穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

奴婢遺伝子

2019-05-04 07:55:50 | 妊娠五か月

 生物界の頂点に立つ人間の遺伝子には進化あるいは淘汰の過程でマスクされた遺伝子があるに違いない。しかしマスクされないままに現代にいたるまで残っているものもある。そしてそのような遺伝子はマスクされた人間とそのまま残っているグループに分けられるものがある。それは主として祖先がどういうカテゴリーにあったかによるらしい。つまりルーツ探しの手掛かりになるかもしれない。

  人類の歴史で早くから人間に使役された動物に犬がある。使役の道具はこん棒である。ジャック・ロンドンの小説を読むと分かる。もっとも現代ではこん棒をふるって使役することはないが、こん棒に対する反応、恐怖心をみるとよくわかる。

  現代人で棍棒を持って市中をあるく人間はいないが、傘を持っていることがある。雨が降っていて傘をさしていれば問題ない。しかし、雨もよいで用心のために傘を手に提げていることがある。これを見て恐怖心を示し傘から遠ざかろうとする犬がいる。この種の犬には遠い昔の恐怖心遺伝子が顕現している。

  女性にはかなりのパーセンテージで類似の反応を示すものがある。地下道で壁際を歩いている場合、右手に傘を提げている。右側の通路にどんなに余裕があっても左側をすり抜けようとする女性が多い。中には後ろから突き飛ばして左側を強引に突破する乱暴で非常識な女がいる。今は大抵のところで左側通行を指示している道が多い。そして左側を歩くと、右利きの人は右手に傘を持つのは自然である。ところがスペースが数歩線の余裕のある右側を追い越さずスペースのない左側を突破しようとする女が相当のパーセントである。

  その場合もう一つ面白いのは、年配の女性にはそういう反応を示す人が少ない。加齢とともにそういう原始的遺伝子の発現はなくなっていくのだろう。また、女性でも子供にはまずいない。圧倒的にそういう遺伝子(と名付けるとすれば)を持っているのは若い女に多い。中学生高学年あたりからハイ・サーティ見当の職業婦人(OL)に多い。困ったものだ。生殖可能年齢帯で発現するものらしい。むかしハーレムでは棍棒で支配していたのかな。

 

 


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