2008年の作品、タイトルはヒンディー語で「天国」。
英語のサブタイトルは「天国を求めて」。
映画一家であるバット一族のムケーシュ(マヘーシュの弟)が監督、
その上、主演のイムラン・ハシュミは監督兄弟の母親の妹の息子。
やっぱりここにもインド映画界にはびこる血縁主義が見られる。
今年起きたシュシャント・シン・ラージプートの自殺以降、
インド映画界におけるネポティズム(血縁主義)が大きな問題と
されているが、昔からはびこっているのである。
<ストーリー>
アルジュン(イムラン・ハシュミ)は賭け事で、
お金を稼いでいるような若者である。ある日、
ショッピングモールでゾヤ(ソナル・チョウハン)を見かけ、
後を追いゾヤが見ていた指輪のウィンドウを壊し逮捕される。
警官のシェカール(サミール・コーチャー)は、
アルジュンの父親を知っているため笑って釈放する。
アルジュンはゾヤのためにギャングの片棒を担いでお金を稼ぎ、
指輪を買って家に届ける。そしてゾヤの職場のコールセンターに
電話を掛けると運よくゾヤにつながる。
いや・・・自宅を調べるってストーカーだし、
知らない人に指輪をもらうってありえないし。
さらにお金を稼いでゾヤにいいところを見せたいアルジュンは、
クリケット賭博にお金を賭け大金を手にする。
アルジュンはゾヤに洋服など買い与え、新しい家や車を買い、
父親とゾヤを呼びスポーツ用品の輸出入で稼いでいると嘘をつく。
父親はアジュルンが嘘つきだと知っておりゾヤに告げる。
ゾヤは自分の身の上を話し、本当の事を言うようにアルジュンに
水を向けるがアルジュンは嘘をつきとおす。
虚勢を張る男はダメだ。小さい嘘がやがて大きくなるものだし。
アルジュンはますますクリケットゲーム賭博にのめり込んで行き、
元締めとなる。そして南アフリカに住む大元締めに呼ばれた際、
試合で選手に八百長を仕掛け信頼を得る。
シェカールはアルジュンがクリケット賭博を行っている証拠をつかみ、
ゾヤの元を訪ねる。ゾヤは帰宅したアルジュンを問い詰めるが、
しらを切られる。後日、アルジュンはゾヤに会い本当の事を話し
プロポーズするが、周りは警官に包囲されていた。
アルジュンは懲役5年に刑に処されたが大元締めはアルジュンを
買っており権力を利用し6ヶ月で釈放させる。アルジュンがゾヤの
職場を訪ねるとゾヤは愛しているからこそ堅気になるように諭す。
アルジュンはバーテンの仕事に就くがあまりにも給料が少なく、
愕然とし、大元締めの話に乗りクリケット賭博に加担してしまう。
妊娠が解り子供の為にも悪事から手を引いて欲しいゾヤと、
家族の為にも大金が欲しいアルジュン。
アルジュンはクリケット選手に八百長を持ちかけるが、
コーチにバレてしまい、銃で脅したところ暴発してコーチは
死んでしまう。アルジュンは逃亡し途中でシェカールに肩を
撃たれてしまう。アルジュンはゾヤを電話で呼び出し、
逃げようとするが改心するように言われ投降する。
銃を捨てた時にゾヤのために買った指輪が落ちてしまい、
拾おうとしたアルジュンは銃を取ろうとしたように見え、
警官たちに撃たれて死んでしまう。
数年後・・・スーパーで息子と買い物をしているゾヤ。
レジでお金が足りず困ったところ、息子は欲しかった
おもちゃを返しゾヤは微笑んで抱きしめる。
愛する人を見つけ天国を作ろうとしたアルジュンが、
お金で天国を買おうとして悪事に傾倒して行き、
抜け出せなくなり、最後は天国に召されてしまった。
インド映画に良くある、愛する女性のために悪事を行ってでも、
大金を得ようとする構図。生活のためにはお金は必要だが、
悪事で得た大金で何にが幸せかと・・・・。
イムランは身長175Cmと言う事だがかなり低く見えた。