霜後桃源記  

安心、安全と美味しさへのこだわり
そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係

ささやかな「恩返し」

2014-04-02 20:55:20 | 家族
午後は赤荻の実家の畑に向った。
トラクターの自走で移動するのは片道15分ほどかかるので非効率この上ないが、放置すると雑草が
伸び放題になって始末に困るので止むを得ない。

実家の少し手前に中里の叔母夫婦が耕している10a程の畑がある。
昨年までは親戚のトラクターが遠い距離をわざわざ来ていたらしいので「ついでだからと私が掘る」と
約束していた。

純粋に自家消費用(9人家族)の畑だが、手入れが行き届いた立派な野菜をいつも育てている。
その主役となっている叔父の「生産意欲」は少しも衰えることが無いが、ここ数年で急激に動きが緩慢
になって来たのは87歳という年齢を考えたら致し方がないところ。


(北海道在住のオッちゃんから直輸入した行者ニンニクは地場産に比べると
 早く出荷できるのが強み。現在、産直で独占販売中)

私が高校生の頃、叔父は一関の畜産公社の責任者をしていた。
貧しい生活の中で、時々叔父の所から肉を買って来るのが「かなりの贅沢」だった。
事前に予約し、五百円或いは千円を持って自転車で肉を買いに行くのが私の役目だった。
いつも予約分以上の肉が入った包みを受け取ったが、叔父はその事を一言も話さずに渡してくれた。
不足分の代金を叔父が肩代わりしていたことに気付いたのは少し大人になってからだった。

元々無口な叔父はその事を今でも語ろうとしないが、食欲旺盛な成長期に身分不相応な肉を食べる
ことが出来たのは非常に有難かった。
今日のトラクターでの耕耘は、そんな半世紀前の「食の恩」のささやかな「恩返し」のつもりだった。
コメント
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