毎晩、日本の街角を明るく照らしてくれる防犯灯。全国に設置された約1000万台が、電力会社が検討している新しい料金制度をきっかけに、一気にLED(発光ダイオード)照明に変身するのではと注目を集めている。
防犯灯は街路灯の一種で、住宅街や商店街の電柱などに取り付けられ、夜でも近くの人の顔や動作が見えるよう設計されている。1960年代に本格的に導入され、市町村が設置し、町内会のメンバーが電球交換や修繕用の補助金をもらって管理してきたケースが多い。安価で取り付けやすいのが特徴で、普及している20~40ワットの蛍光灯タイプで、約1万数千円で新設できる。 しかし防犯灯の月々の料金が、自治体や町内会にとって馬鹿にならない。東京電力は公共性の高い防犯灯について「公衆街路灯」という割安な料金カテゴリーを用意し、1灯あたり20~100ワットまで4段階で、月額約108円66銭~376円35銭の定額制としてきた。 もっとも、この料金体系は蛍光灯などを使用した従来の防犯灯を想定したもの。省エネルギーのLED照明は、旧式の蛍光灯と比べて電気料金が 40~50%に抑えられ、昨今は家庭やオフィスなどで切り替えが進んでいる。しかし小型防犯灯の場合は20ワット以下で十分な明るさが得られるものの、これまでの電気料金体系では、肝心の20ワット以下は同一料金帯で「小型防犯灯ではLED化しても電気料金は変わらない」という不満が多かった。
しかし昨年12月に東京電力をはじめとする電力各社が、LED照明を使った防犯灯や街路灯を優遇する料金枠(20ワット以下)を検討していることが判明。2011年度中に導入するとみられ、小型防犯灯を多く抱える自治体や町内会が歓迎している。
横浜市は18万台ある防犯灯について、すべてLED照明に切り替えることを発表しており、今年度末までに1万5000台を設置。検討時から「東京電力の料金体系に交渉力を持つことを重視し、働きかけてきた」(同市関係者)といい、年間約7億円に上る電気料金(一部町内会が負担)は、LED化で3億円弱になると試算。今回の料金枠新設でさらなるコスト削減を期待する。 また群馬県太田市も、自治体向け省エネルギー事業(ESCO)を利用して、市内1万8000台の防犯灯を年度内に青色LED照明にすることを決めた。年間7700万円の維持管理費は半減するといい、事業への支払いを差し引いても10%のコスト削減効果があるという。今後は「周囲の自治体にも導入を働きかけていきたい」としている。
現在、全国に1000万本ある防犯灯のLED化率は平均で1%未満(大手照明メーカー推計)に過ぎない。今後の普及によっては、LED自体の価格もさらに下がることが予想され、防犯灯をめぐるLED照明のビジネスチャンスは今後一気に拡大しそうだ。(「週刊ダイヤモンド」編集部 後藤直義)
LED、発光ダイオードは、軽量で衝撃に強く寿命が長く故障の発生も少ないと言われていますので今後防犯灯として全国的に普及すると思います。
電気料金も安く付き 今後従来の蛍光灯より電球交換も修繕費用も少なくて済むLED、発光ダイオード蛍光灯タイプが導入が各自治体や町内会で導入が進められると思います。ただ従来の蛍光灯のような明るさが確保出来るのか、防犯上必要なことと思います。超寿命で省エネルギーを維持出来るのは大変良いことですが、明るい照明器具として定着し皆に受け入れられるかが問題と思います。私宅の仏壇の行灯5年間保障の最新のLED発光発光ダイオードでしたが、一年で切れてしまいました。本当に国産品なのかと疑問に思いました。
発光ダイオード(はっこうダイオード)は、順方向に電圧を加えた際に発光する半導体素子のことである。LED(エルイーディー: Light Emitting Diode)とも呼ばれ、発光原理はエレクトロルミネセンス (EL)効果を利用している。有機エレクトロルミネッセンス (Organic light-emitting diodes (OLEDs)) も分類上、LEDに含まれる。
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概説
寿命は白熱電球に比べてかなり長く、製品寿命は封止樹脂の劣化により透光性が落ち、発光量が一定以下になった時点をいう[1]。発光色は、用いる材料によって異なり赤外線領域から可視光域、紫外線領域で発光するものまで製造が出来る。ただし、純紫色LEDは紫外領域に近いため暗く見える(比視感度)などの問題があり、高輝度のものは現状ではあまり普及していない。最初に開発したのは1962年、イリノイ大学のニック・ホロニアック(Nick Holonyak)によってである。今日では様々な用途に使用され、蛍光灯や電球に置き換わる光源として大いに期待されている。
原理
発光ダイオードは、半導体を用いたpn接合と呼ばれる構造で作られている。発光はこの中で電子の持つエネルギーを直接、光エネルギーに変換することで行われ、巨視的には熱や運動の介在を必要としない。電極から半導体に注入された電子と正孔は、異なったエネルギー帯(伝導帯と価電子帯)を流れ、PN接合部付近にて禁制帯を越えて再結合する。再結合時に、禁制帯幅(バンドギャップ)にほぼ相当するエネルギーが光として放出される。放出される光の波長は材料のバンドギャップによって決められ、基本的に単一色で自由度が低いが、青色または紫外線を発する発光ダイオードの表面に蛍光塗料を塗布することで、白色や電球色などといった様々な中間色の発光ダイオードも製造されている。
特性
電気的特性
他の一般的なダイオードと同様に極性を持っており、カソード(陰極)に対しアノード(陽極)に正電圧を加えて使用する。電圧が低い間は電圧を上げても電流が増えず、発光もしない。ある電圧を超えると電圧上昇に対する電流の増え方が急になり、電流量に応じて光を発するようになる。この電圧を「順方向降下電圧(VF)」というが、一般的なシリコンダイオードと比較すると、発光ダイオードは順方向降下電圧が高い(発光色によって違うが、赤外では1.4V程度。赤色・橙色・黄色・緑色では2.1V程度。白色・青色では3.5V程度。紫外線LEDは最もVFが高く、4.5 - 6Vが必要)。
発光時の消費電流は表示灯用途では数 - 50mA程度だが、照明用途のものでは消費電力が数W単位の大電力の発光ダイオードも市販されており、駆動電流が1Aを超える製品もある。
逆方向に電圧を掛けた場合の耐電圧は、通常のシリコンダイオードより遙かに低く、通常はマイナス5V程度である。これを超えると破壊されるため、整流用途には使用できない。
光の特性
蛍光灯や白熱灯など他の多くの光源と異なり、不要な紫外線や赤外線を含まない光が簡単に得られる。このため紫外線に敏感な文化財や芸術作品や、熱照射を嫌う物の照明に用いられる。入力電流変化に対する光出力の応答が早く通信などにも利用されるほか、照明に用いた場合は点灯と同時に最大光量が得られる。
物理的特性
- 構造が簡単なため大量生産が可能で、安価(赤色LEDで1個5円 - 10円程度)。
- 電球と違いフィラメントを使わないため軽量で衝撃に強く長寿命であり、故障の発生する頻度も低い。
駆動方式
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基本的に、定電流で駆動する。しかし、白色LEDなどで、明るさを変更しようとした時に定電流の電流値で直接的に行うと、励起光と蛍光のバランスが崩れ、分光パターンが変動することにより、色味が変わる可能性がある。これを避ける為にパルス駆動を行い、デューティー比を可変することにより、明るさを変動させるといった手法を用いる場合もある。
電流制限抵抗 [定電圧電源に接続して使用する場合は、抵抗器を直列に接続する事で電流をほぼ一定にできる。
電源電圧をEとして電流Iを流すには適切な抵抗値はおよそ (E-VF) /IとなるがLEDの順方向降下電圧 (VF) には個体差があり抵抗にかかる電圧が変わるため、実際に製造された製品に流れる電流は設計時に想定した値に比べて多少のバラツキが生じる。
抵抗も電力を消費するため、電力効率は良くない。
定電流回路
適切な値の定電流ダイオード (CRD) を直列に接続する等、能動素子で定電流(負荷)回路を構成する事により自動車やバイクのバッテリー等、電源電圧がある程度変動する環境下でも対応できる。CRDを用いる場合にはCRD自体にも一定以上の電圧[2]がかかるようにしないと、定電流動作ができない。回路は単純であるが、電源電圧の変動を電力を消費する事により吸収するため、電力効率は悪い。
スイッチング電源による定電流電源(供給)回路は電力効率が良く、乾電池のような電源電圧の変動幅が大きい場合にも対応できる。しかし、綿密な設計をしないと機器内外にノイズ放射による悪影響を及ぼすほか、回路規模増大に伴ってコストと実装体積が増加する。
高周波点滅
点滅を、人が認識できない短い周期で繰り返す。デューティー比を変える事により、見かけの明るさを調節できる。
連続最大電流を超える電流を流すことができ電力を消費する電流制限抵抗の値等を小さくできる為、電力効率は比較的良い。
スイッチング電源よりも駆動周波数が低いため問題になる事は少ないが、配線の引き回しによってはノイズ放射が生じる。
使用に必要な知識
- 発する光の強さは電流の量におおよそ比例する。しかし特に大電流域では効率が低下する。
- 熱に弱く、80℃以上で素子の劣化が始まるため寿命が縮んでしまう。
- 発熱が少ないとはいえ、高出力品では相応に発熱する。前述のように熱に弱いので、放熱の必要性は白熱球や蛍光灯よりむしろ高い。ヒートシンクなどで適切に放熱しないと効率の低下や寿命の短縮で発光ダイオードの利点が失われる他、発煙・発火などの事故に繋がる事がある。
- 連続最大電流、瞬間最大電流を超えないこと。定格電流より大きい電流を流すと高光束が得られるが、寿命が極端に短くなる。LEDを使用した市販品では、寿命を犠牲にして高輝度を得ている物や価格を抑えるために電流を制限する回路を省いている物もある。
- 極性があることから、アノードとカソードを間違えて印加した場合発光しない。また逆方向に対する耐電圧が低く、破壊されやすい。
- 並列接続してはいけない[3]。順方向降下電圧 (VF) には個体差があり、並列に繋ぐと最も順方向降下電圧(簡単に言えば、電流が流れ始める電圧)の低い素子のみに電流が集中する。電流の集中でさらに発熱し電気抵抗とVFの値が減少し、さらに電流の集中が促進されると言う悪循環が起こる。発光量が不均一になるだけでなく、電流が最大定格を超えれば過熱による寿命短縮や焼損の危険もある。素子の破壊がオープンモードであった場合は、次にVFの低い素子に更に大量の電流が集中し、連鎖的に破壊が進行する。複数のLEDを同時に点灯する場合は、可能な限り直列に繋いだ上で抵抗や能動素子で定電流制御した回路を1単位とし、この単位回路を並列に電源に繋ぐ。但し、複数の素子が内部で並列接続されている製品もある[要出典]。
- GaN系などの発光ダイオードは静電気やサージ電流に弱いので、取扱に注意が必要である。
- レンズ付きの発光ダイオードの場合、素子の光軸と実際に放出される光の方向は製造過程におけるばらつきのため通常一致せず僅かにずれている。
- 紫外線や高出力のものは、直視すると目に悪影響を与える事がある。
材料
放出された光の波長(色)は、pn接合を形成する素材のバンドギャップの大きさが関係する。発光ダイオードでは近赤外線や可視光、紫外線に至る波長に対応したバンドギャップを持つ半導体材料が用いられる。一般に発光ダイオードには発光再結合確率の高い直接遷移型の半導体が適する一方、一般的な半導体材料であるケイ素(シリコン)やゲルマニウムなど間接遷移型半導体では、電子と正孔が再結合するときに光は放出されにくい。しかし黄色や黄緑色に長く使われてきたGaAsP系やGaP系などドープした不純物の準位を介して強い発光を示す材料もあり、広く用いられている。
以下の素材を使用することにより、さまざまな色の発光ダイオードを作り出すことができる。
- アルミニウムガリウムヒ素 (AlGaAs) - 赤外線・赤
- ガリウムヒ素リン (GaAsP) - 赤・橙・黄
- インジウム窒化ガリウム (InGaN) /窒化ガリウム (GaN) /アルミニウム窒化ガリウム (AlGaN) - (橙・黄・)緑・青・紫・紫外線
- リン化ガリウム (GaP) - 赤・黄・緑
- セレン化亜鉛 (ZnSe) - 緑・青
- アルミニウムインジウムガリウムリン (AlGaInP) - 橙・黄橙・黄・緑
- ダイヤモンド (C) - 紫外線
- 酸化亜鉛 (ZnO) - 青・紫・近紫外線(開発中)
以下は基板として利用されている。
- 炭化珪素 (SiC) as substrate - 青
- サファイア (Al2O3) as substrate - 青
- ケイ素 (Si) as substrate - 青(研究段階)
青色発光ダイオード
青色発光ダイオードは主に窒化ガリウム (GaN) を材料とする、青色の光を発する発光ダイオードである。青色LEDとも書かれる。日本の化学会社、日亜化学工業株式会社が大きなシェアを占めている。他の有力メーカーとしては、豊田合成、星和電機などがある。GaN系化合物を用いた発光ダイオードの開発とそれに続く青色半導体レーザーの実現により、紫外から純緑色の可視光短波長領域の半導体発光素子が広く実用化されるに至った。
歴史
発光ダイオードは低電力で駆動することができる光源なので、ディスプレイへの応用が期待されていた。RGBによるフルカラー表示のためには光の三原色(赤・緑・青)の発光素子が必要であるが、このうち1980年代中頃までに純赤色は実用化されていたものの、青色は実用的な高い輝度を出す製品は無かった。また黄緑色は早くから実用化されていたが、純緑色は青色と同じくGaN系半導体材料が用いられるため純緑色LEDの実用化は青色LEDの登場以降である。これらのことから、発光ダイオードによるディスプレイの実現は困難であった。
純青色発光の実現のためセレン化亜鉛 (ZnSe) 系化合物や炭化ケイ素 (SiC) を用いての研究が古くから行われ、ZnSe系による青緑 - 緑色発光ダイオードの開発に至った他、SiCの青色発光ダイオードは弱い発光強度ながら市販もされた。しかしその後GaN系化合物による発光ダイオードが急速に普及したため、現在ではこれらの材料系の技術は白色発光素子や基板などの用途に転用されている。
窒化ガリウムを用いた高輝度の青色LED開発に関しては日亜化学工業の中村修二が有名であるが、基礎技術の大部分(単結晶窒化ガリウム (GaN) やp型結晶、n型結晶の作製技術やpn接合のGaN LED)は赤崎勇(
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