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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



ベルリンのスタジアムで、“Three Lions”が聞こえてきたことに、ちょっと驚いた。

“It’s coming home, it’s coming home, it’s coming, football’s coming home …” という歌のことだ。

スタジアムで流れていたのは、ほとんど、このサビの部分だけだったが…。確かに、ノリはいいし、詞もシンプルだし、32年前に西ドイツでおこなわれたW杯が、ふたたび自分たちのところに戻ってきたという意味にもとれるので、観客を盛り上げるために選曲されたのだろう。

しかし、「サッカー・イングランド代表の公式ソング」を、ドイツW杯のスタジアムで流すのはいかがなものか。そう、この“Three Lions”は、1996年の欧州選手権イングランド大会のときに、イングランド代表をサポートするためにつくられた歌なのである。CDのジャケットには、“The official song of the England football team”とある。1966年のW杯イングランド大会以来のサッカーのビッグイベント、欧州選手権EURO96とともに、サッカーが母国イングランドに戻ってきたことを喜び、1966年のW杯優勝を思い出し、イングランド代表を勇気づける歌なのだ。

1996年欧州選手権の準々決勝、イングランド対スペイン戦。PK戦でイングランドが勝利した後に、かつてのウェンブリー・スタジアムが“Three Lions”の大合唱となったことを思い出した。そして、まさか、ドイツ対アルゼンチン戦を控えたドイツのスタジアムで、この歌を聞くとは思わなかった。

“Three Lions”は、翌日のイングランド対ポルトガル戦の会場でも流された。今度は、ちょっとイングランドにひいきが過ぎるのではと思った。はたして、当のイングランドサポーターはどんな気分だったのだろうか。イングランド、シェフィールドから来ていた隣の親子に、感想を聞いておけばよかったな、と、今さらながらに、後悔している。


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ドイツW杯で、アジア地区代表のチームはすべてグループリーグで敗退した。なお、オーストラリアは、現在、アジア・サッカー連盟に所属しているが、ドイツ大会にはオセアニア代表として出場した。アジアのサッカー・ファンが心配するのは、次回2010年南アフリカ大会の、オーストラリアを含むアジア枠が、今回の4.5よりも少なくなってしまうのではないかということだ。そして、このアジア枠問題は、FIFAにとっても悩ましいことだろう。ただし、FIFAにとっては、アジア枠が減ることによって、中国や日本といった巨大なサッカー市場をもつ国が、本大会に出場できなくなる可能性が高くなることが問題なのだ。

次回のW杯はアフリカ大陸で開催されるが、アフリカの市場性はまだまだ低い。とりあえずは、アジアの、とりわけ中国、日本、韓国のサッカー・ファンを、ひとりでも多くW杯に囲い込みたいはずだ。ドイツ大会の公式サイトに、中国語、日本語、韓国語版が用意されたのも、その表れだろう。

今大会、グループリーグの日本戦では、公式パートナーの“AVAYA”が、英語表示のロゴと「日本アバイア」という日本語表示が並んだ広告看板をピッチサイドに掲げていた。また、公式アルコールドリンクである「バドワイザー」も、準々決勝から“Bud”と並べて「百威」という中文(中国語)表示の広告看板に変えた(写真)。世界中が注目するW杯のテレビ中継に映る広告看板に、ほとんど日本人や中国人しか理解できない表示を出したのだ。日本人や中国人を対象としたピンポイント作戦である。それだけ、FIFAのスポンサーにとっても、日本や中国が市場として魅力的だということだ。

FIFAやFIFAの公式パートナーにとって、中国や日本のサッカーの実力が、その経済力ほどに強くなってくれないことが、大きな悩みであるにちがいない。

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