ゴンドラを降りてから、広場に集まり、登山ガイド氏の指導の下、ストレッチ運動をした。
私には、片足ずつ後ろに上げて手で掴むことが難しく、日頃の運動不足と老いによる柔軟性の低下を実感した一瞬だった。
いよいよ登山開始だ。
しかしガスが出てきて、視界は10m位しかない。
気温は9度と低い中、1時間以上、ほとんど傾斜のない幅広い登山道をゆっくりと歩いて行った。
左右に背の高い笹薮が広がっているが、ほとんど平地に近い登山道は笹が綺麗に刈り込まれていて歩きやすかった。
ガイド氏が、「今日は大勢で歩いているので熊は出ないが、1人で歩いている時など、カーブの向こうで待ち伏せして突然出てくることがあるらしい。」と言っていたので、隠れている熊を想像してぞっとした。
見晴らし台に着く頃、ガスが切れて視界が開けた。初めて眼前に、目指す「余市岳」の雄大な姿とジグザグになった登山道が見えた。
その急峻さに私は登れるだろうかと、一瞬、不安になった。
写真の紅葉がある場所から一旦50m程下り、そこからいよいよ低い這い松に覆われた山へと登って行くのだ。
私はガイドに付いてゆっくりだが休まずに登って行った。
たちまち体温が上がって来て、心臓がバフバフし、一瞬気が遠くなるような感じにも襲われた。
30分程登った所で休憩した時、上着を脱いでリュックにしまった。涼しくなり、その後は比較的楽に登れた。
やっとケルンがある山頂らしき場所に着いたが、本当の山頂はさらに300m奥だった。
前を行く人が、登山道の直ぐ傍でシマリスを見つけた。
小さなシマリスが、夢中でエサを食べていた。迫っている冬に備えているのだろう。
また、そのあたりは、以前、山火事があったらしく、広範囲に白く枯れた這い松が痛々しかった。
ゴンドラの山頂駅出発後、2時間15分かかって、やっと「余市岳」の山頂に着いた。
山頂では這い松が20畳位の広さ、刈ってあった。
驚いた事に、既に何人もの人がいたし、私たちの後にも次々とやってきて、山頂は狭いくらいになった。
周囲を見渡しても、霧が立ち込めていて何も見えない。風も強いため、体感温度は4~5度に感じた。
頂上では20分の休憩時間が与えられたので、めいめい座って食事をした。 私は立ったまま、弁当に支給されたお握りを1つ食べた。
ガイド氏に頼んで、一緒に写真を撮らせて貰った。
帰路、山頂から2~3分程歩いた所で振り返ると、山頂のガスが晴れていた。
遥か左方に雲海に浮かぶ「羊蹄山」の頂上がうっすらと見えた。
「羊蹄山」は「余市岳」よりさらに410m高い標高1898mの独立峰で、山容が富士山にそっくりなため「蝦夷富士」ともいわれる山だ。
私は8年ほど前に1人で登頂したことがあるが、その山頂を一瞬望められて嬉しかった。
下りは粘土質の土とごろごろした石の道を、滑らぬように気を付けて降りた。
途中、みぞれ交じりの雨が少し降り、相変わらず濃いガスに覆われた。1時間50分で、ゴンドラの山頂駅に戻った。
キロロの立派な温泉ホテルで汗を流してから、またバスで札幌に戻った。駅に着いたら夕方5時になっていた。
登山中は気温が低かったので、水を少ししか飲まなかった。自宅から持って行った水が1L以上余ったので、全部、駅北口の噴水に捨ててから、JRに乗って家に戻った。
帰宅後は、とても充実した気持ちに満たされながら、ワインを飲んだ。
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でも、途中で、少しでも晴れてきて良かったですね。山は天候の良し悪しでほんとうに天国と地獄です。
私は以前、あの伊吹山でガスがかかっていたとき、結局バス停の近くでお弁当を食べて帰ってきたことがあります。
憧れます。
雲海、最高ですね☆
羊蹄山の山頂が見えるなんて格別ですね。
素晴らしいですね。思わず私だったらバンザイして
しまいますよ~。
健康でいられるうちに、したいことはすべきですよ。
私は、現在ツワァー旅行は自信がないので行けませ
が、個人旅行は行けると思うから、近場ですが行く
予定です(6月以来)
知らない場所で濃霧に見舞われたら自分の場所も周囲も分からなくなるから、それがもしも山なら絶体絶命に陥りますね。
今回は比較的はっきりした1本道だったし、ガイドもいたので安心でした。でも晴れてこその絶景が見られなくて残念でした。
sasayuriさん、こんにちは。
ゴンドラで一緒だった人達は、不思議と私程感動していませんでした。
ツアー登山は、何が何でも付いて行かなければならないから厳しいです。
本当はマイペースで行動できるのが1番なんですが、遠かったりして自分で行けない所は仕方がありません。
sasayuriさんも、近場で楽しんでいるんですね。
私も肺活量が普通の人の60%位しかないんです。でもマイペースでゆっくりと時々休みながらだと登頂できます。
支笏湖近郊の山からも、運が良ければ羊蹄山が見えますよ。
こちらは今朝4度と冷え込みました。
あちらこちらで紅葉便りが出ています。
いよいよ庭も冬支度です。
登山もたまだとさっぱり体力は付かず、辛いだけみたい。でも素晴らしい紅葉を見られて良かったです。