7月10日にアウェイで行われた第15節・鹿児島戦以来、実に7週ぶりの試合となるシーズン後半戦の初戦。ホームで藤枝を迎え撃ちます。
ホーム戦に関して言えば、岩手戦以来8週ぶり。2か月近い、本当に長いインターバルでした。
その間、世間では1年遅れの東京オリンピックが開催されていたり。
同勝ち点で2位につけていた福島に選手の不正出場問題が取り沙汰され、2-0の勝利であった試合がペナルティで0-3負け扱いとなり、一気に6位まで順位を落としていたり。
カターレにあっては、14日にファン感謝祭が開催される予定であったところ、大雨の影響で延期を余儀なくされてしまったり。
そしてもうひとつ、忘れてはならないのが新加入選手。
先に発表されていたマテウス、中山に次ぐ3人目の補強として、V・ファーレン長崎から期限付き移籍で鹿山 拓真がカターレの一員となることとなりました。
・・・と、振り返ってみれば、そこそこいろんなことがあったような気もしますが。
それでも。
やはり、長かった。いわゆる、ロスという期間が。
再び始まる、2021シーズンJ3リーグの戦い。
春先のシーズン開幕戦のそれと違うのは、カターレが首位という状態からのスタートであるということ。
もちろん、僅差も僅差の大混戦でたまたま先頭に居るだけ、とも言われるかもしれませんが、それでも。
目指すべき悲願成就に向けて、また立ち向かっていくためには。
まずは、後半戦の初戦を勝利で飾らねばならないことは、言うまでもありません。
久しぶりの公式戦、相手は藤枝。
シーズン前半戦は3勝5分け6敗で11位。この中断期間で監督交代を敢行、須藤 大輔新監督を迎え、巻き返しを期しています。
ごく私的な印象ではありますが・・・正直言って、藤枝が振るわずに11位に居ることが、とても意外です。
なぜなら、前半戦の対戦14戦で、いちばん強かった印象があったのが藤枝であったから。
え?0-4でボロ負けした長野のほうが強かったんじゃないかって?
確かに長野も強くはありましたが、あの試合の最たる敗因は、カターレの側が自分たちのサッカーが出来ていなかったから。負け惜しみにしか聞こえないでしょうが、本来のポテンシャルを十全に発揮出来ていたならば、同じ結果にはならなかったかと。
長野の上昇気流のエアポケットにハマり込んでしまった、というかたちであったように思われ。
話を戻すと。
チームとしての攻撃への姿勢、各選手の攻めへの意識がとても洗練されていた感のあった藤枝。
見ていて、「これはヤバいやつだ」というプレッシャーがありました。プレーの端々から感じ取れる真摯さというか、点を獲る!という意識に関しては、こちらも見習わなければならないほどであったかと。
試合後半途中で雷による中断、そしてPKによる同点と、藤枝から見たならば、勝てた試合を落とした前回対戦であったかと。
そして迎える、リターンマッチとなる今節。
新監督のもとで、首尾よく首位撃破によって初陣を飾れたならば、藤枝にとって絶好のスタートとなること請け合い。
この長い中断期間、富山対策にも充分な時間があったはず。ともすれば中2日や3日で次戦ということもあるリーグ戦にあって、またとないチャンス。混戦の今季J3にあっては、11位とてあきらめるほどの差では全くないなかで。相手にとって不足なし、必ずや打倒富山を成し遂げてやるぜ!と、気合を入れて乗り込んでくることかと。
迎え撃つ立場の、首位カターレ。
それでなくとも勝たねばならない、今季いまだ無敗のホームゲーム。返り討ちにせずしてなんとするか。
たとえ僅差であったとしても、何の理由もなく首位に居るわけではない。運や偶然、ラッキーだけで首位に居るわけではないと。
積み重ねてきた実績は、ここまで今季J3で最も成功しているチームである証であると、勝利によって示さねばなりません。
昨シーズンまで藤枝を指揮していた石﨑監督。知っている選手も多いなかで、ゆめゆめ過小評価などしないでしょう。
それは、前藤枝3人衆にとっても同じこと。昨シーズンの自分たちがどうであったかの思いを重ねてみれば、藤枝がどういう意気込みで首位撃破を期して富山に乗り込んでくるか、窺い知れようというもの。
だからこそ、負けられない。勝たねばならない。
自分たちの決断が正しかったということーーー藤枝を離れることを決めた一方で、カターレ富山というクラブを選んだことに間違いはなかったと。それを、勝利によって示さねば。
古巣対決に挑む前藤枝3人衆の活躍に期待するのは当然として。
個人的に期待したいのは、柳下の活躍だったりします。
降格以来、今シーズンで7年目となるJ3を戦うカターレ。前半戦を首位ターンとしたのは初めてですが、振り返ってみれば、それに近い戦績であったことはありました。
2017シーズン、前半戦を昇格圏の2位でターン。
その間、僅か2敗。内訳は、当時新参チームであった沼津、そして長野。今シーズン新参チームの宮崎、それと長野に敗れていることと、奇妙に符合していたりもしますが。
そのシーズンの、この時期、花火の上がるホームゲームのことでした。
FC東京U23と対戦し、後半に柳下のゴールで先制に成功。あとはいかに試合を〆て勝ちきるか、という試合でした。
勝てば秋田を抜いて首位浮上となる大事な試合で、勝たねばならない理由しかなかったなかで。
・・・しかし。
試合終了間際に立て続けに失点、痛恨の逆転負けを喫してしまったのでした。
交代で試合を退いたあとでの逆転負け、ヒーローになり損ねた柳下。
そして・・・その敗戦が、はじまりでした。
そこから坂道を転げ落ちるように不振に苛まれ。優勝争いをしていた秋田が後半もその座をキープして初優勝を遂げた一方で、最終的に8位にまで順位を落とす転落ぶりでシーズンを終えることに。
さらにその転落は年をまたいでも止まるところを知らず、2018シーズンはゴールデンウイークには最下位にまで落ち込み、史上最悪の状態。監督交代の憂き目に遭ってしまったのでした。
あれから年月は流れ。当時を知る選手も少なくなりましたが。
だからこそ。
あのときの無念を知るからこそ。
あの悔しさを、繰り返すわけにはいかない。断じて。
それでなくとも、上位は僅差の団子状態。勝たねばならないことは、明らかであって。
あの時とは違う、なぜならば、今年は優勝するからだーーー当時を知るからこそ、柳下にはその証人となってほしいです。
チームを勝利に導く活躍でもって、優勝にかける意志をみせつけてほしい。そう願います。
大混戦の上位争いにあって、首位に立つとはいえ、その差は僅か勝ち点1差でしかないカターレですが。
しかし、それでも。
ちょっと前の福島と同勝ち点の状態であれば、話は違ったのですが。
その勝ち点差1は、絶対のもの。
勝って、勝ち点3を積み上げたならば。なんぴとたりとも、カターレの首位を覆すことはできません。
要するに、「勝てば、負けない」
カターレが、首位であること、優勝にふさわしい強さをしっかりとみせつけることができるなかにあっては、どのチームもそれを阻めないということ。
それが、首位に立つチーム。
だったら。
首位にふさわしいチームであり続けようではないかと。
他クラブもそれを認めざるを得ない、そんな力をみせつけるチームであり続けようではないかと。
まずは、この後半戦初戦・藤枝戦。
巻き返しを期す相手の挑戦を跳ねのける、強さを!
待ちわびたホームのファン・サポーターに、「待ってて良かった!」と笑顔と歓喜を届ける勝利を!
中断期間にリセットなどされない、むしろ洗練された強さをみせつけろ!!
再び走り出す優勝への道、快勝でもってリスタートを!!
勝たれ!!!富山!!!!!