さて、前回は有栖川有栖の「双頭の悪魔」の謎解きの拙劣さ(記述の)を嘆きましたが、現在表題を読み始めました。現在24ページ。なぜって小川榮太郎氏は89点という極めた高い評価を与えているのでドレドレと。
これはエンタメ部門に入っていますが、これはエンタメかな、というのが24ページ読んだところの印象です。夫のDVを逃れて家出した中年女性の逃避行らしい。
私が評価する基準の一つに読者としての自分がまったく経験したことのない場面の描写が何の違和感もなく興味深く読めることがあります。私は女性ではないし、中年の家出の経験もないし、ドメスティックバイオレンスの被害者でもないが、小説の記述に違和感なしに入って行ける。こういう小説は実際珍しいのですね。
この頃は若い女性、、中学生とか高校生とか、ひどいのは?幼女のトラウマを描いた小説があふれていて、かつ高い評判を得ているようですが、私はまったく疎外感を持つばかりで放り出してしまいます。あるいは男のガキ(同語反復かな)が暴れまわる話とか、まったく入って行けないのが多い。
それに比べて、この小説は興味を持って入って行ける。さて最後までこの調子でいけるかな。