2020年の歴史的作品、タイトルは1600年代に実在した
主人公の名前。タナジ・マルサレはデカン高原にあった
ビジャープル王国から独立したマラーター王国の初代君主
チャトラパティ・シヴァージーの軍事補佐官であった人物。
時代背景:1647年のムガル帝国は第5代シャー・ジャハーン、
1664年は第6代アウランガゼーブが皇帝であった。
マラーター王国はデカン高原のマハラシュトラ州、カルナータカ州、
アンドラ・プラデシュ州、テランガナ州、タミルナドゥ州辺りに
かけて繁栄した。マハラシュトラ州でシヴァージーは英雄である。
もともと敬虔なヒンドゥー教徒であったシヴァージーは
イスラム至上主義のアウランガゼーブの統治には合わなかったが、
1666年に面会した時、見下されたため関係は最悪となった。
1674年にシヴァージーはマラーター王国を興した。
実際の歴史をちょっと調べたところ若干違う箇所もあったが
まぁどちらが正しいとは言えないので映画のための脚色とする。
タナジ役のアジェイ・デーブガンと妻サヴィトリ役のカージョルは
実生活でも夫婦である。インド映画では夫婦共演は良くある。
歴史物の良いところは衣装が豪華絢爛であるところである。
踊りも古典的、伝統的である。時代を感じるのは戦闘シーンや
城や宮殿のシーンにCGが多かった事。確かに規模を考えたら、
予算的に造れないけどイラストをバックにしてるみたいで残念だった。
<ストーリー>
1647年、少年時代のタナジに父カロジが剣術の稽古をつけている
シーンから始まる。タナジはめきめきと腕を上げていく。
ある夜、ムガル帝国の兵が攻めてきてカロジは命を落としてしまう。
1664年、デカン高原ではシヴァージ(シャーラド・ケルケル)が、
勢力を伸ばし、その右腕はタナジ(アジェイ・デーブガン)であった。
ムガル帝国の第6代皇帝アウランガゼーブ(ルーク・ケニー)は、
シヴァージの勢力を恐れ、シヴァージの拠点を放棄させ、
ムガル帝国に吸収する。
4年後、南インド攻略の拠点としてコンダナ砦を将軍ウダイバン
(サイフ・アリ・カーン)に割り当てると言うアウランガゼーブの
計画を知ったシヴァージはタナジには知らせずに奪還計画を練る。
タナジは息子レイバンの結婚式のためにラージガルに到着するが、
コンダナ砦奪還の話を聞き結婚式を延期し計画に参画する。
タナジはウダイバンの進軍ルートを予測し待ち伏せるが、
内部に密告者がおりウダイバン本隊はルートを変更し
コンダナ砦に到着し大砲をラージガルへ向ける。タナジは兵を
ラージガルに戻し、単独でコンダナ砦に乗り込む。
捕えられたタナジはウダイバンに殺されそうになるが、
タナジを生かしておけばシヴァージーが来るとのジャガット
(ビプル・グプタ)の助言で助けられる。ジャガットの妹は、
ウダイバンに望まぬ結婚を強いられおり、ジャガットは妹の
救出と引き換えにタナジを逃がす。
タナジは脱出用の穴から城外に出てコンダナ砦を攻める
計画を立てる。1670年2月4日、タナジはコンダル砦の
攻撃を開始する。ウダイバンはジャガットの妹との結婚式の
準備を進めていた。タナジの軍はコンダル砦に侵入する。
ウダイバンは大砲の導火線に火をつけるがタナジが導火線を切ると、
その右腕を切り落とした。タナジはウダイバンとの死闘を制したが、
駆けつけたシヴァージーの前で力尽きる。
日本言う時代劇であるが、こうした歴史大作も
たまには良いと思う。今年はコロナの影響で、
3月下旬より映画館もクローズになってしまい、
大ヒットとはいかなかったが。