#さて、ポジション・レポートは相変わらず下巻120ページあたりで停滞。そこで気を取り直して?最後にあるスタンダールの自著宣伝文と翻訳者の解説を読んでみた。
自著宣伝文は自作がイタリアで出版計画があり、自著宣伝のためにスタンダールが書いた文章を本文と同じ翻訳者が翻訳したものだが、普通は宣伝のために自著を解説すると、本文より分かりやすく書ものだろうが、この「赤と黒について」は本文の要約としては余計分かりにくくなっている。もっともこれは翻訳者に責めがあるのかもしれない。
しかし、結局イタリアでは出版されなかったそうである。
#この文章の後ろには翻訳者小林正の解説「スタンダール 人と作品」という付録があるが、わかりやすく言うと「読むに堪えぬ文章」である。そこで売り上げ記録を見ると、初版は昭和33年で令和元年までに88刷でている。いささか唖然とした。
日本人の読書レベルがそんなものかな、と思った。これを読むと本文の翻訳の質はどうなんだろうと疑問に思った。
そこで残りを最後まで読むかどうか迷っている。
#話は違うが本日中公文庫で谷崎潤一郎の「疎開日記」を買った。永井荷風が終戦末期に谷崎を訪れたというので買ってみた。読んで面白ければ後日紹介したい。