1976年重版 山本藤枝/編著 山下一徳/カバー図案 田村耕助/表紙絵・口絵・挿絵
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
たくさんあった「少女名作シリーズ」も残りわずかとなった
読んだ感じだと少年が主人公だと思うけど、本の表紙の中心は少女の絵
今作も親のない設定が使われ、最後は貴族でお金持ちだったというハッピーエンディング
森の木が高価に売れる商売があるんだな
悪人でもいい人でも、木を伐り倒すことには変わりないと思うけど
【内容抜粋メモ】
登場人物
そばかす 孤児院で育った片腕の少年 リンバロストの森の番人となる
マックリーン 木材会社の支配人
御者長ダンカン
妻セイラ
鳥のおばさん 博物学者
エンゼル
ブラック・ジャック
●名のない少年
そばかすだらけの顔、右手のない少年が仕事が欲しいとやって来る
支配人マックリーンは危険な森の見張りに1人必要だが少年にはムリだと言う
以前、解雇したブラック・ジャックという男が
常に森の木を狙っていることも伝えるが諦めない少年
孤児院で育ち、名前もなく、どこも断られてしまい、死ぬ気で働くと言う少年を見込んで
5年前に亡くなった父の名ジェームス・ロス・マックリーンの名をあげて雇うことにする
御者長ダンカンの家に下宿させてもらい、次第に仕事にも慣れ
鳥や獣と友だちになることで寂しさを紛らわせる
ある日、大きな黒い羽が落ちてきて、どんな鳥か気になり
リンバロストの森の鳥、花などについて勉強したいとマックリーンに相談すると
本と標本箱を買ってくれる
調べると、クロハゲタカという鳥だと分かる
●わるだくみ
ウェスナーはマックリーンを批判し、カンタンに500ドル稼げる仕事をしないかとそばかすを誘う
リンバロストの森の沼地には1本1000ドルもする木があると教える
そばかすはウェスナーとケンカして、マックリーンが手当する
翌朝、マックリーンは大勢の人夫を連れて
盗まれそうになっていた木を伐り倒して馬車で運ぶ
人夫は珍しい鳥をカメラで撮って世界中を回っている“鳥のおばさん”を紹介してくれる
鳥のおばさんと一緒に美しい少女がやって来て、そばかすはエンゼルと呼ぶ
マックリーンはそばかすを息子だと紹介し、とても自慢し
みっちり勉強させたら、本当の息子に迎えたいと話す
鳥のおばさんはウェスナーとブラック・ジャックを見つけ
3人で別の方向からピストルを撃って木を守る
そばかすは森に落ちていたエンゼルの帽子を届けに行く
エンゼルの父の会社に行き、礼儀正しいそばかすに感心する父
そばかすがいない間、沼地を見回りに行ったセイラは
ガラガラヘビを見て逃げだし、失神したところを見つける
あんな恐ろしい所にそばかすをやらないでくれとマックリーンに頼むが
人を増やそうとしても断固として1人でやると言い張るそばかす
歌が上手いそばかすを励まし、頑張れば音楽家にもなれると励ますエンゼル
リンゴの切り株から出た液が発酵し、それを飲んだ虫が酔っぱらっている様子を見て
鳥のおばさんに教えに行くと、エンゼルのパーティーをしている
境界線の見張りに行くと、自転車が針金に引っかかり
転んだそばかすを縛りあげるウェスナー
4人の男は木を伐り始め、そばかすに罪をなすりつける計画
エンゼルが来て、ブラック・ジャックが男前だと褒めそやし
すぐダンカン、マックリーンを呼びに行く
現場に戻ると、鳥のおばさんがピストルでジャックとウェスナーを狙っていた
ウェスナーを縛る間にジャックは逃げる
森には新たに4人の番人をおくことに決める
ジャックがエンゼルに騙されたと知って復讐に来るのを怖れたそばかすは寝ずに番をして
すっかり死人のようになり、心配したセイラはマックリーンに話す
エンゼルにも護衛をつけると約束するマックリーン
そばかすは撃ち殺したカワウソでエンゼルのマフを作ることにする
マックリーンは沼地の大ヘビを撃ち殺すと
そばにブラック・ジャックの死体を見つける
●黄色いリボン
ウェスナーは12本の木にしるしをつけたと話していたが
大きなカエデの木にそれらしき印を見つけて
エンゼルは髪のリボンをといて木に結ぶ
マックリーンは感謝して、エンゼルに化粧机をつくると約束
そばかすは声楽の勉強をさせてくれと頼む
大きな木を伐り倒す先にエンゼルがいて、そばかすは彼女を救って、木の下敷きになる
ひどい怪我をして、このまま死なせてくれと言うそばかすを
特別列車でシカゴの病院に運び、手術が行われる
●生きよ、そばかす
手術は成功したのに、生きる気力がないために助からないかもしれないと言う医師
そばかすはエンゼルを愛しているが、身分の差があるからムリだと知っている事情を話す
エンゼル:
私もそばかすを愛している
私も父も孤児のことは前から知っていた
父もそれが理由で断るような人じゃない
孤児院へ行って、そばかすを包んだベビー服を見れば
母親がどれだけ愛していたか分かる
赤ん坊が大事ならミシンなどかけず、ひと針ずつ縫ってあるに違いない
●貴族のおじさん
孤児院を訪ね、ベビー服を欲しいと言うと、叔父が来て持っていったばかり
叔父は下院議員のモーア卿で、一流ホテルに訪ねるとそばかすとソックリ
ベビー服は白く、縫い目は細かかったとそばかすに見せて、ワケを話す
アイルランドにお金持ちの年寄りがいて、2人の息子がいた
次男は貧しい牧師の娘との結婚を反対され、娘は歌手になり、アメリカに渡った
次男も後を追い、2人は結婚し、赤ちゃんが生まれた
そばの工場で火事があり、赤ちゃんの手を奪った
両親が助けに入り、天井が落ちて2人とも亡くなった
赤ちゃんの世話を頼まれていた近所のおばさんは
赤ちゃんを放っておいたのを恨まれると思い、近くの孤児院に置いていった
それを老人に打ち明けた手紙は読んだ後、隠していたが
老人が3か月前に亡くなり、長男が手紙を見つけて、赤ちゃんの行方を探していた
そばかすの名前はテレンス、住所はアイルランド
エンゼルの父は2人が立派な大人になったら結婚することを許す
マックリーンが見舞いに行くと、これまで隠していた右手を堂々と出しているそばかす
リンバロストの森とエンゼルは切っても切れない関係だから
これからもマックリーンのもとで働きたいと言う
エンゼルからのプレゼントは、黒い羽
そばかすが見つけた鳥が生んだヒナが成長していたことを知る
■解説
ジーン・ストラットン・ポーター
1868年 アメリカ生まれ 小説家、博物学者 1924年死去
本書の原題は『そばかす』
その他の作品
『リンバロストの乙女』
『ラディ』
『白い旗』
『蜜蜂を飼う人』
※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
たくさんあった「少女名作シリーズ」も残りわずかとなった
読んだ感じだと少年が主人公だと思うけど、本の表紙の中心は少女の絵
今作も親のない設定が使われ、最後は貴族でお金持ちだったというハッピーエンディング
森の木が高価に売れる商売があるんだな
悪人でもいい人でも、木を伐り倒すことには変わりないと思うけど
【内容抜粋メモ】
登場人物
そばかす 孤児院で育った片腕の少年 リンバロストの森の番人となる
マックリーン 木材会社の支配人
御者長ダンカン
妻セイラ
鳥のおばさん 博物学者
エンゼル
ブラック・ジャック
●名のない少年
そばかすだらけの顔、右手のない少年が仕事が欲しいとやって来る
支配人マックリーンは危険な森の見張りに1人必要だが少年にはムリだと言う
以前、解雇したブラック・ジャックという男が
常に森の木を狙っていることも伝えるが諦めない少年
孤児院で育ち、名前もなく、どこも断られてしまい、死ぬ気で働くと言う少年を見込んで
5年前に亡くなった父の名ジェームス・ロス・マックリーンの名をあげて雇うことにする
御者長ダンカンの家に下宿させてもらい、次第に仕事にも慣れ
鳥や獣と友だちになることで寂しさを紛らわせる
ある日、大きな黒い羽が落ちてきて、どんな鳥か気になり
リンバロストの森の鳥、花などについて勉強したいとマックリーンに相談すると
本と標本箱を買ってくれる
調べると、クロハゲタカという鳥だと分かる
●わるだくみ
ウェスナーはマックリーンを批判し、カンタンに500ドル稼げる仕事をしないかとそばかすを誘う
リンバロストの森の沼地には1本1000ドルもする木があると教える
そばかすはウェスナーとケンカして、マックリーンが手当する
翌朝、マックリーンは大勢の人夫を連れて
盗まれそうになっていた木を伐り倒して馬車で運ぶ
人夫は珍しい鳥をカメラで撮って世界中を回っている“鳥のおばさん”を紹介してくれる
鳥のおばさんと一緒に美しい少女がやって来て、そばかすはエンゼルと呼ぶ
マックリーンはそばかすを息子だと紹介し、とても自慢し
みっちり勉強させたら、本当の息子に迎えたいと話す
鳥のおばさんはウェスナーとブラック・ジャックを見つけ
3人で別の方向からピストルを撃って木を守る
そばかすは森に落ちていたエンゼルの帽子を届けに行く
エンゼルの父の会社に行き、礼儀正しいそばかすに感心する父
そばかすがいない間、沼地を見回りに行ったセイラは
ガラガラヘビを見て逃げだし、失神したところを見つける
あんな恐ろしい所にそばかすをやらないでくれとマックリーンに頼むが
人を増やそうとしても断固として1人でやると言い張るそばかす
歌が上手いそばかすを励まし、頑張れば音楽家にもなれると励ますエンゼル
リンゴの切り株から出た液が発酵し、それを飲んだ虫が酔っぱらっている様子を見て
鳥のおばさんに教えに行くと、エンゼルのパーティーをしている
境界線の見張りに行くと、自転車が針金に引っかかり
転んだそばかすを縛りあげるウェスナー
4人の男は木を伐り始め、そばかすに罪をなすりつける計画
エンゼルが来て、ブラック・ジャックが男前だと褒めそやし
すぐダンカン、マックリーンを呼びに行く
現場に戻ると、鳥のおばさんがピストルでジャックとウェスナーを狙っていた
ウェスナーを縛る間にジャックは逃げる
森には新たに4人の番人をおくことに決める
ジャックがエンゼルに騙されたと知って復讐に来るのを怖れたそばかすは寝ずに番をして
すっかり死人のようになり、心配したセイラはマックリーンに話す
エンゼルにも護衛をつけると約束するマックリーン
そばかすは撃ち殺したカワウソでエンゼルのマフを作ることにする
マックリーンは沼地の大ヘビを撃ち殺すと
そばにブラック・ジャックの死体を見つける
●黄色いリボン
ウェスナーは12本の木にしるしをつけたと話していたが
大きなカエデの木にそれらしき印を見つけて
エンゼルは髪のリボンをといて木に結ぶ
マックリーンは感謝して、エンゼルに化粧机をつくると約束
そばかすは声楽の勉強をさせてくれと頼む
大きな木を伐り倒す先にエンゼルがいて、そばかすは彼女を救って、木の下敷きになる
ひどい怪我をして、このまま死なせてくれと言うそばかすを
特別列車でシカゴの病院に運び、手術が行われる
●生きよ、そばかす
手術は成功したのに、生きる気力がないために助からないかもしれないと言う医師
そばかすはエンゼルを愛しているが、身分の差があるからムリだと知っている事情を話す
エンゼル:
私もそばかすを愛している
私も父も孤児のことは前から知っていた
父もそれが理由で断るような人じゃない
孤児院へ行って、そばかすを包んだベビー服を見れば
母親がどれだけ愛していたか分かる
赤ん坊が大事ならミシンなどかけず、ひと針ずつ縫ってあるに違いない
●貴族のおじさん
孤児院を訪ね、ベビー服を欲しいと言うと、叔父が来て持っていったばかり
叔父は下院議員のモーア卿で、一流ホテルに訪ねるとそばかすとソックリ
ベビー服は白く、縫い目は細かかったとそばかすに見せて、ワケを話す
アイルランドにお金持ちの年寄りがいて、2人の息子がいた
次男は貧しい牧師の娘との結婚を反対され、娘は歌手になり、アメリカに渡った
次男も後を追い、2人は結婚し、赤ちゃんが生まれた
そばの工場で火事があり、赤ちゃんの手を奪った
両親が助けに入り、天井が落ちて2人とも亡くなった
赤ちゃんの世話を頼まれていた近所のおばさんは
赤ちゃんを放っておいたのを恨まれると思い、近くの孤児院に置いていった
それを老人に打ち明けた手紙は読んだ後、隠していたが
老人が3か月前に亡くなり、長男が手紙を見つけて、赤ちゃんの行方を探していた
そばかすの名前はテレンス、住所はアイルランド
エンゼルの父は2人が立派な大人になったら結婚することを許す
マックリーンが見舞いに行くと、これまで隠していた右手を堂々と出しているそばかす
リンバロストの森とエンゼルは切っても切れない関係だから
これからもマックリーンのもとで働きたいと言う
エンゼルからのプレゼントは、黒い羽
そばかすが見つけた鳥が生んだヒナが成長していたことを知る
■解説
ジーン・ストラットン・ポーター
1868年 アメリカ生まれ 小説家、博物学者 1924年死去
本書の原題は『そばかす』
その他の作品
『リンバロストの乙女』
『ラディ』
『白い旗』
『蜜蜂を飼う人』