筍
春は山菜や筍を採りに山を散歩するのも楽しいのだが、毎日、福井孫の送迎と福井の病院との通いでのんびりする時間がない。
そんなわたしに母は、一人で何本もの筍を採ってきてくれた。父は足も痛いし、退院後の体。腰の弱い母が山から下りるまで気が気ではなかったようだ。母は、「屋根から落ちる人と一緒にせんといて。ちゃんと無理せんようにしとる・・」と、珍しくきつい言葉を吐いていた。母こそは、小百合のように穏やかで優しく、自分の事は後にして、父や子供のためだけに生きているような人だ。
その気持ち大切に筍を料理する。
米のとぎ汁と、ぬかも少し。鷹の爪も入れて茹でる。とにかく、掘りたてをすぐ処理する。
厨房は家族の薬局とか言うが、私の場合は楽しい遊び場だ。
今日の料理で栗原はるみさんが、ほんわかした雰囲気で料理をするのを観るのが好きだ。楽しんで、美味しくて。
出来上がった筍を旦那に一口持っていった。夕方、先生より心臓の冠動脈の話を聞くため4時に家を出るときに自分の弁当を持っていくことにした。
病院で、一緒に食べると少しは食欲が出ないかと。旦那はほんの一口筍を食べた。「これが食べたかった」と、言ったので嬉しかった。病院の食事はかぼちゃや鮭などが出ていた。