滝を上空から見た後、まず先にジンバブエ側の展望台から真近に滝の姿を見るハイキングコースに出かけた。
水で濡れるので、私は登山用に買ったゴアテックスの上下を着た。またカメラは、家で思案した結果、ジップロックの袋を被せ、onにすると飛び出すレンズ部分に穴を開けて用意して来た。
添乗員がまとめてチケットを支払ってから、1.5km程の展望ルートに入った。
ゴーゴーという雷鳴の様な水音が聞こえ出した。目の前がぱっと開けたら、そこは川辺に最も近い①デビット・リビングストン展望台だった。何という物凄い水量だ。ザンベジ川の激流がアフリカ大陸の深い割れ目に落ちて行く。数百mも立ち昇る水煙のため霞んではっきりと見えない。私はただもう立ち尽くした。
ガイドに促されてまた少し歩いたら、しぶきで濡れた石段に出た。
「手すりが無く滑るから、注意してゆっくりと降りるように」と言われたので、1段々々足元を確かめ、いつものように数えながら降りた。73段降りたら②滝を下から見上げることができる展望台だった。まだ川の端の方なのだが体が震えるような凄い景色だ。
① ②
さらに歩いて次々と4つの展望地点に立ったが、川の中央に進むほど水しぶきの粒が大きくなり、強い雨となって降り注ぐので、真っ白い水煙の中では視界が利かない。足元の道にはジャージャーと小川の様に水が流れている。カメラを向けることなどできず、ただずぶ濡れになっていた。
昼食後、今度はザンビア側から見学するために、私達はジンバブエ国を1度出国し、ヘリコプターで見た国境の橋を車に乗って渡り、ザンビア国に入国した。冬とはいえ、午後の強い日差しの中でそれぞれの出入国管理事務所に行き、窓口に並んでパスポートに許可印を押して貰った。
現地の人たちは荷物を背負ったり頭に載せたりしてかなりの距離を歩いていた。両手に荷物を下げ、ハンドバックは首に下げて歩いていた女性も2人見かけた。鋼材を積んだ見た事がない様な大きなトラックが何台も通っていた。小学生も先生らしい女性と一緒に滝見学に来ていた。(下写真)観光だけでなく、国境を越えて仕事をしている人たちも多い様だった。
やっとザンビアに入国し、現地ガイドについて滝見学をした。
こちらの方が遥かに水量が多く、水しぶきはまるで強烈な豪雨の有様に思えた。
川辺の急流③デンジャー・ポイントでは、昨年3頭の象と2人の人が流されて死んだとガイドから聞かされた。滝壺のすぐ上の危険な場所なのに、柵もなかった。④レインボウフォールズの展望台では確かに美しい虹が掛かっていた。
ザンビア側の雄大な滝を目前にした時、私には、水の惑星・地球に生きる素晴らしさがこみ上げて来たのだった。
すべての展望台で見学し終わった時、滝と離れがたい気持ちに襲われた私は「最後にもう1度見させて欲しい。」とガイドに頼み、最初のデンジャー・ポイントで再び時間をとって貰った。そこで滝の最後の写真を撮った。
③ ④
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