6月2日に紹介した久光良一さんの句集「泣かせ節」は既に購入済だったが
久光さんからも贈られて来て大変恐縮している。
著者は「妻の死を乗り越えて生きて来た三年に及ぶ過程の記録」とコメント
している。
妻にオンブに抱っこの私は「妻の死を乗り越えられる」自信は全くない。
今回の「著者謹呈本」は20年前に奥様に先立たれ、寂しい一人暮らしながら
も会社経営者として現役で頑張り続けている仙台のOさんに贈ることにした。
「酒は一合で足りてほろりと老いを横たえる」
「一合の酒でことたりて単純に生きている。」
呑兵衛は「久光さんも呑んでいる」と安心したりして・・・。
あとがき
令和二年三月に妻が急逝しました。その時に作りかけていた第四句集は
令和元年までの句をまとめたものでしたので、妻の死に関する句は載せて
おりません。したがってこの句集は、妻を失って一人になった男が、妻の死
を乗り越えて生きて来た三年に及ぶ過程の記録ということになってしまいま
した。
人生いつ何がおこるかわからないということ、そして何があっても生きて
人生いつ何がおこるかわからないということ、そして何があっても生きて
いる限りは、しなければならないことをしながら、前に進んでゆくしかない
ということがわかった三年間でした。
年齢も八十八歳、曾孫のいる歳となり、もう生きいきとした句を作ることも
年齢も八十八歳、曾孫のいる歳となり、もう生きいきとした句を作ることも
できなくなりましたが、なんとか年輪を感じさせる句が作れるよう、精進した
いと思っています。
自由律俳句は詩の極限です。私はその極限をきわめるためにも、生きている
自由律俳句は詩の極限です。私はその極限をきわめるためにも、生きている
限り詩情を持ち続けることをモットーにして、これからも探求を続けてゆくつ
もりです。
令和五年三月 久光 良一