2002年の作品、タイトルはヒンディー語で「目」。
アミターブ・バッチャン演ずる銀行員が銀行に復讐するために
3人の盲人を訓練し銀行強盗をさせると言うストーリー。
アルジュン・ランパールが出ているのでずっと観たかった作品。
アクシェイ・クマールとパレシュ・ラワルと言う豪華キャスト。
パレシュの芸達者ぶりが際立つ他、動きは少ないながらも
アミターブの存在感は大きく、アクシェイも他では見た事がない、
抑えた演技の中にも光があり、アルジュンは目立つシーンは
少ないが(まぁ顔が良いから良しとする)、個性のある4人を
まとめるスシュミタも良いが結末が・・・謎。
<ストーリー>
ビジェイ(アミターブ・バッチャン)は結婚もせず人生の全てを、
銀行業務に捧げて来たがために周りには厳しすぎ敵もいた。
ある日、窓口の行員が顧客の紙幣を1枚ちょろまかしたのを目撃し、
その場で激しく殴打した事で首になってしまった。
日本であれば裏に呼んで咎めるか、警察に届けるかであるが、
その場で必要以上に殴る蹴る・・・は、いかん。が、
盗人を懲らしめたのに首にするのは・・・
ビジェイは銀行に復讐するため強盗の計画を立て、何通りもの
やり方でシュミレーションをするが名案は見つからなかった。
ある日、盲学校でネハ(シュスミタ・セン)の指導の下、
生徒たちが見事なパフォーマンスを披露するのを見る。
そして盲人を使って銀行強盗を企てる事を考え付いた。
盲人が犯人とは誰も想像だにしない。
ビジェイはネハの弟を人質にして取引を持ち掛ける。3人の盲人を
銀行強盗を行わせるために訓練すれば分け前を渡すと。
1人目は少年時代サッカー選手だったアルジュン(アルジュン・
ランパール)。2人目は音楽を弾き語るイリヤス(パレーシュ・
ラワル)、3人目は第六感の持ち主ヴィシュワス(アクシェイ・
クマール)。
ビジェイは3人の盲人を雇いネハに訓練させるための施設へ
連れて行き、自分はその様子を見守っていたが、ヴィシュワスは、
ビジェイの存在に気が付いていた。脅されているネハが目的を
銀行強盗だと告げると、アルジュンは拒絶する。ビジェイは
ネハに説得するよう指示し、イリヤスとヴィシュワスも
大金を得るか死かの選択を迫る。
銀行を模した施設で訓練が始まる。まずは行内を熟知し、
日にちを重ねていくうちに三人に連帯感が生まれてくる。
しかし全員が盲人のため限界を知ったビジェイは、
銀行が新しいビルに移転する日に儀式を行い自分とネハも
作戦に加わる事を計画する。そして予行練習は成功する。
当日、予定通りに作戦は始まったが、途中で予期せぬ事が起き、
ビジェイが修正しなんとか宝石の入った箱を奪う事に成功した。
だが予定が狂い運転手を拉致してしまい、ネハと落ち合う事が、
できないまま訓練施設へ戻りイリアスは単独で宝石を持ち去る。
ビジェイはネハと落ち合い訓練施設へ戻り、逃げようとした運転手を
射殺する。イリアスは逃走する際に市民に顔を見られており、
似顔絵を元に指名手配されてしまう。
イリアスは泥酔し施設に戻ってくるが体調が悪くなり、
ヴィシュワスとアルジュンが医者を呼びに行っている間に、
二階から落ちて死んでしまう。ネハが3人を巻き込んでしまった
事を悲観し自殺したところへヴィシュワスとアルジュンが戻る。
ビジェイは2人に取引を持ち掛けるが断られ乱闘になる。
そこへ警察がやってきてビジェイはイリアスとネハの死体を前に
ネハが首謀者と言い訳をし、ヴィシュワスとアルジュンを売るが、
2人が盲人だと知った警察は銀行を襲う事が出来るわけがない、
と決めつける。
ネハの弟を救い出したヴィシュワスとアルジュンは、
イリアスの残した楽器の中に宝石が隠されているのを発見する。
ネハの弟を学校に入た二人は列車に乗る・・・ヴィシュワスが
ビジェイの気配を感じとる。ビジェイは警官を買収し、自分を
首にした頭取を逆に刑務所に入れていた。
監禁されているネハの弟が最後の開放シーンまで出て来ず、
しかもどうやって開放されたかも不明・・・・。
そして宝石を手に入れていないビジェイが警察をそうやって、
買収したのかも不明・・・・。
ネハが自殺するのも幼い弟を残して?と謎である。
3人の盲人が強盗に加担する動機も、ただ脅迫されていただけ
と言うのも不可解である。が、3人が訓練されて行く様子、
予行練習と当日の予期せぬ出来事とそれを修正していくビジェイ、
それでも修正不可能であった箇所と結果、盲人が故に(見えないため)
アドリブが聞かない所など、後半はやっつけ仕事に見えてしまった。
女装する役に長身のアルジュンがキャスティングされたのは、
かなり違和感があるのと、パレシュとアクシェイに比べると、
ほとんど個性や特徴のない第3の男役であったのも残念だった。