『 ある市は―生徒数の格差深刻に…廃止へ 前橋市立第二中学校の女子バスケットボール部は、秋の新人戦でこんなスコアで負けてしまった。部員は5人。ギリギリの人数しかいない。 これではどうにもならないと、7人しかいないバレーボール部と合同練習を始めた。苦肉の策で、バスケット、バレーの双方の部員が一体になり、どちらの試合にも出られるようにした。 そもそも、学校の生徒数が減っている。同中の今年の新入生は1クラス分の34人。学区内には55人の子どもがいて、本来なら2クラスできるはずだったが、よその中学に進む生徒が多く出た。 こんなことになった理由は「学校選択制」にある。 公立校でも、地元の校区から離れ、行きたい学校を志望できる制度だ。学校によっては、受け入れきれずに抽選になるところもある。 規制緩和や公立不信が広がるなか、子どもや保護者に「選ぶ権利」を与える。「選ばれる」立場になった学校側は、より良い運営に努力するようになるだろう――。そんな考えのもとで広がった。06年の調査では、小学校で14・2%、中学校で13・9%の自治体が導入している。 しかし、人気、不人気が露骨に表れる、残酷な制度でもある。 前橋市では制度導入から5年がたち、学校間の格差が大きくなった。中学では、学校によって生徒数に150~600人程度の開きが出ている。 第二中の場合、比較的近い場所に別の大規模な中学がある。部活動などが活発で、学区内の生徒が流れているという。 鹿沼初男校長は「小規模を生かした良さはあるが、それにも限界がある」。一度生徒が減り始めると、マイナスの目でみられがちで、不人気に拍車がかかる。「良いイメージに変えるのは難しい」 こんななか、同市は9月、選択制を10年度の新入生限りで廃止する方針を決めた。 「ここまで差が開くとは思わなかった。クラス替えができることが学校の適正規模の最低条件だ」という市教委は、学校の「統廃合」も今年度から進める。小中合わせて66校のうち10校をなくす計画で、第二中も統合される方向だ。4校を一気に2校にする地域もある。 保護者には「行政は選択制を実験のように持ち込み、統廃合の根拠作りに使ったんじゃないか」と疑う声も出ている。 「ある区は」―選択肢減らしても抽選校続出 02年に全小中学校で学校選択制を導入した東京都江東区も見直しを決めた。これまでは区内全域、どこでも行きたい学校を志願できるようにしていたが、電車やバスで通学する小学生も出てきて、地域のつながりが薄れたことを心配する声が強くなっていたという。 来年度から、小学校では、歩いて通学できる範囲の学校しか志願できないようにした。また、人気校ではこれまで、地元学区内の子どもの数に一定数をプラスした定員を用意していたが、中学も含めてそれをやめることにした。 これだと、学区外から志願しても、その学区内で私立校などに流れた「空き人数」程度の枠しかない。 しかし――。ふたを開けると、「学校を選ぶ」動きは止まらず、来年度の入学者受け入れで抽選になる予定の学校が大幅に増えた。小学校は昨年は43校中9校だったのが今年は20校に。中学校では昨年は全22校中7校だったのが21校に。中学校で抽選にならないのは、今年7人しか新入生がいない学校だけだった。 一度「選べる」となると、保護者の気持ちは止まらない。進学内容、施設の充実度、校庭の広さ、部活動の活発さ、友だちとの関係……。選択肢が減っても、その中で「より良い」学校を選びたいと心が動く。 例えば、部活が盛んで校舎が改築されたばかりの深川第三中。来年度の学区内の入学予定者数だけで225人いるが、さらに、他学区から320人の希望申請が出た。 抽選は12月11日にあり、学区内の辞退者が出た数だけ順に繰り上がる。「行けるか行けないか」は、最終的には、私立希望者の行き先が定まる2月末ごろまで確定しないという。「先進地は」―保護者の6割「続けてほしい」 中学で導入して4年たった東京都練馬区は、検証の委員会を設置した。教員への選択式のアンケートでは、約65%が「うわさや風評で学校が選ばれるようになった」と答えた。学校選択制の肝とも言える「学校の競い合いで教育の質が向上した」という項目を肯定した教員は、わずか1・5%だった。 一方、00年に都市部で初めて選択制を導入した品川区は「区民に支持されている」という。今年2月のアンケートでは、保護者の5割が制度に満足し、6割が継続を望んだ。「選択制で、まず校長の意識が変わった」「成果や評価を意識し、子どもたちが力をつけているかをしっかり確認するようになった」。これが同区教委の分析だ。 富田祥子学務課長は「課題のある学校があれば、予算も人もつけて支援している。ただ漠然と『制度を導入すれば活性化するだろう』と考えて導入したのでは、うまくはいかないだろう」という。 立場によって、大きく異なる評価や見方。制度の行く先は見通せない。 全国の導入例を見てきた専修大の嶺井正也教授(教育政策学)は「先生の努力とは関係ないところで学校が選ばれることが少なくない」と指摘する。施設が新しい、制服がいい、駅に近い……。「人気」のもとは様々だ。坂の上にあるというだけで避けられている学校もあるという。 「人気に格差が出ることは選択制を始めるときから予想されたが、思った以上に大きかった」。年を追うごとに増えてきた制度導入の動きも「今後弱まるのではないか」とみる。 』アサヒコム
学校選択性は、公立中学校間に競争原理を取り入れ私立中学校との学力格差を是正し酔うとする狙いが有ったと思われます。合法的な越境入学です。第一次ペビープームの頃は、トップ高校への進学率の高い文教地区の公立中学校に入る為に引っ越したり、マンションの又貸しをしたり、越境入学させる保護者もいました。教育委員会の指導や私立の中高一貫校が進学率を上げて来るにつれて減少したと思います。少子化による18歳人口の減少でいずれは、学区の再編や学内の中学校の統廃合を余儀なくされると思います。その前に学校選択性により、中学校数の減少で入学者統廃合を余儀なくされる中学校もこれから出て来る思います。義務教育 段階で、電車やバスで通学するのは保護者の交通費の負担も有りどうかと思います。この頃通学途中の子供達の安全性も問題になっています。地元住民の方々や自治会と中学校との繋がりや協力も必要です。親御さんと隣近所の顔馴染みのお付き合いや子供同士の友達付き合いも遠距離通学では忘れられ希薄になり、保護者間のコミュニケーションも無くなるのでは有りませんか。
学校の設置場所、制服や設備で中学を選ぶのではなく、教育内容で学校を選択して欲しいと思います。校舎の古い中学校は、それだけ伝統のある中学校と思います。学校選択性で結果的には、学力の高い生徒が多い教育熱心な中学校に生徒が集まるのでしょうが。中学校間の学校格差が出て、生徒の入学者数の少ない中学校は、教科担当の先生も不足し、部活にも支障が出来ていると思います。学校選択性による義務教育の教育的格差拡大と教育の機会均等が失われ、日本の義務教育制度の崩壊に繋がるのでは有りませんか。学校選択性の発案者の狙いは、公立中学校間に競争原理を導入して、中学校間での競走を産み、学校に序列化つけ、保護者に人気の無い、生徒の入学者数の少ない中学校は廃校とし切り捨て御免の考えとしか思えません。学校選択性は、公立中学校を活性化したと言われますが。
東京23区の保護者に受験を予定している学校を複数回答でたずねたところ、私立が67.3%、国立が10.2%と言うベネッセの調査結果も出ています。有名私立の 一貫校の中学校課程の中学生と学力で競争するのは無理です。学校選択性の成果として、公立中学校の高校入試合格者数を上げて酔うとしてもすぐに実績が上がるものでも有りません。私立の有名中高一貫校の高等学校に外部から入っても、かなりカリキュラムの違いからしんどい思いをしなければならなくなると思います。私立中学合格者数により入学が左右されると言うことは、学校選択性により、保護者の人気の高い学力のある生徒の入学する中学校に入学者が偏る傾向になっていると思います。学校選択性は、公立校全盛時代の学生時代の思い出と憧憬を持った教育関係者の思いも感じられます。公立復活の願いも有ると思いますが。
公立中学校と私立中学校の学力格差は、時代の流れで昔とは違う現実の教育事情を認識すべきだと思います。小学校から家庭の経済的に恵まれた成績の良い子供達は、有名私立の中高一貫校に進学することが定着している今日公立校の復活は都市圏ではなかなか難しいと思います。公立中学校に学校選択性を導入したことは、公立中学校間の適者生存の競争を産み、人気のあり、学力有る生徒の揃った高校への進学率の高い中学校だけ残り、後の中学校は廃校となります。日本の義務教育制度を破壊するものと言えます。これから迎える生徒減少期の中学校の学区統合や再編前に公立中学校の適正、設置規模数に歪を生み出す可能性も有ります。
京都の私立の有名中高一貫校に合格した薬局の息子さんですが、医学部志望でしたが学年を重ねる毎に成績が下がり、昭和50年代に出来たある私立大学の医学部に合格しました。通っていた有名なH塾のある先生曰く、私立の中高一貫校に高いお金を出して入り、親御さんが、子供に教育費をかけただけの価値のある大学に合格したと言えるでしょうかと言われました。私立校受験も親御さんにとって金銭的にも、精神的にも大変ですか。有名私立中学校に合格したからと言って受験戦争に勝った訳では有りません。6 年後が本当の勝負です。学力競争に勝ち抜き高校3年の時にトップクラスに君臨出来るかどうかが一番の問題です。私立の有名中高一貫校の6年間で、落ち毀れずに何人トップクラスの成績を維持出来るでしょうか。私立中学校に合格しても、難関国立大学へのバスポートを得たとは限りません。自分の目標を持ち健康で、家族の経済的、精神的なサポートの元、6 年間の厳しい競争に勝ち抜く、気力と努力が必要とされます。
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