行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

可能性は示すも勝利はならず。新シーズンはドロー発進  鹿児島ユナイテッドFC戦

2016-03-14 23:47:09 | カターレ富山
0-0でドロー。
三浦新体制の下、昨季成し遂げられなかったJ2復帰を今度こそ遂げるため、覚悟を胸に臨むこととなった今シーズン。
その行方を占う上でも負けられない、いや、勝つしかない開幕戦であったのですが・・・結果は、スコアレスドローで開幕勝利は飾れませんでした。
ただでさえ今季初の公式戦。探り探りの試合となってしまうのも無理からぬこと。加えて、相手は今季初参戦のJ3に昇格したての鹿児島。経験値の差から「勝って当然」という見方もされるプレッシャーの中での戦い。簡単ではない状況であったことは想像に難くありません。
ただ。
それらを踏まえてなお、勝たねばならなかったのが・・・勝つことを宿命づけられ、その覚悟を勝利という結果で示さねばならないのが、今季のカターレ富山であって。
その意味では、勝てなかった、勝利のための得点を挙げることが出来なかった、結果的に無失点だったとはいえ、ピンチも少なくはなかったという事実は、やはり重いです。
勝てませんでした、結果を出せませんでした、では済まないのが、今季のカターレ富山であって。
敗戦という最悪の結果でこそなかったものの、勝ち点1を素直に喜べない――ーそんな開幕戦となりました。

サッカーどころ・鹿児島県に、悲願のJクラブ誕生。その初戦を初勝利で飾るべく、全力をもって開幕戦に臨んできた鹿児島ユナイテッド。
そこに立ちはだかり、Jリーグの厳しさを叩き込んでやるのがカターレの役割であったはずですが・・・まんまとやられて咬ませ犬に堕することこそなかったものの、それでも。勝たなばならない試合であったのは言うまでもないとして、実際に勝てる試合でもあったところを取りこぼした、という印象もまたぬぐえないのであって。
もちろん、新生カターレの初戦であって、いきなりなにもかもがうまくいくというのも虫のいい話かもしれません。決してうつむく内容ではないものの、やはり、勝って胸を張りたかったところを果たせなかった、という思いはあります。

三浦監督がどのような編成で今シーズンを戦おうとしているのかの、いわば試金石とも言えたこの開幕戦。やはり、新戦力も加わったことで昨季とはまた違った印象のメンバー構成となりました。
GKには登録3人のうちで最年少の永井を抜擢。DF4人のなかでは、國吉と平出は去年からの鉄板メンバーとして、三上をDF起用、新加入の代が初スタメンとなりました。
4-3-3の中盤を担うMF3人はいずれも新加入選手。前所属が徳島ヴォルティスの衛藤と窪田に加え、ルーキーの脇本が初出場初スタメン。そしてFWとして進藤、北井、苔口の3人が名を連ねました。
監督の目指すところの「パスを主体としたコレクティブなサッカー」ということに関しては、選手それぞれが意欲をもって取り組んでいること、実現していこうという姿勢がプレーの端々から伝わってきました。とりあえず、という消極的なパスではない意図してのパスであったり、相手に詰め寄られても簡単にはボールを明け渡さないぞ、という姿勢であったり。

スタメンの中でも目を惹いたのが窪田の存在感でしょうか。中盤の底、アンカーのポジションで奮闘。守備でのカバーリング、攻撃への切り替えの起点と、精力的に動き回っていた姿が印象的でした。
そしてやはり、衛藤。ボールを持った際の冷静さはさすが、といったところ。守備時に献身的に味方をフォーローする、コーチングするといったことをきちんとやっていた一方で、「あれ?なんでそこに?」というくらいにいつのまにか攻撃参加に上がっていたり。そのタフネスぶりは、間違いなく新チームの武器であることを確信しました。
昨季の不振、結果が残せなかった要因の大きなものとしては、中盤選手がうまく機能せずに攻撃に勢いを出すことができなかった、というものがあります。
まだ1試合で判断を下すのは早計ではありましょうが、それでも。昨年とは違う、目指すサッカーを実践するためにプレーしている、というところが感じ取れたのは収穫であったかと。
一方で、まだ進化途上ということもありましょうが、自分たちのミスからピンチを招く場面もあったり。そこでパスミスをしなければ、とか、なんでそこでフリーで蹴らせてしまうのか!といったところとか。相手の決定力がもう少し高かったら零封できていなかったのでは?というのが正直なところ。
とはいえ。それらは、やろうとしているサッカーを目指している中で現時点では至らなかった、という点。方向性が見えず、ただ単にラッキーで無失点だっただけ、ということではなく。昨年と比べたら、そのあたりの違いは、やはりあったかと。
むしろ、もう少しどうにかならなかったのか?という意味で言うなら、攻撃面のほうでしょう。
前半、流れはカターレ側にありました。そして、進藤のポスト直撃という惜しい場面もあったりと。
ただ、そこで決めておきたかった。チャンスで決めきれないと主導権を譲ってしまって相手ペースになってしまう、というのはサッカーの常ですが、まさにそういった感じで。
引いて守る相手をこじ開けて決める、というのは容易なことではないでしょうが・・・そこで「それでもなお」と決めていくことができるかどうか。
この試合に関しては、出来ませんでした。後半に至っては、わずかシュート1本。一朝一夕でどうにかなるものではないですが、それでもやはり。
決めるべき時に決められず、それが勝ち点を奪えない結果につながってしまった―――昇格を逃した昨季、嫌というほどあじわってきたシチュエーション。
ただでさえ昇格を目指すには昨年よりも厳しい状況の中にあって、そのあたりの改善がなくては同じことの繰り返しでしかないでしょう。
とはいえ。フィニッシュにまでなかなか至れなかったとは言うものの、昨年はそこに至るまでに、まずつなぎの部分で躓いていました。速攻に行くべき場面でモタモタしてしまったり、いたずらに攻めあぐねて相手に守備の余裕を与えてしまったりなど。
それに比べたら、兆しのようなものは、見て取れます。精度を高めていったならば内容も改善していくであろう、という部分が。
そのあたりの課題をしっかり克服し、いかにネガティブ要素をポジティブ要素へ変えていくかが問われます。

プレッシャーのかかる開幕戦、しかもアウェイで勝ち点1を掴んだのは良し、と捉えることもできましょうが、どちらかと言えば勝ち点2を失った、という割合のほうが大きいような。
決して悲観すべき内容ではなく、可能性は感じた。けれども、だからこそ勝っておきたかった試合とも言えます。
「次に繋げたい」とか「反省を活かして次に頑張る」なんて言い方もよくされますが、あまり好きではありません。
次はあくまで次であって、取りこぼした勝ち点を取り戻す手段は無いのだから。
「次に繋げたい」というのは、勝った後で言う言葉。
狙うのは、あくまでも優勝なのであって。
やはり、勝たねば。
結果を残さねば、絵に描いた餅。
次、ということで言うなら、次はホーム開幕戦。勝たねばならない理由しかありません。
まだ実力の半分も出ていなかった、というこの開幕戦を経て、なにができるか。
結果で証明していくよりほかないかと。

今年もまた、シーズンが始まりました。