花好き・旅好き80代北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり、今は外国行きは見合わせている。

作物栽培のイロハを教わる

2007年10月23日 | ガーデニング・家庭菜園

 講習会2日目、「作物学」の教授の講義を受けた。
 最近は実験室で研究が行われるバイオテクノロジーが人気があり、実際に農耕や牧畜をして作物を収穫しながら行う「作物学」は、体力的にもきついので嫌われる様になり、研究者が少ないのだという。しかし、バイオの技術も、農業を通さないと実際の所は分からないのだから、「作物学」は大事だと思った。

 今日の講義の中で私が興味が持てたのは、肥料の事と食料自給率の事だった。
 まず肥料だが、化学肥料と有機肥料がある。化学肥料は窒素、燐酸、カリなどの元素段階にある肥料なので、植物への吸収は速効性がある。しかし、それだけに肥料過多になると根の成長を阻害し、結実が悪くなったり葉が褐色化したりする障害が現れる。
 その点有機肥料は、蛋白質などが土中の微生物などによってゆっくりと分解されるので、過多の障害が出にくい。しかし、硝酸体窒素が溜まった作物を多く摂取すると身体に悪い影響も与える。大きく成長しすぎたり、葉の緑が黒っぽい作物は、硝酸体窒素が多いかも知れないので注意したら良いと言われた。
 私は今まで単純に大きく成長したものの方が良いと思っていたのだが、必ずしもそうでない事が分かった。

 次に、日本の食料自給率が40%を割ってしまった問題である。先進諸国の中で日本だけが低い数値になってしまったのだが、国は小規模な農家は整理して土地を集約し、大規模農業へ転換して生産コストを下げ、収益の上がる農業にしようとしている。(今年から国は、作付け奨励金を生産面積の大きい農家にしか出さなくした)
 教授の話では、間もなく日本の農家は少なくなり、農企業が現れて大型機械やロボット、雇用労働者に農作業をさせ、収穫、販売する様になるだろうと話していた。私はそうかも知れないと思った。その時、農作物の安全、安心はどうなるのだろうか。

 現在日本では2800万トン以上の食料を輸入しながら、その61%の1700万トンを食べずに捨てているのだそうである。コンビニ、食品製造業、飲食店や、学校や病院、施設の給食、家庭でだ。 
 その捨てられる食料を、もし有機肥料として活かすなら、国内農産物の肥料はまかなえる筈だという。家庭等の残飯を分別して肥料化し、農業に使う試みをしている自治体もあるそうだが、全国に広がって欲しい。私も僅かだが全部、畑に埋め戻している。

 最後に現在の南瓜やとうもろこし、トマトなどの野菜の種の多くは、雑種強勢(F1育種)で、多収性や幅広い環境に耐える性質を持つものになっているのだという。
 しかしこの種は、毎年新しく買って植えなければならず、農家の収益を圧迫しているという話しもあった。
 先日私は、美味しかった南瓜の種を来年蒔くために乾かして保存したのだが、無駄だという事が分かった。蒔いても良い作物は少ししか採れないそうである。これも今日初めて知った事だ。
 しかし、じゃが芋は種ではなく栄養体なので、健康な芋なら2~3年は前年のを使うことができるそうである。

 講義の後、この農場で研究栽培している南瓜や芋の販売所に行った。
 南瓜は、坊ちゃん南瓜、ETの他、ラグビーボールより長い長チャン南瓜という品種もあった。ジャガイモは、北あかり、男爵の他、レッドムーン、インカの目覚めという品種もあった。私はレッドムーンの大きいのを1個、試しに食べてみたいと思って買った。15円だった。

 今日は短時間ではあったが、得るところの多かった講習だった。

 

 

コメント
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