1-1のドロー。
勝利しながらも得失点差で昇格を逃した昨シーズンの最終戦より、およそ3カ月。あの無念を晴らすべく臨んだ新シーズンのホーム開幕戦。
前回対戦では敗れている奈良とのリベンジマッチでもあったこの試合、勝利がマストであったものの。
お互いに今季初勝利を目指していたなかで、相手の攻勢に対して用意していた策がハマらず苦戦を強いられることに。そのうちに先制を許してしまい、追う立場に。厳しい状況に晒されました。
しかし、それに屈しなかった。勢いを盛り返した後半に、同点ゴールを挙げて試合を振り出しに。
ただ、逆転までは至らず、3戦連続ドロー。今シーズン初勝利は、またもお預けとなったのでした。
開幕1週間前のプレシーズンマッチとして開催された金沢スタジアムオープニングマッチが、2月とは思えないほどの好天に恵まれたなかでの試合でしたが・・・そのカウンターとでも言うのか。
冷たい雨に晒され続けたYS横浜戦、四国は香川県にもかかわらず雪が舞い散っていた讃岐戦に続いて・・・いかに北陸・富山県とはいえ、1か月前の2月9日ならばいざ知らず、なんで3月9日でスタジアムが雪に覆われねばならんのか?と。
昨年夏のアウェイ奈良戦では、公式記録で32.7℃、体感的にはもっと暑かったなかでの過酷な試合となりましたが。
うって変わって、この日のホーム奈良戦は4.0℃。吐く息も白い、真逆の意味で厳しいコンディション下での試合に。
それでも、スタッフ・ボランティアの献身的な除雪作業の甲斐もあり、ピッチサイドに雪だまりを残しつつも試合開催に支障のない状態に。ありがたいことです。
時折晴れ間も見えながらも、ときに風が吹きつけ、ときに吹雪・・・待望のホーム開幕戦は、なんとも目まぐるしく状況が変わる中での試合を強いられることとなったのでした。
スタメンは、ほぼ前節のメンバーを踏襲していたなかで。目を惹いたのが、陽次のスタメン起用でした。
リーグ最少失点であった奈良の昨シーズン。続投のフリアン監督の下、今シーズンもまた良い守備からの良い攻撃、というスタンスを踏襲しているだろう、というなかで。
中盤でのポジショニングセンスの良さ、そこからのパス供給など、陽次の特色を活かしたプレーでもって、チームの活性化を図ろうとする意図が見てとれました。
特に、開幕以来ショウセイの好調ぶりが目を惹くなかにあっては。しっかりと中盤を支配し、有効な攻撃に繋いでいくことこそが勝利への道であろうと。
・・・しかし。
結論から言えば、その思惑は外れてしまうことに。
決して陽次のプレーが悪かったという意味ではなく。ただ、戦術的な意図と実際の相手の動向が噛み合わなかった、というか。
予想に反したかたちで、中盤勝負とはならなかった試合展開。
ショウセイ、吉平らの前線メンバーの抜け出しを警戒しつつ、しっかりとブロックを作って、守りを徹底してきた奈良。
なかなか自分たちのパターンに持ち込めずに手を焼くカターレをよそに、しっかり守るその守備から攻撃へ、という連携を重視した奈良。
一方で、組み立て直すカターレにプレッシャーをかけて、攻撃の起点のところからリズムに乗せない、という姿勢も徹底。なかなかにストレスのたまる展開が続くこととなりました。
前半はそんな状況をなかなか打開できないままに、耐える時間帯が続きましたが・・・そんな中で迎えた、41分でした。
自陣左サイド・ペナルティーエリア外の45度といったところで、ファウルからFKを献上。俗に言うところの「嫌な位置からのFK」というヤツでしたが。
一旦ゴール前を横切ったところ、その折り返しを蹴り込まれて失点。先制ゴールを許すこととなってしまったのでした。
奈良の大卒ルーキー・FW百田 真登による、開幕戦に続く今季2得点目。同期に当たるショウセイとは、同じFWとして今年から始まるプロキャリア、これからも争っていく選手となっていくのではなかろうかと。
奈良にとっても、今季初勝利がかかった試合。期待のルーキーの先制ゴールに、遠くから駆け付けたならサポーターたちも、雪の残るアウェイ側スタンドで沸き立つことに。
前節・讃岐戦は、前半戦を優位に進めながらも得点ならず、後半戦は巻き返されてピンチを招きつつも、しのいでスコアレスドローという試合でしたが。
上手くいかないときにも、しっかりとプレーして立ち直ることーーーそんな今節の課題というものを、先制点を奪われてしまうかたちで、ザックリと突きつけられてしまうことに。
それがクリア出来ねば、待つのは前回対戦に続く奈良戦連敗でしかないぞ、と。
そんななかで。
反撃の一手として、後半開始時にこの試合ではスタメンを外れていた松本を投入。反攻体制を整えることに。
すると、この策が奏功。
前線で当たり負けしないフィジカルでもってボールを収められる松本の存在感は、やはり大きく。徐々にカターレの側に攻撃のリズムが出てくるようになりました。
奈良のフリアン監督は、就任1年目だったJFL時代、当時FCティアモ枚方に所属していた松本のプレーぶりを見ていたそうで。その後経験を積んだ彼と、J3の舞台で再びまみえることに。相手チーム選手ながらも、思うところもあったということでしょうか。
前半通りにはいかないぞ、ここから反転攻勢だ!奈良にそんな決意をぶつけていくなかで、交代で松岡を投入、坪川が退いたボランチにはヨシキが回るなど、反撃体制を着々と整えていくなかで。
60分、川上から松岡、さらに安光と右サイドを繋いでいく流れの中で、安光のクロスにショウセイがヘディングシュートを。ミートせずにこぼれたところ、相手守備を背負った松本がスルーすると、ボールはフリーとなった吉平に。そこから冷静に蹴り込み、ゴール!
今季ホーム戦初ゴールは、今シーズンのキャプテンに就任した吉平によってもたらされました。
寒さもなんのその、同点ゴールに沸き立つカターレファン・サポーター。負けるわけにはいかねぇ!ここからだ!
72分にはマテウスを投入、勝ち越しを狙うカターレ。
その直後、74分には末木のマイナス方向へのグラウンダーのクロスを松岡がミドルシュート。惜しくもポストに弾かれるという場面も。
全体的にはカターレ優勢ながらも、決して一方的ではなく、油断できない状況。
88分には町田からの期限付き移籍・布施谷がカターレデビューとなる出場、同時に河井がJ通算300試合出場となる交代が。
最後の最後まで、勝利を信じて応援するカターレファン・サポーター。そのホームの期待に応えるべく、懸命にプレーする選手たち。
しかし・・・。
スコアは、動かず。
逆転ゴールは生まれず、試合終了のホイッスル。
これで開幕3試合連続ドロー。勝ちたかったホーム開幕戦でしたが、勝利で勝ち点3を積み重ねるには至らず、1止まりとなりました。
開幕3試合で3分け、勝ち点3。
またも、評価が難しい試合となってしまったような印象です。
ネガティブに考えたならば、またも勝つべき試合を落としてしまった、と。勝ちきる強さを見せねばならなかったところ、大事なホーム開幕戦でもそれを果たせなかった。
3試合で勝ち点3は、1勝2敗と同じ。3試合で2得点止まりなのも、いささか以上に寂しい数字。優勝を目指すクラブがそれでいいのか?良くないだろ、と。
言い訳ではないけれど・・・組み合わせの妙、といった部分も。
開幕直後のこの時期、どうしても新監督のチーム、メンバーの大幅刷新チームは結果が出にくい傾向にあり、継続チームのほうが有利という部分も。
そんななか、この3試合が、いずれも継続路線チームという。
そして・・・天候は両チームにとってお互い様の条件とは言いつつも。それでも、悪条件のピッチでの試合を強いられ続けている、という感は否めないところも。
その一方、ポジティブに捉えるならば。
1勝2敗と同じ、とは言いつつも。それでも、引き分けと負けでは、モチベーションが同じというわけでは決してない。
勝ちを逃している一方で、負けを回避していることもまた事実。
実際、昨シーズンの同じようなシチュエーションだったらこらえきれずに決められて負けていただろう、なんてパターンもあったくらいで。
昨シーズンは全試合中でわずかに引き分け5、リーグ最少だったカターレ。それでも、負け試合を引き分けに持ち込めていたならばという試合、引き分けを落として負けになった試合も少なくなかったわけで。
そこを踏ん張って負け回避、それは決して悪いことではない。
とにもかくにも。
またしても、初勝利ならなかったカターレではありますが。
立ち止まっている暇はありません。
賽は投げられた。
特に、ここから5連戦。次なる公式戦・ルヴァンカップ1回戦・山形戦まで、中3日しかありません。
日々是精進。勝てなかった、で終わらせるのではなく、勝つために挑み続ける姿勢。それがなによりも肝要です。
勝てないなかにあっても、惑うことなく腐ることなく、しっかりと前を見据えて進んでいくために。
たゆまぬ努力、奮起を期待します。
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