「野球は筋書きのないドラマ」とも言われているが、こんなドラマが最終回に
待っているとは予想だにしなかった。
相手は優勝候補筆頭の大阪桐蔭。
一般的に考えれば「勝てる相手」ではない。
しかし、佐々木監督率いる仙台育英も並のチームではない。
試合前、佐々木監督が「一点勝負に持っていけたら・・・」とコメントしていたという。
その目論見通りの試合展開になっていたので「この試合は必ず勝てる」と信じて応援していた。
(強打の桐蔭を1点に抑えた長谷川投手。ネットから借用)
1点をリードされた9回裏、3,4番が倒れ二死ランナー無しとなっても逆転を信じて疑わなかった。
しかし、ツーアウト1塁、2塁で次打者が遊ゴロを打ち送球を一塁手が捕球した時点では、さすがに
「終わった」と思わざるを得なかった。
だが、そこには予想もしないドラマが待っていた。
ベースを踏み違えた桐蔭の一塁手には気の毒だが「神の見えざる手」が動いたとしか言いようがない
ドラマの演出だった。
決勝点を叩き出したはずのヒーローに最後に「落とし穴」が待っていたのだった。
今日のミスは「一生の悔い」として引きずるかもしれないが、春夏連覇してテングになるよりもずっと
大きな「人生の教訓」になるはずなので「前向きに受け止めて欲しい」と願っている。
(逆転サヨナラに湧く育英ナイン。ネットから借用)
一方、サヨナラ打を放った育英の馬目に佐々木監督は9回裏の攻撃開始前に「必ずお前まで回るは
ずだからドラマのヒーローになれ」と動機付けしていたという。
「(名手)西巻の影になって日の目を見ていない選手がドラマの主人公になったのが一番嬉しい」と
佐々木監督は試合後のインタビューで答えていた。
試合終了後すぐに東京の息子から「凄いね」と電話があったが、感動で胸が震えていて言葉が出な
かった。