2011年1月28日14時49分
国際的な学習到達度調査・PISA(ピザ)のトップ常連で「学力世界一」とされるフィンランドは、「16歳までは他人と比べるテストがない」など独特な教育を続け、小中学校で新聞を活用した授業も行われている。具体的に新聞はどう扱われ、新聞活用の意義はどこにあるのか。フィンランドの教育を長年にわたって研究している都留文科大学(山梨県)の副学長の福田誠治さんに聞いた。
■都留文科大・福田誠治副学長に聞く
フィンランドは日本とほぼ同じ面積に約500万人が暮らします。携帯電話メーカーのノキアのような国際的企業もある。驚くのは毎日56種類の新聞が発行されていること。15歳の60%は「雑誌や漫画だけでなくいつも新聞を読んでいる」と答えています。 日本の小中学校にあたるのは9年制の「基礎学校」で、たいてい1クラス20人前後の少人数です。私が視察した小学2年の理科の授業では、先生が新聞を取り出し、「新聞の天気図にある記号を三つ選んでノートに描きましょう」という課題を出しました。 お天気欄が新聞のどこにあるのか、わいわい言いながら新聞を一人ひとりがめくり始めました。家庭で新聞を読む習慣をつけている子供もいるかもしれないが、自分のテーマや関心に基づいて種々雑多な記事の載っている新聞をめくり、そしてお目当ての項目を探し出す訓練を教育現場で始めるわけです。 記号をきちんとノートに写す女子もいれば、お絵かきに熱中する子供もいる。「切っちまおうぜ」と切り抜きを始める男子もいました。新聞という素材を自分たちで自由に変えていた。 フィンランドでは、学習とは単なる知識の詰め込みではなく、自分の人生に必要な知識を自ら求めること。その知識も、学ぶ者が事実を調べ、自分なりに作りあげるものと考えられている。たとえば歴史年表をやみくもに覚えるのではなく、自分にとって重要な歴史を理解し、それを自分で年表にしていくことが知識であり、学習です。 問題点を自ら見つけ出すことが学習の第一歩ともいえ、それが新聞活用授業でも実践されていました。年長になれば新聞は文章の読み解き訓練の素材ともなる。中学1年ではフィンランド語の授業で使われていました。 小学校の校内では、廊下の一角の児童の集まる場所に新聞コーナーがあり、その日の新聞がいつでも読めます。フィンランドは図書館利用率が世界一。国民の77%が毎日1時間読書し、家族の「読み語り」も多い本好き・活字好きのお国柄の背景に、こうした工夫もあります。 学力といえば、日本では「何を学んだか」が重視されますが、フィンランドはじめヨーロッパでは「これから何ができるか」が問われます。様々な文化・言語を持つ多民族が共存する社会を発展させるためには、問題点を見つけ、周囲と協力して解決する能力を一人ひとりが持たねばならないから。 グローバル化の波に洗われる日本にも、受け身で覚えるのではなく、積極的に自分から使う学力が必要な時代が来ている。フィンランドに学ぶことは多いと思います。( ◇
■◆キーワード
<PISA>
経済協力開発機構(OECD)が2000年から3年ごとに実施。09年は世界65カ国・地域から15歳の約47万人が参加し、日本では高1の約6千人(0・5%)が参加。読解力、数学的な応用力、科学的な応用力の3分野が調べられ、09年に日本の低落傾向が止まった「読解力」では、書き手の意図をくみとった上で自分の知識と経験も活用して内容を判断する力が問われた。
国際的な学習到達度調査・PISA(ピザ)のトップ常連で「学力世界一」とされるフィンランドは、「16歳までは他人と比べるテストがない」など独特な教育を続け、小中学校で新聞を活用した授業も行われている。学校に競争原理を持ち込まない教育は大切です。日本の小中学校にあたるのは9年制の「基礎学校」で、たいてい1クラス20人前後の少人数で、先生のよく眼の届く。少人数主義の教育の成果も出ているのではないでしょうか。今の日本のように受験競走の低年齢化で、偏差値重視の受験勉強では、子供達の自主性と自発性を重んじる問題解決学習を実践するのは難しく今の日本の入試制度を改革する必要が有るのでは有りませんか。
日本では「何を学んだか」が重視されますが、「フィンランドはじめヨーロッパでは「これから何ができるか」が問われると言う指摘は、言語や文化、民族の違う国家のヨーロッパで、国家間の垣根を乗り越えて、貢献出来る有為な人材を養成しようと各国が努力している姿でありグローバル化時代を見据えた教育位置づけでは無いでしょうか。日本のように有名難関大學に合格し大企業や国家公務員のキャリヤ、最難関の医学部に現役合格する目的で小さい時から受験勉強にいそしんでいるのは、社会や国家、世界人類の為に役立ち、貢献する目的を持った有為な人材を教育を通じて養成して行くと言う大きな目的が忘れられているのかも分かりません。今の日本の受験地獄、受験勉強の知識詰め込み教育の問題点と子供達の心身の健康や発達への影響も考えるべきで、受験ストレスや欲求不満の解消、子供達同士の友情や試験中心の競争意識による友達付きあいの疎外やいじめ問題とも関わっている問題と思います。
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