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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



WJBLプレイオフ・ファイナル 第5戦
シャンソン化粧品対日本航空(代々木第2体育館)

死闘という言葉がふさわしい試合だった。3戦先勝で、今シーズンの女王を決めるプレイオフ・ファイナルは、2勝づつで最終戦を迎えた。

今日、2006年3月15日の第5戦、勝てば優勝という試合は、互いに波にのれないもどかしさばかりがつのった試合だった。選手の疲労も頂点に達していたのだろうが、なかなか決まらないシュートに、見るほうも疲れきった試合だった。だから、まさに「死闘」。

試合は、第4クォーター、残り3分で日本航空がついに追いつくも、結局、シャンソン化粧品が突き放し、57対54で勝利をおさめ、2連覇を達成した。

印象に残ったのは、シャンソンの永田、相澤、三木といったベテランの執念深いプレーぶりだった。彼女たちは、重くなっているはずの足を必死に動かし、少しでもリングに迫って、ゴールを決めようとしていた。女王の味を知っているからこそ、その座に対する執念も一層強くなるのだろうか。

昨年、同じ舞台でシャンソン化粧品に敗れた日本航空も十分に健闘した。この試合では、ベンチスタートながら、キャプテンの矢代に代わって、早くからコートに立った三井ががんばっていた。しかし、日本航空にしてみれば、なんといってもエースガードの薮内夏美の不調が痛かった。足の故障が完治していないと聞く。薮内が放つロングシュートは、とてもリングに吸い込まれる感じがしなかった。試合が進むにつれて、シュートを打たなくなった薮内。それとともに、日本航空というチームから勝利への執念を感じさせるプレーが減っていった。

女王を目指す日本航空に必要なのは、負けた悔しさを覚えることではなくて、勝った喜びを知ることなのだろう。シャンソン化粧品のベテランたちのプレーを見ていて、そう感じた。

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いま、ワールドカップと日本のメディアというテーマで原稿を書いている。ビバ!サッカー研究会の4冊目の本に載せるためだ。本当なら、1年前に出版していたはずなのだが、少し遅れてしまっている。しかし、なんとかドイツワールドカップが始まるまでに出版にこぎつけ、ワールドカップブームに便乗したいと考えている。

その原稿の中で、フランスワールドカップの後に、スポーツライターの増島みどりさんが書いた「6月の軌跡 98フランスW杯日本代表39人 全証言」についてふれている。そして、そのついでに、数年ぶりに読み返したら、もう、止まらなくなってしまった。

初出場とはいえ、3戦全敗に終わった日本代表や彼らを支えるスタッフの面々が、どんなことを思い、どんな気持ちで、ワールドカップに臨んだのか。39人に共通しているのは、ワールドカップに対するあまりに純真で一途な思い、そして感謝の気持ちである。W杯が終わって、しばらくたってから、ようやく選手たちが話し出した本当の気持ちがそこにある。

今夏のドイツ大会の後にも、このような傑作と出会えるとうれしいのだが。

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