いよいよ2023シーズンもラスト1試合。「次」は、もうありません。
泣いても笑ってもこの試合の結果で全てが決まる、極限の状況で迎えることとなる今節。
勝つことで、昇格の可能性を現実のものとするために。
ホーム最終戦にしてシーズン最終戦、YS横浜を迎え撃ちます。
2014シーズンをもってJ2から降格、翌2015シーズンより挑戦し続けてきたJ2復帰。それが何を意味するかは・・・今シーズン9度目の挑戦をしていることが全てでしょう。
これまでも、終盤戦にまで上位にくらいついていったシーズンはありました。
けれども。
最終盤には、シーズン最終戦を待たずに復帰失敗が確定。その可能性が潰えてきました。それは過去8シーズン、1度の例外もなく。
ずっと、失敗し続けてきました。
そんななかで。
残り1枠をめぐる事実上の一騎打ち、勝ち点2差・鹿児島の敗戦とカターレの勝利が条件と、いささかばかり厳しいものではあるにしても。
それでも、可能性を残して最後の1戦を迎えること。それはすなわち過去最大のチャンスにほかなりません。
たとえキツイ条件と言えども、それは不可能を意味するものではなく。
結果次第で、悲願成就につながる。それは、確かです。ゆるぎない事実です。
ホームで迎え撃つは、YS横浜。
3月に今シーズンの開幕戦として対戦して以来、最長のインターバルとなる再戦となります。7月のうちに2度対戦、2連敗を喫してしまった鹿児島戦の屈辱を思うとき、この約9か月という最大の間隔が、いかなる作用をもたらすか?というところですが。
前回対戦は、前半終了間際のアディショナルタイムに松岡のクロスを駿太が頭で合わせて先制、後半にも吉平が追加点を加えてリードする展開。終盤に元日本代表・松井 大輔のゴールで詰め寄られたものの、しっかりと逃げ切って勝利。シーズン開幕戦を白星で飾り、アウェイでのYS横浜戦不敗記録を今年も更新したのでした。
お互いに言えることですが、開幕戦と今節・最終戦とでは、スタメン編成も大幅に異なります。なにより、1シーズンを通して積み上げてきた実績がものをいうことでしょう。
2014年J3設立時のオリジナルメンバーでもあるYS横浜。かつては下位常連といったクラブでしたが、近年では中位、さらに上位を目指していこうというスタンスに移行しつつあります。
特に今シーズンからは、「地獄の蓋が開いた」ーーーJFLとの入れ替えも導入されたからには、これまでのように「たとえ下位でもチームとして成長できれば」などと悠長に構えてなどいられない、と。
実際、全20クラブの今季J3にあって、およそ半分がシーズン途中の監督交代を敢行。YS横浜もそのひとつとなりました。
9月にそれまで指揮を執っていた星川 敬監督に代えて、琉球で監督を務めていた倉貫 一毅氏にスイッチ。
監督交代が必ずしも浮上につながるとは限らないなかにあって、この交代はYS横浜にとっては「当たり」であったようで。
倉貫監督が指揮を執って以降は13試合で8勝1分4敗。7試合を完封して計10失点。同期間の比較では、カターレの戦績を上回ってさえいます。
ホーム最終戦となった前節・長野戦も、まさに監督交代効果を体現、粘り強いプレーを見せた試合であったかと。
0-0で迎えた70分、元YS横浜の船橋 勇真がかつての本拠地で恩返しゴールを決め、長野が先制。
しかし、そのままでは終わらず。
試合終了間際の90+1分、今シーズンからYS横浜に加入した元カターレの萱沼 優聖が値千金の同点ゴールを挙げ、ドロー決着に。
そのまま敗れていたならば順位が入れ替わっていたところ、土壇場で阻止。ホーム最終戦を勝利で飾ることこそできなかったものの、意地を見せる結果となったのでした。
萱沼と言えば・・・昨シーズンの終盤戦、当時所属していた八戸で、実質的にカターレの昇格の可能性にとどめを刺した、試合終了間際劇的決勝ゴールを思い出さざるをえません。
もちろん、今節の対戦でも元カターレ選手の県総凱旋として拍手は送るでしょうけれど。勝負は、また別の話。
鹿児島時代、八戸時代、そして今度はYS横浜でも恩返しゴール?さすがにそんなのは願い下げというものです。
過去の対戦では、通算14勝3分け1敗という圧倒的な戦績となっている対YS横浜戦。
福島、長野、鳥取と、カターレのJ3初年度から連続して対戦し続けているクラブは他にもありますが、それらと比べても、ちょっと信じがたいレベルの戦績とも言えます。
相性というものも、もちろんあるのでしょうが。それでも、ここまで偏るものかと。
確かに、5得点を奪って圧勝した試合もあった一方で。3点を先行されるという大ピンチを覆して4点獲って逆転勝利、なんてにわかに信じられない展開で勝った試合も。それも2度も。
だから今節も大丈夫・・・と言いたいところですが、さすがに楽観はできないし、してはならないでしょう。
この試合に昇格がかかっているのはカターレ側だけではあっても。YS横浜側にしても、2021年の8位を上回る過去最高位でフィニッシュする可能性がある以上、消化試合として流す気などさらさらないことでしょう。
それでも。
相手がどうあれ。カターレのやるべきことには、なにも変わりはありません。
勝つことに、全身全霊をかけること。
鹿児島の結果次第という面はあるにせよ、カターレが引き分け以下になれば無条件で昇格を譲ってしまうことで決着するからには。
勝たねばならない理由しかありません。
前節、クラブ最多記録の6ゴールを奪って大勝、昇格の望みを今節の最終戦までつなげたカターレ。
もしも仮に負けていたとしたら、今節を待たずに失敗が確定しているところでした。
実際、2試合連続無得点で2連敗と、嫌な流れはあったわけで。それを引きずって3試合連続になる可能性も、決して無かったわけではなく。
けれど、プレッシャーに屈しなかった。屈しなかったどころか、自分たちの限界を超えるパフォーマンスでもって、希望をつないだ。
ホーム最終戦として迎える今節。可能性を繋いでいることは、ファン・サポーターにとっても、これ以上ない応援モチベーション。
鹿児島の結果がどうなるかはさておくとして。重要なのは、前節の勢いそのままに積極果敢にプレー、それを勝利につなげること。それ以上でもそれ以下でもありません。
期待したい選手、ということですが・・・もちろん対YS横浜のスカウティングはしているでしょうが、ことここに至っては、最終戦に至っては、小手先の策を弄するよりも、これまで積み重ねてきた経験と実績を信じてベストを尽くす以外にないかと。
というわけで、前節のスタメン全員を推す、というかたちで。
開幕直前になって加入が発表されたGK田川にとって、YS横浜との前回対戦がプロ初出場にしてJデビュー戦となりました。それ以来、正GKとして活躍を続けてきた今シーズン。J1のマリノスからJ3のカターレへ、その挑戦がサッカー選手としての成長を促したことは間違いなかろうと。シーズン集大成としての、最終戦勝利へ。2試合連続無失点フィニッシュ、大いに期待したいです。
チームでも古株のひとりである今瀬。ずっと願ってきた昇格が、目の前にあります。
前節、素晴らしいキレでもって相手をシャットアウト、攻勢を防ぎ続けた活躍ぶりを、今節も引き続きよろしく!
今シーズンは多くの試合でゲームキャプテンを務めていた大畑。出場を続けること、結果を残し続けることの難しさ、そして重要度というものを、再確認するシーズンとなったことかと。
前節は、前所属クラブであった宮崎に勝利。移籍せずに宮崎で続ける選択肢も無かったわけではないでしょうが、富山移籍を選んだのは、ひとえに昇格争いをするクラブでのプレーを臨んだが故。そして、まさにその実現が間近。だったら、叶えるしかないと。
右SB・大山。カターレでは長く柳下がレギュラーであった同ポジションですが、いまや大山を代理・穴埋めなどと評する者もいないことかと。
前節も先制ゴールにつながるアシストを記録。その積極性は、最終戦にも必要です。
大卒2年目、飛躍の年となった安光。なんなら、前年比でチームでいちばん成長した選手ではなかろうかと。
シーズン序盤の起用当初は、危なっかしいプレーがあったりもしたものの。それが経験を積むに従い、しっかりとレベルアップ。プレーの確実性が、当時とは段違い。
ならば、今シーズン集大成の今節、勝つしかないでしょうよ。
チーム生え抜きの末木に、J3だけでなくJ2のレベルでのプレーをしてほしいと願うのは、自然なことでしょう。
末木のほか、安光、ヨシキの大学時代の恩師であり、現在はトップチームコーチである長山コーチ。彼が現役時代にプレーしていたJ2の舞台に戻すことこそ、恩返しというものでしょう。
2連敗してしまったのはシルバがいなかったから、なんて短絡的な言い方は良くないとは思いますが、それでも。前節のプレーぶりを見るに、やっぱりいてよかったよ、と感じたのもまた、偽らざるところで。
その柔軟性に富んだプレーでもって、大一番の勝利に貢献してほしいです。
前節の大量点の口火を切る先制点を挙げた伊藤。大卒ルーキーとしての今シーズンでしたが、やれるという手応えが確信に変わっていったのではなかろうかと。
持ち前のスピードでもってゴールに迫るシーンを、何度だって見たいです。
駿太に託された背番号8を背負い戦ってきた松岡。いまやチームの主力として、相手チームからも警戒を怠ってはならない選手とされていることかと。
負けん気、アグレッシブさという彼の長所がカタチとなったような、前節のダメ押し6点目ゴール。今シーズンここまで3ゴールがいずれもアウェイ。ならば、ホーム最終戦で2試合連続ゴールとして魅せてもらおうじゃないかと。
前節はハットトリック達成という大暴れ、間違いなくマンオブザマッチという活躍でヒーローとなったマテウス。PKのキッカーの座を巡って吉平とひと悶着というシーンもあったけれど、それもこれも、チームの勝利を思うが故。その責任を、しっかりと、最高のかたちで果たしてくれました。
2試合連続ハットトリック、別にやっても一向にかまわないですよ?むしろやってくれと。
そして。
既報の通り、今節を最後に現役引退を表明している駿太。最後の雄姿、しかと目に焼き付けねばなりません。
昇格という悲願成就を置き土産に引退の花道をーーーそんな理想の展開を、願わずにはいられない。
もちろん、相手あってのこと。鹿児島の勝敗をどうこうすることはできないにせよ。
それでも。最終順位がどうなるか、昇格の行方がどうなるかとは別のところで。
自分たちの頑張り次第でどうにかなる部分として、最終戦は勝たねば嘘でしょうよ。
地元を愛し、カターレ富山というクラブを愛した駿太のラストマッチには、勝利で花を添える以外は、無い。負けて落ち込みながら送り出す、なんてあり得ないでしょう。
シーズン開幕戦で初ゴールを挙げたのが駿太。ならば、この最終戦で勝利をもたらすゴールでもって〆るのもまた駿太・・・アリだと思います。是非に!
さて、いつもよりも長く書き連ねてきましたが。
最終戦ーーー勝つか負けるか、じゃない。いかに勝つか、ただそれだけ。
引き分け以下で自ら道を閉ざしてしまうことなど、断じてあってはならないのだから。
たとえ鹿児島有利と言われても、絶対ではない。これまでの積み重ねによって、可能性を繋いできた。それを、最良のかたちで帰着させるために。
いまこそ、カターレ富山のこころをひとつに。
泣いても笑っても、最終戦。
この「泣いて」は、悔し涙じゃない。うれし涙を意味するんだ。
勝って、泣け!
勝って、笑え!
クラブ史に残る特別な一戦、勝利で歴史に栄光を刻め!!!
Back to J2!!
勝たれ!!!富山!!!!!