カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

パドマワティ騒動。

2017年11月29日 22時11分59秒 | 映画 / MOVIE
12月にディーピカ・パドコーン主演の
「パドマワティ」と言う歴史物の映画が上映される予定になっているが、
インドでちょっと問題になっている。新聞記事はこちら。



ラジャスタン州のメワル国の王女パドマワティとハルジー朝のスルターン、
アラー・ウッディーン・ハルジーの物語である。
(アラー・ウッディーン・ムハンマド・シャーの名でも知られている。)

ウィキペディアによると・・・アラー・ウッディーン・ハルジーは、
モンゴル帝国によるインド侵入を5度に渡って撃退し、
自らを「第二のアレクサンドロス大王」と称した。
南インドに初めてイスラム勢力を拡大し、
インド南部におけるイスラム教信仰の基盤を築いた。
デリー・スルタン朝のインド化を進めた人物と評価されている。

ラジャスタン州のコーターでは「パドマワティ」の予告編を上映した映画館が、
襲撃されたとのニュースがあったが、ジャイプル郊外の城の城壁に
男性の遺体が吊るされていたと言うニュースもあった
反対派の過激な行動が目立っている。

私もデリーの西部にあるニルマン・ビハール駅の出口で、
その抗議集団に遭遇した。警官による警戒も物々しかった。
写真を取っていたら警官が近づいて来たので、こそこそっと退散した。
TV局も来ていた。

 

 



抗議団体の言い分は・・・歴史を捻じ曲げて、ヒンドゥー教徒の王女が
イスラム教徒のスルターンと恋愛するような映画は許さん!!と言う事らしいが、
そもそも功績のハッキリしているアラー・ウッディーン・ハルジーに対して、
パドマワティは16世紀のスーフィーの詩人ジャイシーの創作
「パドマワット」に登場する人物で、
インドの歴史上パドマワティに関する正確な記録は残っていないのだから、
歴史を湾曲しているなどと言うのは因縁でしかない。

また集会をしている連中は一部の人を覗いて、
ただ騒ぎたいだけで歴史や人物についてほとんど知らない。

もしカットなしで上映されるとなると、これが良い宣伝となるかもしれないが、
今のところ12月1日からの上映は延期(中止)になっている。
これが上映できないとなると映画の配給会社にとって大打撃となる。
抗議団体は2人の結婚式の場面をカットすれば上映を認めるとか・・・。

なお、デリー南側にあるクトゥブ・ミナールを11倍の広さに拡張し、
入口にアラーイー・ダルワーザという門を建てたのもアラー・ウッディーン・ハルジー。
クトゥブ・ミナールの境内に高さ150mのアラーイー・ミナールを建てようとしたが、
完成できずカヌレ状の台座が残っている。

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コメント
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