経済産業省の改革派官僚の古賀茂明氏が退職しました。
民主党政権になってから大臣官房付に塩漬けにされて、
ほとんど「パワーハラスメント」に近い状況でしたが、
ついに退職に至りました。
古賀さんは『日本中枢の崩壊』や『官僚の責任』といった著書があり、
どちらも数十万部も売れているベストセラーになっています。
この手の硬い本でこんなに売れるのは珍しいと思います。
私も読みましたが、読みやすい本ではなく、予備知識が必要な本です。
古賀さんは渡辺よしみ行革担当大臣の知恵袋として、
国家公務員制度改革の中核を担ってきましたし、
本人はこれからも公務員改革に取り組む覚悟でした。
私も個人的にお世話になっていたこともあり残念です。
私がわからないことがあって電話で問い合わせると、
懇切丁寧に説明してくださって、恩を感じています。
民主党政権は、公務員制度改革にはまったく後ろ向きで、
古賀さんのような改革派官僚を干してしまいました。
霞が関の民主党政権に対する完勝と言ってもよいでしょう。
古賀さんの退職は、たいへんシンボリックな出来事です。
民主党政権は改革に後ろ向きであるということを象徴的に示し、
霞が関の守旧派の完全な勝利宣言と言ってもよいでしょう。
もし民主党政権が、古賀さんを抜擢・登用していれば、
良い方向にシンボリックに作用したと思います。
霞が関内部に存在する改革派官僚のシンボルになったはずです。
改革派官僚の希望の星となって、勇気づけたことでしょう。
古賀さんのように正論を吐いていても、干されないどころか、
出世できるということのなれば、官僚は改革に邁進したはずです。
私は「官僚性悪説」には立っておりません。
公務員制度の「インセンティブ・デザイン」が悪いと思っています。
霞が関内部には、今でも改革派官僚が大勢いることを知っています。
しかし、古賀さんの退職で改革派官僚は意気消沈しているはずです。
改革派官僚をパージしてしまった民主党政権の罪は、非常に重いです。
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