体が浮かび上がる
●31
マウントイーグル卿:
時々私は「そんなの不公平だよ」と泣きさけんでいた子どもの頃のほうが
今より賢かったのではないかと思うことがあるよ
バーナクルはロケットをもらい、11ポンドになるか聞くと
ジョー:200ポンドなら公平でしょうね
レビーの店でクロテンの毛皮を買ってミランダにあげると嬉しくて泣きくずれる
船長の形見を11ポンドで買い、ゴズリングにあげてみんなで波止場に帰る
バーナクル:<草原の貴婦人>はいくらかなあ
ゴズリング:120ポンドくらいだろう
煙突掃除の子どもがとうとうてっぺんまでのぼったと思い
バーナクルはにっこり微笑む
※「作家別」カテゴリー内に追加しました
今作も素晴らしいサスペンスだった
『ねらわれたスミス』と同じく社会の底辺で生きる少年が垣間見る大人の犯罪の世界
ロンドンが舞台なのも嬉しい
船の荷積みで生計を立てている人々の暮らしぶりも興味深い
登場人物がみなハッキリ見えるようで
すぐ映画化されてもいいほど完成されている
時々、口ずさむ何気ない歌やセリフの繰り返しが耳に残って効果的
【内容抜粋メモ】
登場人物
バーナクル 煙突掃除の少年
ロバーツ親方
ドーニャ・バシロバ
クリーカー警部
トム・ゴズリング <草原の貴婦人>で荷積みをしている
クララ・マクディパー 未亡人 娘ミランダ
アニー <旅人のいこい亭>のウエートレス
ブロドスキー大佐
鼻の曲がった、顔に傷のある男
ヘイスティマイト
ホバート卿 イギリスの魂と呼ばれる政治家
マウントイーグル卿 弁護士を引退した金持ち
●1
ドーニャ・バシロバは郵便局で手紙を受け取り
路地から路地へと歩いて尾行をまいたと思ったが
行き止まりでロケットを取られて
テムズ川に沈められた
●2
煙突掃除のバーナクル
名前の由来はどこにでもへばりついていられる特技から
煙突から聞こえてくる話を盗み聞きするのが好き
ナイフの刃:十二月のバラを見張ります
ロバーツ親方:殺してやるとも、神さまに誓ってな!
親方が竿でつついて、ある屋敷の部屋に落ちたバーナクル
クリーカー警部の一瞬の隙をついて窓を割って逃げだす
その手には部屋にあった銀のスプーンと鎖の切れたロケットが握られていた
●3
ロケットを開くと母子の小さな絵が入っている
♪煙突掃除 おかみさんに逃げられた
子どもたちに追い詰められて、銀のスプーンを投げると群がる
トム・ゴズリングが酒場から出てきてつかまり、その腕に噛みつく
ゴズリングは親方と話をつけて、バーナクルにミルクをおごる
バーナクルは野良犬のようにゴズリングについていく
●4
ロバーツ親方はどんな書類も肌身離さず持っているが
自分の出生証明書だけがなく、警察官などを見かけるたびに
厳しく罰せられるのではないかとビクビクしている
人間が理屈に合わないことを心配しなくなるのは
死んでお墓に入ってからではないだろうか(同意
クリーカー警部が家で待っていて
バーナクルが屋敷で閣下から大事な品を盗んだから返して欲しいと言う
ロバーツ親方は<陽気なはしけ乗り>という居酒屋で話した男なら知っていると話す
<陽気なはしけ乗り>に行くが、みんな仲間の告げ口はしない
クリーカー警部:少年を捜している 真っ黒けな子どもだ この帽子みたいにな
●5
ゴズリングは公衆浴場でバーナクルを真っ白に洗う
バーナクル:
おいらは“罪の子”で、孤児院育ちだから両親のことは何も知らない
銀のスプーンとロケットは生まれた時から持っていた形見で
母と自分の絵が描いてある
見ると、聖母子像だった
ゴズリングは自分のはしけ<草原の貴婦人>にバーナクルを乗せて出航する
●6
街にはリンゴの皮をむく男や、浮浪者などの秘密警察がまぎれ
国家の安全のためには殺人もいとわない
その背後には大臣がいて、警部は極秘の指令を受けていた
ルック巡査に真っ黒な男の子の行方を聞くと
ルック:
真っ白な子どもなら見ました
テムズ川のブロークン波止場に停泊してるゴズリングと一緒でした
すぐに波止場に向かうが船は出た後
●7
バーナクルはこっそり船をおりようとして、ミランダの鉤に引っ掛けられる
ミランダは隣りに停泊している船の持ち主マクディパー夫人の娘で
バーナクルがゴズリングから何か盗んだと思い込んだ
子どもにコーヒーをもってきてと頼み
ゴズリングとマクディパー夫人は腕を組んで船室に入る
バーナクルは見捨てられたような気がする
だれからも必要とされていないような気が
●8
<旅人のいこい亭>のウエートレス、アニーがコーヒーをいれてくれる
ミランダの母ははしけを持っているが、ゴズリングは借りているだけ
毎週月曜の朝に持ち主に借り賃を払わなければならない
ゴズリングはバーナクルに積み荷の山に上がり左右を導く仕事を与える
いいことも悪いこともいろいろあるけど
死んでるよりは生きてたほうがいいな、と生まれて初めて思った
●9
クリーカー警部は安いアパートの屋根裏を借りてつましく暮らしている
屋敷でヘイスティマイトと会い、十二月のバラ号の情報を話す
国の敵の使者が乗っていて、危険グループの女性に資金を渡す予定
女性はロケットを目印にしている
ヘイスティマイト:あの子どもを見つけて、口をふさぐんだ
●10
ゴズリングは船を買うための貯金箱から5シリングを出して
マクディパー夫人にバーナクルの服を買ってほしいと頼む
古着百貨店のレビーはどんな人にもピッタリの服を見つけることで有名
店には青い制服を着たマネキンが飾られている
船長だったマクディパー夫人の夫が着ていたもので
酔っぱらって船から落ちて死んだ
店にあるロシアのクロテンの毛皮が欲しいと思うミランダ
マクディパー夫人はレビーと倉庫に消え
バーナクルの上着、ズボン、チョッキ、ブーツ、帽子まで揃えて5シリング以内におさめる
マクディパー夫人は3シリングだったとゴズリングにウソをついて2シリング返す
●11
クリーカー警部はロバーツ親方にゴズリングを確かめさせる
ミランダは十二月のバラ号が来たら
本物のロシアのクロテンを買ってくれるよう母に約束させる
ゴズリングは馬の糞を下流の農家に売り、堆肥となる
帰りは馬のえさになる干し草を積んでくる
●12
バーナクルはどこかで誰かに見張られている視線を感じる
実際、リンゴの皮をむく男が船を見張っている
クリーカー警部は閣下と会う
十二月のバラ号のブロドスキー大佐を逮捕するよう命令される
ヘイスティマイト:使者より資金のほうが大切なのだ
クリーカー警部:鼻の曲がった、顔に傷のある男が嗅ぎまわってます
●13
<ノロジカ亭>でお茶を飲み、夫が亡くなって10年経つと話すマクディパー夫人
夫は自分になにかあったら、名誉を傷つけないために、財産家と再婚するように言った
ミランダはもう一度ロケットを見せてくれとバーナクルに頼む
バーナクルはロケットがいくらで売れるか聞くと
質屋のトンプソンか<旅人のいこい亭>のアニーに聞けば分かると言う
●14
バーナクルはゴズリングの恩返しにレビーから船長の服を買えば
マクディパー夫人と結婚できると考えてトンプソンにいくらかと聞くと
リンゴの皮をむく男とグルで罠にハマったと分かり、煙突に上がって逃げきる
クリーカー警部:子どもを捜している ニワトリの骨みたいに青白い
警官:私が見たのは帽子みたいに真っ黒でした
●15
ゴズリングに問い詰められて、ロケットは屋敷から持ってきたと話す
マクディパー夫人とミランダは十二月のバラ号に乗る
船長はブロドスキー大佐を船に乗せて欲しいと頼む
鼻の曲がった、顔に傷のある男も一緒
ブロドスキー大佐がシベリアのクロテンの帽子をかぶっているのを羨ましく思うミランダ
時計にロケットと同じ紋章があるのを見たと言うと
どこで見たかと強く問い詰める
母は本物のロシアのクロテンの毛皮を買ってくるが
想像より全然小さくてネズミの死骸みたいでガッカリする
ブロドスキー大佐は帽子をあげるからバーナクルの居所を教えてくれと頼み
<旅人のいこい亭>だと教えてしまう
●16
バーナクルはアニーにもロケットがいくらになるか聞く
ブロドスキー大佐が入って来て「女はどこにいる?」と血相変えて聞く
バーナクル:ロケットなど知らない 聖書に誓って!
屋敷にクリーカー警部がいたことを話すと
ブロドスキー大佐:きっと殺されたんだ、可哀想に!
大佐が必死に頼むため、ゴズリングは船に乗せる
●17
使者はキャサリンズ階段に現れなかった
クリーカー警部:ヘイスティマイトさん、今夜です
●18
ブロドスキー大佐:ロケットを盗んだ家を教えてください!
バーナクル:ロバーツ親方なら知ってるよ
●19
仕事のない若者は口笛を吹く
♪ああ、いったいどうしたの? ジョニーは市に行ったまま
約束してくれたのに わたしに青いリボンを買ってくれるって
●20
ロバーツ親方:
孤児院から新入りを連れてきて
バーナクルは死んだことにした
家のことは商売上の秘密だ
このごろ警察につきまとわれてる 出てってくれ!
船に戻ると大佐は何者かに刺されて重体
●21
若者は大佐の時計をクリーカー警部に見せる
目当ての黒いカバンはどこにもなかった
若者:
次は失敗しません 男と男の子をしっかりやってみせます!
警部は父親のような方です
きっと誇りに思っていただけるような仕事をしてみせます
●22
マクディパー夫人:バーナクルとロケットが大佐に不幸を運んできたのよ
大佐は一命をとりとめ、警察に報告しないよう医師に念を押す
●23
ゴズリングは大佐の治療に有り金全部出してしまった
船主のライクラフトとメドウバンクに事情を話しても
木曜までに払わなければ船を没収すると言われる
●24
大佐はスプーンの紋章を友人に見せれば、屋敷の主が分かると手紙を託す
夫人らが心配なので、近くにいた若者に見張りをしてくれと頼んでお金を渡す
若者:猫にお駄賃をやってカナリアの見張りをさせるってのはこのことだ
●25
手紙の相手はマウントイーグル卿
鼻の曲がった、顔に傷のある男ジョーが召使い
スプーンの紋章は「イギリスの魂」と呼ばれる政治家ホバート卿の紋章で驚く
ホバート卿とヘイスティマイトは湯水のように金を使い
秘密警察を使って金を集めていた
ある夜、バシロバが来て、夫が強盗に殺されたと話す
夫は宝石商で革命家が持ち込んだ宝石の代金を届けるところだった
バシロバはクリーカー警部に復讐を誓い、罠をしかける囮となった
十二月のバラ号のブロドスキー大佐がロ
ケットを持つバシロバに資金を渡す情報を流した
ゴズリングはバーナクルの命が危ないと悟って、慌てて帰る
●26
バーナクルは大佐のカバンから船の代金だけ取ろうとしたが
若者にナイフで刺されそうになり、ミランダが鉤を引っ掛けて海に落とした
●27
若者の死体を確認したクリーカー警部は、彼の死をムダにしないと誓う
ジョーは大佐に警部が大臣に操られていると知らず
大金の入ったカバンを狙っていると説明
ゴズリングは警部に話せば逆に大臣をなんとかしてくれるのではないかと提案
●28
盗み聞きしていたバーナクルはカバンを取って警部に差し出し
ホバート卿、ヘイスティマイト、大佐のことを全部吐きだす
バーナクル:おいらはゴズリングさんを助けたい お願いだからカバンを取ってよ!
クリーカー警部:君は私を信用してくれた 今度は私が君を信用する番だ
●29
クリーカー警部はホバート卿を訪ねると、豪勢な誕生日パーティーの最中
ホバート卿:あの小僧が我々の話を盗み聞きしていたと!
ホバート卿は酔った勢いでウソがバレて開き直り、クリーカー警部を仲間にする
ホバート卿:分け前が欲しいのか?
クリーカー警部:朝の4時 私は資金を持って行きましょう
●30
警部はバーナクルにゴズリングのもとへ帰るよう言う
おもちゃ製造業者を訪ね、特別製のおもちゃを購入して
ホバート卿とヘイスティマイトを船に乗せる
テムズ川で爆発音がして3人は吹き飛び
殺されたバシロバ夫人の死体が浮かび上がる
●31
マウントイーグル卿:
時々私は「そんなの不公平だよ」と泣きさけんでいた子どもの頃のほうが
今より賢かったのではないかと思うことがあるよ
バーナクルはロケットをもらい、11ポンドになるか聞くと
ジョー:200ポンドなら公平でしょうね
レビーの店でクロテンの毛皮を買ってミランダにあげると嬉しくて泣きくずれる
船長の形見を11ポンドで買い、ゴズリングにあげてみんなで波止場に帰る
バーナクル:<草原の貴婦人>はいくらかなあ
ゴズリング:120ポンドくらいだろう
煙突掃除の子どもがとうとうてっぺんまでのぼったと思い
バーナクルはにっこり微笑む